リストランテ アカーチェ(イタリア料理)


リストランテ アカーチェ ◆場 所(港区南青山4−1−15 アルテカ・ベルテプラザ B1F)
外苑前駅で降りて、青山三丁目の交差点(プラザ246の建物が角にある)で外苑西通りを西麻布方向に向かいます。左手に青山墓地を見ながら、歩いて6〜7分ほどで、ベージュ色のタイルのマンション アルテカ・ベルテプラザがありますので、オープンスペースの階段を地下に降りるとレストランがあります。(写真は地下のオープンスペースです。)
隣に
俳優 藤村俊二さん経営のワインバー『O’hyoi’s』(藤村俊二さんの愛称 オヒョイからつけられた店名)があります。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
地下鉄銀座線 外苑前駅

◆電 話
03−3478−0771(FAX 03−3478−0756)

◆営業時間
11:30〜14:00(ラストオーダー)/18:00〜21:30(ラストオーダー)
   月曜日休み

◆雰囲気
レストランの入口は地下にありますが、広いオープンスペースに面していますので、地下に行くといった、暗いイメージはありません。レストランに入るとカウンターのあるレセプションと3〜4名程度座れるウエィティングコーナーがあります。カウンターの奥は厨房で、作業しているシェフを一部見ることができます。
リストランテ アカーチェ ダイニングルームはレセプションに向って左手で、レセプションとの通路は少し傾斜していますので注意しましょう。(席に案内する時に足元に注意するように言ってくれました。)ダイニングルームは32席ほどのスペースで、テーブルの間隔はそれほど広くありませんが、中央に充分な通路があるせいか、それほど狭苦しい感じはしません。壁一面がベンチシートで、クッションが少な目ですが、しっかりした造りの椅子と同じシート生地を使っていました。テーブルはレストランでよく使われる金属脚のものです。

床は落ち着いた明るいブラウンの磨き込まれたフローリングで、奥には個室スペースがあり、ダイニングルームとは、天井付近は完全に仕切られていませんが(従って音は漏れてきます。)、カーブをつけたドアで仕切ることができます。テーブルの配置は個室スペースの方がゆったりしているようです。
インテリア全体の印象としては、モダンでシンプルですが、ベージュとライトブラウンを基調にした、上品で落ち着いた雰囲気を持っています。イタリア的なカントリーな雰囲気を希望する方には向かないかもしれませんが、上質な大人向けの静かな空間と言えるでしょう。

照明はダウンライトとブラケットを使っていますが、明るさは押さえ気味にしているので、もう少しテーブルだけをハロゲンランプのダウンライトかスポットライトでライトアップしたほうが、料理の盛り付けの美しさを引き立てるのではないでしょうか?BGMは小さな音量でカンツォーネが流している時もあれば、全く流さない時もあります。

テーブルウェアに関しては次の通りです。ネルのクロスの上にクロスが2枚の3枚重ね、食器はニッコーのボーンチャイナをメインにして、ビレロイ&ボッホ、ローゼンタール、リチャードジノリなど、グラスは無名のものですが、ワインをボトルで注文すると、リーデルに交換してくれます。カトラリーはイタリアンでよく使われるサンボネです。

レストルームは個室スペースとダイニングスペースとの境の左手奥に1室あります。中はダイニングルームと同様にモダンで落ち着いたデザインで、床はテラコッタ風の大判タイルを使っています。木のカウンター(カウンターの下が間接照明になっています。)にはドライフラワー&造花が飾られていて、液体せっけんとペーパタオルの用意がありました。

サービスに関しては以前よりサービススタッフの人数が増え、マダムが中心になって良くまとまっています。席が90%位埋まった状況で、料理の出される間隔も適切でテーブルへの目配りも充分です。全体的にとても丁寧にサービスしてくれ、おだやかな対応はこのお店の上品な雰囲気に合っています。料理の説明、ワインのアドバイスも詳しくしてくれました。手が空いてくれば奥村シェフもダイニングルームに挨拶に来てくれますし、出店時はドアを開けて丁寧に見送ってくれました。また高級レストランにしては珍しくおしぼりのサービスがありました。

◆価 格
ランチ
 ¥2,500
   前菜盛り合わせ、パスタ、ドルチェ、コーヒー
 ¥4,000
   前菜、パスタ、メインディッシュ、ドルチェ、コーヒー
ディナー
 ¥8,000
   冷前菜、温前菜、パスタまたはリゾット、メインディッシュ、ドルチェ、コーヒー
  アラカルトはなく、プリフィクス・スタイルのコースのみになります。
   サービス料 10%

◆料 理
¥8,000のコースは、どの料理もそれぞれ数種類の料理の中から選択してコースを組み立てるプリフィクス・スタイルになっていて、ドルチェはワゴンサービスでした。選択肢が多いのでアラカルトがなくても満足できるでしょう。どの料理を選択しても金額がアップすることはありませんでした。
このお店の料理は素材を吟味し、素材本来の味を生かしていて、使われている野菜の種類も豊富で盛り付けは繊細です。シェフオリジナルな料理も多く、かなり洗練されたイタリア料理です。コースの料理の量は、一品はそれほど多くないですが、全体を通すと普通の人にはまずまずの量だと思います。ただメインディッシュの量はもう少し多い方が満足感があると思いました。

冷前菜の『牛肉薄切りのカルパッチョ』は、いろいろな野菜をふんだんに使ったカルパッチョで、新鮮で上質の野菜を使っていることは、ルーコラのゴマ風味がたっぷりしていることでもわかります。セロリの千切りはクセが少なく、パルミジャーノ・レッジャーノもしっかり使われています。
冷前菜の『マグロのタルタル風 小さな野菜とキャビア添え』は、美しい盛り付けでいろいろな野菜の付け合せと一緒に食べるタルタルです。キャビアの塩気がほど良いアクセントになっていました。凝った料理ではありませんが、上質な素材本来の美味しさを楽しめます。

温前菜の『蒸しアワビと石川芋のコンビネーション』は、シェフの代表的なスペシャリテです。充分蒸して柔らかくなったアワビの食感と石川芋の組み合わせがおもしろく、少し甘めのバルサミコソースとの相性は大変良いと思います。
温前菜の『オマール海老のグラチネ グリーンソース』は、オーソドックスなオマール海老のグラタンで、火入れはとても良く、オマール海老本来の甘さが充分感じられました。バジルを主体にしたソースはシンプルながら素材本来の味を生かしています。

リゾットの『デュラムセモリナ小麦のリゾット風 フォアグラのせ』(写真は小皿に二人でシェアしてもらった時の一人分を盛り付けた場合)は、パスタに使われるデュラムセモリナ小麦をリゾット風にしたおもしろい一品で、お米とは違った食感、風味が楽しめます。デュラムセモリナ小麦は少し芯を残したアルデンテで、フォアグラはオーソドックスに甘く仕上げています。
パスタの『小さな詰め物入りパスタ、生クリームのソース』(写真は小皿に二人でシェアしてもらった時の一人分を盛り付けた場合)は、挽肉とリエトロを詰め物に使ったパスタで、生クリームとフォルマッジオを使った滑らかなソースはまろやかで、おいしいソースでした。トレビスの微妙な苦味もうまいアクセントになっています。ただソースがおいしいせいで、パスタの中の詰め物の存在感は希薄です。

肉料理の『肉・野菜などのポリート』は、フレンチではポトフーと呼ばれるシンプルな煮込み料理です。写真をご覧になればわかるように、ポトフーとは思えないほど丁寧な盛り付けで、柔らかく煮こんだいろいろな種類の肉(牛頬肉、牛タン、豚肉、鶏肉)の味が楽しめます。煮込み具合はとても良く、スープの味がこってりしていないので、それぞれの肉の持ち味が良くでています。バジルを味のアクセントに使っていて、お口直しにマスカットが添えられています。
肉料理の『牛頬肉の煮込み ポレンタ添え』は、とても柔らかく煮こんでいて、ポレンタは軽く揚げてありました。ソースはおだやかな甘さが感じられる上品な味で、洋食にありがちなしつこさが感じられるデミグラスソースとは一線を画しています。ただメインディッシュにしては量は少な目でした。

ドルチェはワゴンからの盛り合わせで、お好きな種類をお好きなだけ選べます。選んだ種類が多いと二皿に分けてサービスくれました。8種類位の用意があり、タルト、ムースなどのオーソドックスなものが多いようです。どれも甘さを抑えて上品に仕上っていました。
食後の飲み物はエスプレッソ、コーヒー、紅茶などが選べ、小菓子のサービスもありました。

パンは、自家製のもの(オリーブ、ケイパー、ローズマリーを練りこんだもの)と一般的なバゲットで、温めてサービスしてくれました。

ワインはすべてイタリアワインで、赤が百種類以上(¥6,500〜¥15,000位)、白が二十数種類(¥6,500〜¥10,000位)、スプマンテが数種類(¥6,000〜¥10,000位)と、高級店にふさわしく品揃えは豊富でした。価格的にはレストランとしては標準的だと思います。

◆その他の情報
奥村シェフはイタリアで修行後、西麻布『アル・ポルト』、銀座『モランディ』(閉店しています。)の高級店で働き、独立してこの店をオープンしています。
姉妹店として北青山に『トラットリア・ペコラ』(TEL 03−5772−6876)があります。


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