モン・フィナージュ(フランス料理)


◆場 所(渋谷区桜丘町15−4 ルート桜丘1F)
渋谷駅の南口を出て、国道246号を渡って、JTBと東急観光の営業所の間の道に入ります。数十m位進むと角に薬店がありますので、その右の坂道に入り、数十m位進んだ右手のマンションの1Fがレストランです。南口から徒歩3分位です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
JR・地下鉄・東急・京王線 渋谷駅

◆電 話
03−3462−0032(FAXも同じ番号です。)

◆営業時間
11:30〜14:30
17:30〜21:30(ラストオーダー)
ワインバー 21:00〜23:00
   日曜日休み

◆雰囲気
’99年4月に開店したフレンチレストランです。ファサードはガラス張りになっていますので、レストランの内部がよく見えます。レストランに入ると小さなレセプションがあり、レセプションの白いカーテンの後ろが、18席ほどの小さなダイニングルームになります。左手には数席ほどのカウンターもあり、厨房はオープンです。床は明るい茶のフローリングで、壁は白く塗られていて、レストラン全体のイメージは、高級感はありませんが、気軽に利用できる、明るい雰囲気のフレンチレストランです。写真のように、いかにもビストロといったような田舎風なインテリアではありません。
テーブルは金属脚の軽量のもので、ダイニングルームの一番奥には紺の合成皮革のベンチシート、他の椅子はクッションがあまりない、木製のものを使っています。右手奥にワインセラー(加湿冷蔵庫で、この他にセラーはないようです。)も置いてあります。低価格のレストランなのでテーブルの間隔は広くありませんが、通路幅はそれほど狭くありません。
照明はシーリングライト、ブラケット、ダウンライトを使っていて、全体の雰囲気は明るく、テーブルの上も適度にライトアップされて、料理が映えるようになっています。BGMは静かな音量で流れていて、特に気になるほどではありません。

テーブルウェア関係は次の通りです。テーブルクロスは白と黄の2枚で、ネルのアンダークロスはありません。食器はニッコー、ノリタケなどの国産のもの、カトラリーはTodai、ワイングラスは、容量の大きいスピゲラウ、シャンパーニュグラスはモエ・エ・シャンドンですので、ワインやシャンパーニュを楽しむには充分です。
レストルームは、厨房の入口に向かって右手(厨房とドアが隣合わせなので、出入り時にぶつからないように注意が必要です。)に男女兼用の1室だけですが、中は比較的ゆったりとしていて、清潔感のあるインテリアです。ベージュの大理石を使った洗面カウンターには生花も飾られ、ペーパータオルと液体石鹸の用意がありました。なおレストルームにもBGMが流れています。

フロアのサービスに関しては、二名が担当していて、席数と価格をを考えると妥当ではないでしょうか?但しテーブル席がほとんど埋まった状態では、料理の出される間隔は、多少遅い気もしますし、テーブルの目配りも完璧とは言えませんので、ワイングラスが空になったら、呼んで注いでもらいましょう。応対はとても丁寧ですので、気持ち良く食事できます。なおシェフもダイニングルームに頻繁に出てきて、料理の説明、ワインのアドバイスをしてくれ、出店時も見送ってくれました。

◆価 格
ランチ  行っていないので不明です。
ディナー
 ¥3,800
  アミューズ、前菜、スープ、魚または肉料理、デセール、食後の飲物
 ¥5,800
  アミューズ、前菜、魚料理、肉料理、デセール、食後の飲物
 ¥6,500〜(シェフのおまかせ料理)
 アラカルトもあります。主な価格帯
   前菜 ¥1,800〜¥2,500/魚・肉料理 ¥1,700〜¥2,500
   デセール ¥800〜¥900/フロマージュ ¥400(1種)〜
   パンの追加 ¥200
  サービス料 10%

◆料 理
¥3,800、¥5,800のコースは、前菜は盛り合わせ、魚・肉料理、デセールをアラカルトの料理から選べました。勿論ポーションはアラカルトより少なくなるはずです。¥3,800のコースは、『軽くお食事する日のコース』とメニューに書いてあるように、普通の人には、いくぶん量が少ないので、足りないと感じる人は、フロマージュを別に注文した方が良いでしょう。今後変わる可能性はありますが、南仏風の軽い仕上がりの料理が多く、シェフの個性が強く感じられる、印象の強い料理はありませんが、どれもバランスの良い味付けで、どなたにも受け入れられるオーソドックスなものでした。

アミューズの帆立のすり身を軽く焼いたものは、玉ねぎの微塵切りとオリーブオイルが添えられます。喩えは悪いですが、蒲鉾のような風味です。
前菜は盛り合わせになり、写真の上がフォアグラのテリーヌ、左下が無農薬マッシュルームのピューレ、右下が3種類のキノコとリー・ド・ヴォーのテリーヌです。ピューレにはヘーゼルナッツも入っていて、キノコのテリーヌと一緒に食べると、味のバランスがとても良いと思います。フォアグラのテリーヌは、量は少ないですが、ポルト酒を使って甘く味付けした、オーソドックスなテリーヌです。
スープは『緑レンズ豆を使ったスープ』で、比較的あっさり仕上げていて(こってりしたクリーミーなスープではなく)、スパイスの使い方もほどほどでした。

魚料理の『的鯛のグリエ オレンジソース』は、ポテトのピューレが的鯛の下に敷いてあり、ラタトュイユ(ナス、ズッキーニ、トマト、ピーマン、玉ねぎが使われています。)が付け合わせられます。的鯛は身が柔らかく、丁寧にグリエされていて、甘みと酸味がバランスしたオレンジソースで食べます。プロヴァンス風の軽い味付けで、主菜としての量も十分でした。
肉料理の『牛ホホ肉のカベルネソーヴィニヨンソース』は、ゼラチン質が豊富な牛ホホ肉を、とても柔らかく煮込んでいて、付け合わせのリゾット、人参(大きめに切って、グラッセしたものではなく、珍しく千切りにしています。)との組み合わせもオーソドックスな料理です。洋食屋の牛肉の煮込みのデミグラスソースと違って、カベルネソーヴィニヨンを丁寧に煮詰めて仕上げたソースは、とても繊細で上品な味わいでした。主菜としての量も十分です。

フロマージュに関しては11種類あり、各タイプを2〜3種類ずつ揃えていますので、低価格のレストランにしては充実しています。シェフがロックフォールにレーズンなどを加えて、レーズンバターのようにアレンジしたもの(写真の左側のフロマージュ)もありました。特にクルミやレーズンが入ったパンのサービスはなく、バゲットを薄く切ったものが、付け合わせられます。

デセールの『クレーム・ブリュレ モン・フィナージュ風』は、大葉を色付けに使った(大葉の風味はありません。)、ココナッツのアイスクリームが添えられていました。モン・フィナージュ風と銘打っていますが、クレーム・ブリュレはバニラビーンズをたくさん使ったオーソドックスなものです。それほど温めては出されませんでした。
『デセールの盛り合わせ』は、自分でワゴンからお好きなものを選ぶ盛り合わせではなく、カシスのムース、ガトーショコラ、完熟バナナのスフレグラス、イチゴのジャムなどを盛り合わせたものです。この中ではアラカルトでも用意される、完熟バナナのスフレグラスが一番印象に残ると思います。
食後の飲物は、コーヒーと紅茶が選べますが、ミルクは温めてはいません。
パンは、バゲットのみですが、最初にトレーに入れて軽く温めてサービスされました。なおパンの追加は有料になります。

ワインの品揃えに関しては、赤がボルドー、ブルゴーニュ、コートデュローヌなどを13種類(¥4,000〜¥12,000位)、白がブルゴーニュ、ロワールなどを11種類(¥4,000〜¥12,000位)、シャンパーニュが6種類(¥6000〜¥7000位)で、価格もレストランとしては低く抑えていて、料理の価格ともバランスが取れています。ただ品切れのワインが、いくつかありましたので、在庫管理をもう少しきちんとして欲しいと思います。

◆その他の情報
『モン・フィナージュ』の中村吉伸シェフは、六本木『イゾルデ(閉店)』でスーシェフを努めた後、渡仏、ニースの高級ホテル『ネグレスコ』、パリの『ジャマン』、『タイユバン』などで修行して帰国、『キョウヌーヴォー』の料理長を経て独立、この店をオープンしています。
若手シェフの集まり、クラブ・ミストラルの会員です。

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