◆場 所(港区南青山5−5−25 T・PLACE B1F) 表参道駅のB3出口(三和銀行のビル)を出ると青山通りですが、出口すぐの角の幅4m弱の道へ左折します。100m位進むとT字路になり、その道沿いのすぐ左手に、T・PLACEというレンガ色のタイルの2階建ての建物がいくつも連なったショッピング・スペースがあります。T・PLACEに入ると、すぐ右手に地下のリストランテ・ヒロへ行く階段があります。その階段を降りていくとレストランの入口です。駅のB3出口から徒歩2〜3分です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 地下鉄銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅 ◆電 話 03−3486−5561 ◆営業時間 12:00〜13:30/18:00〜21:00 月曜日休み/火曜日の昼休み ◆雰囲気 レストランは地下なので階段を降りていくと、入口付近に、ガーデニングショップと間違えるほど、いくつもの手入れされたプランターが置いてあります。ガラス張りの入口のドアを開けてレストランに入ると、正面にはレストルーム(男性用と女性用)があり、さらに左手の一部磨りガラスの入った木のドアを開けると、レストラン内部になります。すぐにレセプションになりますが、バーカウンターとクロークを兼ねているせいか、ちょっと雑然とした感じがします。ここを通り過ぎ、仕切りに使われている白のカーテンを越えるとダイニングルームになります。 地下のお店にしては、ダイニングルームは天井が高く、床は赤御影石で、中央の通路は必要にして充分なスペースを確保しています。形としては細長い、席数は四十数席ほどのダイニングルームです。 中央の通路をはさんで、右手に濃いグリーンの背もたれの高いベンチシート、背もたれが低い椅子(クッションはあまりありません。)とテーブルを組み合わせた席、左手に2〜4脚の椅子とテーブルを組み合わせた席が配置されています。ベンチシート側の席は、隣との席の間隔はそれほど広くないので、隣の会話が聞こえてしまいます。高級店なのでもう少し余裕を持った席の配置にしてもらえたらと思います。ただダイニングルーム中央には大きな生花が飾られ、通路も広く、天井も高いので狭苦しい感じはそれほどしません。なお厨房は中央の通路の奥で、ここも白いカーテンで仕切られています。 天井に梁を渡し、茶の格子をところどころに壁に取り付けたインテリアは、イタリア風というよりは、アジアンテイストの雰囲気を持っています。最近の高級イタリア料理店は、家具、置物などインテリアは勿論、ピッツア用の薪窯まで、すべてイタリアから取り寄せてイタリア風のインテリアにする例が多いですが、ここは山田シェフの個性的なイタリア料理に合わせたのか、インテリアも別の方向でまとめたようです。 照明は天井からの白いガラス(?)のグローブの丸いペンダントランプのフラットなもので、席に沿って並んでいます。それぞれのテーブルをライトアップするような演出はないので、少し暗い印象を受けます。ただライトコントロールできるようなので、もう少し明るくすることは可能なようです。BGMはモダンジャズが流れていましたが、それよりも満席時は、皆さんの会話の方が少々うるさく感じることがあります。 レストルームは壁と床全体が白大理石、プティプラワーの置かれた洗面カウンターは黒御影石で高級感があり、ハンドタオル、ティッシュペーパー、液体石鹸の用意がありました。手入れも行き届いています。 テーブルウェア関係は次の通りです。テーブルクロスはネルのカバー、黄色のクロス、白のクロスの三枚重ね、ナプキンは『Hiro』の刺繍入り、カトラリーはどこのメーカーのものかわかりませんでしたが、食器はニッコーのボーンチャイナ(シンプルですが、盛付けが引き立ちます。)、ワイングラスは容量の大きなスピゲラウを使っていますのでワインを充分楽しめます。 サービスに関して、席数に対してサービスの人数はちょうど良い位ですが、満席の場合は多少忙しない感じを受けます。但し料理やワインの相談は丁寧で、どの人も明るい応対でしたので、決して感じの悪い印象は受けないと思います。各テーブルへの目配りも行き届いていて、空のワイングラス、水のグラスに注意していましたし、パン皿のパンが少なくなると、パンのお代わりを勧めてくれることもあります。出店時の見送りも丁寧でした。 ◆価 格 ランチ ¥1,800/¥2,800/¥3,800 ディナー ¥6,500 ¥8,000(アンティパスト1、アンティパスト2、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェ、食後の飲物、プティフール) アラカルトはありません。季節により特別料理(¥10,000〜)があります。 サービス料 10% ◆料 理 料理の写真を掲載していますが、他のお客様に迷惑にならないように、すべてフラッシュを使用していません。 そのため不鮮明な写真がありますが、ご了承ください。 コースの料理は6〜8種類の料理からの選択式なのでアラカルトがなくても満足できると思います。ほとんどの料理が追加料金はありませんでした。季節は限定(冬場を除く)されますが、この店の料理として有名な『高知産トマトの冷たいカッペリーニ』も選択することができます。コース料理の量は従来少なく感じることがありましたが、¥8,000のコースは普通の人には十分な量だと思います。 この店の料理は、シェフの個性を全面に出したイタリア料理で、素材の力を重視した料理と言えます。和や中華の素材を使う事もあります。上質な旬の素材を使っていますし、どの料理もシェフのアイデアが生かされた料理ですので、オーソドックスなイタリア料理では満足できない人には向いています。 アンティパストの『高知産トマトの冷たいカッペリーニ』は、高知産のスーパートマトと呼ばれる甘みが強く、ジューシーなトマトの素材自体の良さを重視していて、それがしっかりと料理に反映されていました。イタリア産のトマトも甘さが多く、パスタとの相性も良いので、両方を食べ比べてみたい気になります。 アンティパストの『イラン産キャビアのカッペリーニ』は、キャビア自体の素材の美味しさを生かしたシンプルなパスタで、カッペリーニとの相性も良いものでした。 セコンド・アンティパストの『帆立と焼ナスのタルタル きのことジュンサイ添え』は、タルタル状の帆立と焼ナスのスパイシーな味付けで、さっぱりとしたジュンサイときのこと好対照を見せています。焼ナスのこげくささが、なかなかおもしろいアクセントになっていました。 セコンド・アンティパストの『牛テールの冷製香りのサラダ仕立て』は、「これが牛テール?」と感じるほど、とても柔らかく仕上げた冷製の牛テールと周囲にたっぷり添えられたジュレが印象的な料理です。多めのクレソンを使うことによって、食後の余韻はさっぱりしています。 プリモ・ピアットの『大トロと長ねぎのフェデリーニ レフォールとトンノボッタルガ風味』は、大トロと長ねぎという和食で使われる素材の組み合わせのパスタ料理で、トンノボッタルガ(マグロの卵巣を塩漬け乾燥したもの ボラのカラスミのマグロ版)風味が鰹節のような、レフォールが生姜のような効果(?)を出していて、おもしろいパスタでした。レフォールは思ったほど、強く効かせていません。 プリモ・ピアットの『ジャコと小松菜のパスタ』も、和食で使われる素材の組み合わせのパスタ料理で、少しジャコの塩味が強いですが、小松菜との相性も良く、良い素材さえあれば、家でも作ってみたくなるパスタです。 セコンド・ピアットの『松阪肉の備長炭、炭火焼 きのこ添え』は、松阪肉を備長炭で丁寧に火入れしてシンプルにグリルした料理です。きのこの味付けも松阪牛とよく合いますが、主菜としては量が少なく感じる人がいるかもしれません。 セコンド・ピアットの『フォアグラのげんこつステーキ(+¥1,500)』も、上質なフォアグラを使い、ハーブ、オリーブオイル、ガーリックの使い方がバランス良く、楽しめる料理に仕上がっていました。 ドルチェも7〜8種類から選べますが、ティラミスやパンナコッタを使ったオーソドックスなドルチェではなく、パイナップルのミルフィーユなど、新鮮な果物をふんだんに使い、添えられたシャーベット、アイスクリームも含めてとても爽やかな味です。盛付けも美しく、リストランテに相応しいドルチェと言えます。 『ココナッツ風味のブランマンジェ マチェドニア スープ仕立て ソルベット添え』は、メニューの中ではオーソドックスなドルチェで、マチェドニアに使われているフルーツの甘さ、ブランマンジェの甘さも控え目で、爽やかなドルチェです。ココナッツ好きの方にはお勧めできます 『桃のコンポート』は、桃をまるごと一個を使っって大胆に盛り付けたコンポートです。このコンポートも甘さは控え目で、思ったほど柔らかく漬け込んでいないので、フルーツ本来の味が生きています。 パンは自家製で、フォッカッチャ、トマトとパセリを練り込んだパンなど、数種類用意されているので、料理に合わせて好みのものが選べます。フォルマッジオ(チーズ)の用意もありますが、勧めないこともありますので、食べたい人はメイン料理の後に申し出ましょう。 食後の飲物はエスプレッソ、コーヒー、カプチーノ、紅茶、ハーブティーが用意され、プティフールもサービスされます。 ワインはほとんどイタリアのものですが、品揃えとしては、スプマンテ,シャンパーニュが数種類、白が20種類、赤が30種類位あるので十分です。高価なワインもありますが、中心価格帯は¥8,000〜¥14,000ですので、料理との価格のバランスがとれています。高級レストランとしては価格も妥当でしょう。 ◆その他の情報 山田宏巳シェフはイタリアで修行後、原宿『バスタ・パスタ』で活躍して有名になり、他の店で働いた後、独立してこの店をオープンさせています。 リストランテ・ヒロのページへ |