◆場 所(渋谷区神宮前3−5−4 セトル神宮前1F) 表参道の交差点から、表参道をJR原宿駅方向に向かって、通りの右側の歩道を進み、伊藤病院の角を右折して横道に入ります。有名な(!?)「KIMIJIMA」ブティックを右に見ながら突き当たりを左折し、すぐに右折します。少し進んだ左手のトンカツの「まい泉」の建物から100m位進んだ左手の建物の1Fです。表参道駅の出口から徒歩6〜7分位です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 地下鉄 銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅 ◆電 話 03−3402−6486(FAXも同じ番号です。) ◆営業時間 11:30〜14:00(L.O.)/18:00〜21:30(L.O.) 水曜日休み ◆雰囲気 レストランに入ると、すぐ右にワインセラー(加湿冷蔵庫)と左にハンガー掛けがあり、奥が厨房で、左手にこじんまりとした、18席のダイニングルームがあります。小さなレストランですが、インテリアはフランスの田舎のレストランの雰囲気を良く出しています。床は薄い色のテラコッタ風の大判のタイル敷き、壁はクリーム色の荒い仕上げの塗装です。壁と天井の境にはトリムがついていますし、油絵を飾ったり、クラシックな調度品を置くなど、細かいところにも気を使っています。テーブルは金属脚のもの、椅子はベージュの木製のもので、クッションはあまりありません。テーブルの間隔は狭いですが、インテリアが落ち着いた色調でまとまっていますので、それほど気にならないと思います。 オープンキッチンで、厨房の作業の音が少し聞こえてきますが、ダイニングルームとの間には、リキュールやグラスが置いてあるバーカウンターがありますので、シェフが働く姿はほとんど見えません。 照明は真鍮製のシャンデリアとブラケットを使っていて、電球は透明の蝋燭型です。特にテーブルをライトアップしていませんが、必要にして十分な明るさを確保しています。天井にはスピーカーがありましたが、BGMは流していませんでした。 レストルームは廊下を挟んで厨房の隣(入口から見て、ダイニングルームの右奥)にあります。男女兼用ですが、とても広く、ダイニングルームとインテリアを合わせています。床と腰壁はダイニングルームの床と同じテラコッタ風の大判のタイル、上壁はクリーム色に塗られていました。洗面台の照明も真鍮のブラケットを用い、水洗金具もクラシックなデザインのものです。ドライフラワーやシャンパーニュのボトルを飾るなどの遊びもしています。洗面台にはペーパータオルと液体石鹸の用意がありました。なおレストルームへ行く通路には、段差がありますので、ご注意ください。 テーブルウェア関係は次の通りです。テーブルクロスはゴムマットの上に薄いピンクのクロスと白いクロスの三枚重ね、カトラリーは無名のもの、プレゼンテーションプレートはニッコー、一般の食器は主にニッコーのボーンチャイナを使っています。水などのグラスは普通のクリスタルガラスですが、ワイングラスはボトルを注文するとリーデルを使いますので、ワインを充分楽しめます。テーブルにはプティフラワーも置かれていました。 サービスに関して、18席の小さなお店ですが、メートルドテル以下3名おりましたので、満席でもテーブルへの目配りは十分で、配膳時のサービスも丁寧です。ただ注文した料理が皆さん異なるので厨房が忙しいのか(厨房にはシェフが3名位はいたようでしたが)、料理の出される間隔は少し間延びしていました。メートルドテルは、物腰が柔らかく、ワインのアドバイス、料理の説明も詳しかったのですが、他の2名に料理について質問すると、いちいち厨房に聞きに行くのは、このレベルのお店では少し物足りません。ただどの人も明るい接客ですので、気持ち良く食事ができると思います。出店時はメートルドテルがレストランの外に出て、丁寧に見送ってくれましたので、気持ち良く出店できました。 ◆価 格 ランチ ¥3,000/¥5,000 ディナー ¥6,500(アンフォールコース) アミューズ、前菜、魚料理、肉料理、デセール、食後の飲物、プティフール ¥10,000(おまかせフルコース) アミューズ、前菜二品、魚料理、お口直し、肉料理、デセール二品、食後の飲物、プティフール アラカルトも二十数品あります。アラカルトの主な価格帯 前菜 ¥1,600〜¥2,800/本日の鮮魚料理 ¥2,800〜/肉料理 ¥2,800〜¥3,900 デセール ¥800〜¥1,000/フロマージュ各種 ¥900〜 コーヒー/アンフュージョン(ハーブティー) ¥500 サービス料 10% ◆料 理 料理の写真を掲載していますが、すべてアラカルトの料理の写真です。コースの料理とは、内容、ポーションが違うことがありますので、ご注意ください。また利用時の菊池シェフは独立しています。 コースとアラカルト、両方同じ素材の料理の用意がありましたが、調理法が異なり、別の料理になっていました。コースでも一部の料理は、3種類位から選択できるようです。アラカルトで注文する場合、料理によってはポーションが小さくて、前菜、メイン、デセール、フロマージュでは少なく感じることがありますので、注文時にどの程度の量かメートルドテルに確認した方が良いでしょう。メニューには、本日のお肉料理、本日の内臓料理(仔牛の脳味噌、仔牛の腎臓など)もありますので、アラカルトで注文する場合、メートルドテルとよく相談してみましょう。 料理はシェフのアイデアを生かした個性的なもので、オーソドックスなフレンチでなく、ソースが控え目で、オリーブオイルを巧妙に使ったフレンチでした。手書きのメニューを見ると、意外な素材の組み合わせと調理法の料理名が並んでいて、興味を引かれます。食べてみると、菊池シェフのしなやかな発想と感性、おいしいものを創り出す意欲は感じられるものの、私達には味のバランスが悪いように感じられる料理もありましたが、今まで経験したことのないフレンチの味を楽しみたい人には、魅力的なレストランではないでしょうか?客層はフレンチを食べ慣れている人が多いように感じました。 アミューズの『ブーダン・ノワール』は、レストランおなじみのものですが、下にリンゴのピューレが敷いてあります。ポピュラーな組み合わせですが、くせのないブーダン・ノワールはフルーツの甘さとよく合います。 前菜の『人参のムースとコンソメのジュレ ウニ添え』は、ムース、ウニ、ジュレが階層構造になっていて、たっぷり入ったウニのクリーミーなまろやかさ、人参のムースの甘さ、コンソメのジュレの凝縮した旨味のハーモニーは魅力的な、初夏にふさわしい爽やかな料理でした。クリスタルグラスに盛り付けるプレゼンテーションは、きれいで爽やかですが、アラカルトとしては、量が少ないと思います。 前菜の『オマール海老とホタテ貝のサラダ ジャガイモ、茄子、赤ピーマン』は、オマール海老がたっぷり入ったサラダで、オマール海老の甘さが生きています。赤ピーマンはよく火が通り、トロリと仕上げていて、ピューレ状の茄子とよく合います。ヴィネガーの使い方は控え目で、お皿の周囲には黒オリーブが添えられています。少々疑問なのは、ホタテ貝の存在感が希薄なことと、サイコロ状のジャガイモの多さです。食べた後に、「ジャガイモとオマール海老」の味の記憶だけが残り、他の素材の味の印象が蘇りません。 前菜の『ウナギとフォアグラの温かいテリーヌのパネ サラダ添え』は、下にカレー風味のライスが敷いてある、夏らしさをだしたユニークな料理です。ウナギの味がパネされてもしっかり残り、香ばしさもありますが、その分フォアグラの味の印象が薄く、ウナギとフォアグラを組み合わせてパネした意味が、私達にはよく理解できませんでした。 肉料理の『フランス・シストロン産仔羊の瞬間薫製』は、仔羊本来の旨味があるジューシーな肉を使った主菜です。瞬間薫製したことで香りが素晴らしく、火入れもベストの状態でした。付け合わせにはパセリ入りのパン粉をのせた甘みがあるトマトに火を通したものなどが添えられていました。主菜としての量も充分です。 デセールの『里芋のミルフィーユ バニラ風味 ローズマリーのクレームグラッセ チョコレートソース』は、ゆがいて温めた里芋を重ねたものに、香りの強いローズマリーのアイスクリームを添えたものです。甘さを控え目にした里芋とチョコレートソースの相性はなかなか良いのですが、ハーブの中でも個性の強いローズマリーの味と香りが、料理全体の味のバランスをくずしているように感じました。 デセールの『トマトのシャーベットのグラタン オレンジ風味』は、トマトの甘みと酸味のハーモニーが爽やかな料理です。オレンジ風味は控え目ですが、洋酒がよく効いています。グラタンといっても、シャーベットですので、表面に軽く焦げ目をつけただけです。 パンはシャンピニオン形で、いつも温めてサービスされ、香ばしくておいしいですが、一般的なものです。 フロマージュの品揃えは、各タイプ2〜3種類で10種類程度用意してありますので、選びたいフロマージュがなくて特に困る事はないでしょう。 ワインに関して、ブルゴーニュで修行したシェフらしく、ブルゴーニュの珍しい造り手(菊池シェフが在仏時代に訪ね歩いた造り手のようです。)のワインが揃っています。種類としては、ブルゴーニュ赤(¥5,500〜¥35,000位)が40種類弱、ボルドー赤(¥6,000〜¥35,000位)が30種類位、ローヌ(¥7,000〜¥24,000位)が数種類、ブルゴーニュ白(¥5,500〜¥18,000位)が二十数種類、ロワール、アルザス、ローヌの白(¥5,000〜¥15,000位)がそれぞれ数種類、シャンパーニュ(¥5,500〜¥25,000)が十数種類と、とても充実しています。ハーフボトルも赤・白それぞれ数種類用意してありました。¥10,000前後のワインが多く、レストランとしてはワインの価格も良心的です。但しワインの持ち込みはできません。 食後の飲物はエスプレッソ、コーヒー、紅茶、ハーブティー(フレッシュではありませんが、数種類をブレンドできます。)が選べ、プティフールもサービスされます。コーヒーは少し苦みが強すぎるように思いますし、ミルクは冷たいまま出されました。 ◆その他の情報 このレストランは、五十嵐シェフの銀座『マノアール・ダスティン』の姉妹店(料理は他のシェフが担当しています。)です。 利用時の菊池シェフは独立し、西麻布に『ル・ブルギニオン』をオープンしています。 港区西麻布3−3−1 TEL 03−5772−6244 |