ル・レストラン・ドゥ・レトワール(フランス料理)


◆場 所(渋谷区恵比寿1−14−8ベル・ツリー恵比寿1F)
恵比寿駅東口で降り、そのまま30m位進みます。大きな通りにぶつかるので、その通りを渡り、昭和信用金庫と喫茶店ルノアールの間の道に入ります。100m弱進んだ(恵比寿東公園の手前)右手のマンションの1Fがレストランです。レストランの向かいにラーメン屋『山頭火』があります。駅から徒歩数分です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
JR・地下鉄日比谷線 恵比寿駅

◆電 話
03−3473−1026(FAXも同じ番号です。)

◆営業時間
ランチ  12:00〜14:00/ディナー 18:00〜22:00
   日曜日・第3月曜日休み

◆雰囲気
レストランの入口は写真のように、手入れされたグリーンと適度なライトアップで品良くまとまっています。レストランに入ると、すぐに30席ほどの大きさの長方形のダイニングルームになります。内部のインテリアはモダンデザインを基調にまとめられていますが、冷たいイメージは全くありません。そのインテリアは決して華美に走らず、きちんとしたコンセプトで細部まで丁寧に美しくまとめられていて、大人のための洗練された上質な空間と言えます。山手線を挟んで反対側の『モナリザ』が明るくフェミニンな雰囲気なのに対し、このフレンチレストランは大人のカップルが静かに語り合えるような落ち着いた雰囲気を持っています。
床は美しい斜め格子の磨き込まれたフローリングで、壁はクリーム色で現代画が飾られています。テーブルはダイニングルームの両側に、片側がベンチシート+2名用テーブル、片側が4名用のテーブルが配置されていて、グリーンの色のシートが床の木の色と美しく調和しています。なお厨房寄りにハイバックのシートで、シートが弧を描いていて、他とは独立した感じのおもしろい席があります。
テーブルの間隔はベンチシート側は少し狭めです。このクラスのレストランではもう少し広く取ってもらいたいと思います。ただ中央の通路が十分な幅ですし、天井も一部が高くなっているので狭苦しい感じは全くありません。

照明はふたつのシンプルなシャンデリア、ブラケット、テーブルを照らすスポットライトを用いていますが、個人的な好みとしてはもう少しテーブルを明るくした方が料理が映えると思います。
またダイニングルームには天井に白いBOSEのスピーカーがあり、小さな音量でモダンジャズなどのBGMを流していましたが、この落ち着いた雰囲気にはあまり必要でないと思います。
なおこのレストランはグリーンをシンボルカラーに用いていて、すべてのロゴやレストラン名がグリーンで統一されて、食器、レストランのネームカード、レストランの封筒、ナプキン、ハンドタオルに入っています。このように細部までイメージを統一したフレンチレストランはこのクラスでは珍しいと思います。

テーブルウェア関係は以下の通りです。ゴムマットの上にクリーム色の上質なテーブルクロスが2枚掛けられ、ナプキンもクリーム色で『l’etoile』の刺繍入りクロス、食器はレストランのロゴ入りのシンプルなデザインの『ニッコー』のボーンチャイナで統一され、料理の盛付けの繊細さが映えます。グラスに関しては、水などは普通のクリスタルガラスですが、ワイングラス、シャンパーニュグラスは『リーデル』ですので、ワインを充分楽しめます。カトラリーは珍しく『クリストフル』ではなく、『シャンブリー・トロワ』を使用しています。また予約客にはテーブルの上にネームカードも添えられます。

レストルームは厨房の手前の左側(右側はサービスカウンター)にあり、インテリアも明るくきれいにまとまっていて、スペースもゆったりとして、洗面台(ちなみにメーカーは『Roca』)の鏡が天井まであるため広々感じます。『l’etoile』の刺繍入りハンドタオルも豊富に用意されていて、使っていて気持ちの良いレストルームです。ただ入口に少し段差があるので利用する時に注意してください。

現在、下記のメートルドテルは、他のレストランに移られています。
サービスはメートルドテル以下女性1名を含めて3名が担当していました。ギャルソン1名のレベルが今一つであること、席数の割にサービスする人数が少ない(多分厨房のスタッフも)ので、満席の場合、サービスが滞る恐れがあることを除けば、丁寧かつ的確なサービスです。料理の出される間隔も適当ですし、テーブルへの目配りも申し分ありません。特にメートルドテルはとてもレベルの高い人で、料理の説明、配膳時のサービス、席を出入りする時のサービスなど基本がしっかりしているのは勿論のこと、フランス料理に関する豊富な知識と見識を持っています。フレンドリーに応対する感じではないですが、お客様の会話を決して邪魔することなく、節度を持ってタイミング良く、しかも気持ち良くサービスしようとする姿勢は清々しい感じがします。
シェフは残念ながらダイニングルームに挨拶には来てくれませんでしたが、出店時は女性の方が丁寧に見送ってくれ、気持ち良く出店できました。サービス全体に感じることは、このレストランのイメージである静かで落ち着いた大人の雰囲気を大切にしようと気配りしていることです。好みがあると思いますが、エレガントなレストランだと思います。

◆価 格
ランチ  行っていないので不明です。
ディナー
 ¥7,500のコースのみで、前菜が選択式、主菜が決められた料理になっています。

  ・訪問した時のコース料理の構成
    ¥6,000(アミューズ、前菜二品、魚料理または肉料理、デセール、飲物、プティフール)
    ¥8,500(アミューズ、前菜二品、魚料理、肉料理、デセール、飲物、プティフール)
    ¥13,000(特別料理)

 アラカルトもあります。
  前菜 ¥2,500〜¥4,800/魚料理 時価/肉料理 ¥4,300〜¥7,500
  デセール ¥1,500〜¥2,500/フロマージュ ¥1,200〜
   サービス料 10%

◆料 理
現在のディナーコースと異なるますので、ご注意ください。
ディナーコースの料理はアラカルトのポーションを小さくしたもので、前菜、肉料理は2〜3品から選択しますが、追加料金を払えばアラカルトの料理をコースの料理と交換することも可能ですので、いろいろな料理を楽しみたい人はコースの方が良いでしょう。¥8,500のコースは全体で見れば料理の量は普通の人には十分ですが、一皿のポーションが少ないので、もし同じポーションの料理だと¥6,000の場合は少なく感じるかもしれません。

料理は全体に香りをとても重視していて、繊細な仕上がりを見せています。使っている素材も上質で盛付けも丁寧です。
最初の前菜の『ギー・サヴォアさんの大好きな生牡蠣のジュレ添え ナージュ仕立て』は磯の香りが漂い、大粒の新鮮な牡蠣が美味しいジュレと一体になったコース始めの料理として爽やかな一品です。 二番目の前菜の『香ばしく焼いたフォアグラをキャベツで包み、スパイシーなキャラメルソースを添えて』はフォアグラとキャラメルソースの相性は当然良く、キャベツとスパイスが程よいアクセントになって、単なるフォアグラのポワレとは違う、一味変わったとても楽しめる料理です。
魚料理の『旬の魚料理 あいなめのグリル』は旬のあいなめを小細工をしないで素直にグリルして、素材の甘みを生かした料理です。メイン料理というよりは、肉料理へのつなぎの料理といった趣です。

肉料理の『新鮮なリー・ドゥ・ヴォーのポワレ ムースロン茸のクリーム煮とアスパラガスのクーリー添え』は良質なリー・ドゥ・ヴォーの素材が、ソース、ムースロン茸、アスパラガスととてもうまく調和したメイン料理に相応しい一品です。
他の肉料理では、『シャラン産の鴨とフォアグラの温かいパイ《トュルト》トリュフソース くるみオイルの香り漂うきのこのサラダ添え』(アラカルトの料理をコースの料理と交換 +¥1,500)はアイデアはおもしろいのですが、パイの中の鴨とフォアグラが一体になっていて、双方の長所がうまく引き出されているかというとちょっと疑問が残ります。ただ添えられたトリュフソースの香りと味はとても魅力的です。

フロマージュはコースと別に注文することになりますが、種類は各タイプ1種類程度です。
コースのデセールは二品に分けてサービスされました。 最初のデセールの『リンゴのジュレをのせたタルト チコリのアイスクリーム添え』はリンゴの甘酸っぱさとチコリのアイスクリームとの組み合わせがユニークで、 2番目のデセールの『チョコレートの温かいお菓子 バニラアイスクリーム添え』はチョコレートケーキの中から熱いチョコレートがとろりと出てきて、アイスクリームとの合性も良く、どちらのデセールとも香りも充分楽しめ、食事のフィナーレを満足させてくれます。

食後の飲物はエスプレッソ、紅茶、ハーブティー(フレッシュではないと思われます。)が選択できます。
パンは1種類で自家製ではありませんが、香ばしくてとても美味です。きちんとナプキンで保温して持ってきて、熱々でサービスされました。

ワインに関しては、ボルドーの赤が10種類、ブルゴーニュの赤が10種類弱、コートドュローヌの赤が3種類、ブルゴーニュの白が7種類、ロワールの白が2種類程度の品揃えです。94年以降の銘柄が多く、グランクリュの品揃えは少なく、このクラスのレストランとしては多少物足りません。価格は¥6,000位から揃っていますが、レストランの価格としては銘柄とヴィンテージを考慮すると、特に安いわけではありません。

◆その他の情報
三鴨朋典シェフはパリの『ギ−サヴォア(ミシュラン二つ星 パリのエトワール広場近くにある。)』でシェフ・ソーシエになり、帰国後’97年にこのレストランをオープンさせています。
レストラン名の『ル・レストラン・ドゥ・レトワール』は、ギーサヴォア氏がパリで展開するレストラン『ル・ビストロ・ドュ・レトワール』にちなんで、氏の許可を取って名付けられています。
車で行く場合、目黒川を挟んで恵比寿東公園の反対側に、20台弱駐車できる時間貸しパーキングがあります。




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