◆場 所(渋谷区恵比寿西1−14−4 1F) 恵比寿駅西口で降り、駅前の駒沢通りの横断歩道を渡って、ウエンディーズのある角を右に曲がります。居酒屋等が並ぶ道を進み、二本目の左に入る道を曲がって20m位いくと、右手にマンションの1Fに木々がライトアップされ、テラスのあるレストランがあります。そこが『モナリザ』ですが、入口は次の角を右に曲がるとあります。右の写真の入口のフランス国旗のトリコロールカラーにライトアップされた門が目印です。駅から徒歩3分位です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 JR・地下鉄日比谷線 恵比寿駅 ◆電 話 03−5458−1887 ◆営業時間 ランチ 12:00〜14:00(予約のみ) ディナー 17:30〜22:00 日曜日休み ◆雰囲気 レストランに入ると、左手にワインセラー(加湿冷蔵庫)、白い小さなカウンターとクロゼットのあるレセプション(河野シェフの思い出の写真を額に入れて、壁に飾ってありますので、出店時に拝見しましょう。ジョエル・ロブション、ポール・ボキューズ、引退したジラルデ、故アラン・シャペルの有名シェフと一緒の写真があります。)があり、すぐにダイニングルームになります。40席(テラスは16席ありますが、夜は使用していません。 花壇が豆電球でライトアップされていて、ランタンの揺れる炎がムードを出しています。)ほどの長方形のダイニングルームで、奥まで見通しが良く、南面がすべて白の格子が入った窓なので広々感じます。ベンチシートは一番奥の壁際のみで、他は普通のテーブル席になります。隣の席との間隔も適当で、落ち着いて食事ができます。 床はベージュの大理石風のビニールシートで、天井には木の素朴な化粧梁があり、全体にフェミニンな印象を与えるインテリアです。薄い色のピンクを基調にした柄の椅子、壁のクロスの色、白の格子の窓が、その印象を強めています。落ち着いた油絵やリトグラフも飾ってあって、デートの食事には最適なのではないでしょうか? 照明はガラスのカバーのペンダントライトとブラケット、テーブルをライトアップするためのスポットライトを使用していて、以前より照度を落としていましたが、料理の盛付けの美しさが映えます。 ダイニングルームに静かな音量でシャンソンなどのBGMを流していましたが、全く必要ないと思います。楽しげな会話のざわめきが、最高のBGMとなっていましたから。 なお男女兼用のレストルームは厨房(ガラスで仕切られていて一部を拝見できます。)の左隣にあり、ピンクのストライプの壁紙を使って可愛らしい雰囲気なので、ダイニングルームのインテリアとマッチしています。ゴールドの蛇口を使った外国製の洗面台には、ペーパータオル、ティッシュペーパー、液体石鹸の用意がありました。 テーブルウェア関係は次の通りです。テーブルクロスは下がピンク、上が白の二枚重ねで、カトラリーは『ノリタケ』です。食器は銀色の縁取りの白のシンプルなデザインの『ノリタケ』や『リチャードジノリ』など使用しています。グラスに関しては、水などは普通のクリスタルガラスですが、ボトルを注文すれば、ワイングラスは『リーデル』に交換してくれますので、ワインを充分楽しめます。 サービスはマダム(河野シェフの奥様)とメートル兼ソムリエを含めて4名(内 女性2名)が担当していました。(常時ではないとは思いますが、厨房には河野シェフを含めて8名もいるそうです。) ほぼ満席にも関わらず、料理の出されるタイミングも良く、サービスはとても丁寧でした。細かい所まで良く気がつき(レストランで待ち合わせするために、一人で訪れた時の親切で木目細かい対応など)、お客様に笑顔で話し掛ける積極的なサービスが、このレストランの明るく楽しい雰囲気づくりに大きく貢献しています。またワインや料理の説明も詳しく、ワイン選択も適切に対応してくれます。 手が空いてくれば、河野シェフもダイニングルームに挨拶に来て料理の話をしたりと、サービス精神を発揮してくれます。出店時もマダムが笑顔で、丁寧に見送ってくれるなど申し分のないものでした。冬場はコートを着る手伝いもしてくれます。 ◆価 格 ランチ 行っていないので詳細は不明ですが、夜と同じコースを選択できます。 ディナー ¥6,800(アミューズ、前菜二品、魚or肉料理、デセール、食後の飲物、プティフール) ¥10,000(アミューズ、前菜二品、魚料理、肉料理、フロマージュ、デセール、食後の飲物、プティフール) ¥15,000(アミューズ、前菜三品、魚料理、肉料理、フロマージュ、デセール二品、食後の飲物、プティフール) 他にムニュ・デギュスタシオンもあります。アラカルトの主な価格帯 前菜 ¥2,500〜¥4,500/魚・肉料理 ¥3,500〜¥5,500 サービス料 10% ◆料 理 コースの料理は内容が決まっていますが、他の料理と交換は可能です。基本的にアラカルトのポーションを小さくしてコースを組み立てていますので、どの料理にも交換できるはずです。アラカルトにお好きな料理があれば、積極的に交換を申し出ましょう。料理によっては差額を負担する必要があるはずですが、金額的にあまり差がない料理と交換した時は、差額を取られませんでした。¥10,000のコースの料理の量は一般の人には十分で、コースの料理の流れも良く考えられています。以前弱かったワインの品揃えが充実し、フレンチを食べる楽しみが一層増しています。 料理はオーソドックスなヌーベル・キュイジーヌではなく、シェフのオリジナリティーがいかんなく発揮された料理になっています。オマール海老をパートフィロに包んでスープ仕立てにし、スープの中にいろいろな魚介類入れたりと、シェフのアイデアを随所に生かした料理は、他のレストランでは得られない、おいしい体験となるでしょう。またメニューの料理名に現れていないスパイス、ハーブが巧妙に使われていて驚かされたりもします。盛付けも繊細で丁寧です。 アミューズは、サーモンに茄子を巻き付け、パルミジャーノ・レッジャーノのスライスを盛付けたもので、手前にタプナード(アンチョビ、黒オリーブ、ニンニクなどをすり潰して、オリーブオイルで和えたもの)が添えられています。バジルの風味も感じられ、手法はイタリアンかもしれませんが、丁寧に作られた一品でした。 前菜の『ウニとういきょうのスープ』は、冷製カプチーノ仕立てで、写真ではわかりませんが、中にウニがたっぷり入っています。生クリームとオマールのエキスを使ったスープは、仄かなういきょうの香りと共に、コースの最初の前菜にふさわしい、食欲を高めてくれる料理です。 前菜の『シャンピニオン入りズッキーニ花の軽い煮込み』は、初夏特有の花のついたズッキーニを柔らかく煮込んで、甲殻類のソースが添えられていました。花の中のムース状のシャンピニオンの魅力を、旨味たっぷりのソースが高めていると思います。 魚料理の『鮎とキャビアのクレープ バニラ風味ソース』は、食べる前から、いったいどんな料理なのか、期待が高まる料理です。日本人の感覚では、鮎、クレープ、バニラが、同じ皿の上で調和が取れた料理になるとは思えないでしょう。クレープはじゃがいもを使っていますが、少し甘みをつけていて、バニラ風味ソースと相性が良く、中の鮎はふっくらと仕上がっています。食べていくと、クレープの中のキャビアの塩味が、鮎を食べるのに良いアクセントになっていることがわかります。人によってこの料理の印象は変るでしょうが、とてもバランス良くまとまった一皿だと思いました。盛付けも非常に手が込んでいて、鮎は中骨をきれいに取り除き、丸く切ってサフランで色付けしたというジャガイモ(人参のスライスではありません。この料理の邪魔をしないようにサフランの香りは抑えてあります。)を魚のウロコに見立てています。職人技を感じさせる盛付けです。魚の皮もカリッと揚げて添えてあります。 肉料理の『香味をつけた鴨肉のロースト ライム風味』は、前菜や魚料理に比べてオーソドックスな料理で、皮に香ばしさがあり、若干の塩気をつけています。ライムの風味は押さえ気味にしています。付け合わせの野菜は手がこんでいて、野菜本来の味を生かしながら、ひとつひとつ味を微妙に変えていました。鴨肉の素材は良く、火加減も良好です。写真ではわかりにくいですが、細く切って砂糖漬けにしたライムの皮が添えられていました。 冬に食べた肉料理の『鹿肉のポワレ 甘酸っぱいソース』は、ニュージーランド産の鹿肉の肉質がちょっと固く、エゾ鹿の方が私達の好みに合うのとソースに使われたスパイスが強目で、少し不満が残りました。 パンはタイユバン・ロブションのブティックで見かける形状のものですが、モナリザ専用に業者に作らせたオリジナルで、タイユバン・ロブションのものより柔らかく仕上げています。一般に天然酵母のパンは酸味が強いですが、このパンは天然酵母をバランス良く使っているのか、酸味もおだやかで、香ばしく、料理の邪魔をしません。いつも温めてサービスされました。 フロマージュの種類は、青かび、セミハード、ウォッシュ、シェーヴル、ハードなど各タイプ一通り揃っていて、コースの場合、好みの銘柄やタイプを希望すると、盛り付けて持ってきます。コースの場合、それほど量は多くありませんでしたが、保存・熟成状態も良いものです。クルミ・レーズン入りパンもサービスされました。 コースのデセールは、とても充実しています。デセール専用のメニューから選びますが、タルト系、ムース系、フルーツ系、アイスクリーム系、ソルベ系に別れていて、それぞれ数種類の用意があります。時間のかかる(メニューに要20分などの表示があります。)スフレの用意もあり、単品のデセールを選んでも良いし、ソルベ、アイスクリーム、パティスリーの盛り合わせを選ぶ事もできます。 『チョコレートのフォンダン』は、単品のデセールで、フォンダンの中からトロリと熱々のチョコレートが出てくる、魅力的なデセールです。使っているカカオも上質で、甘さは控え目で上品な仕上がりです。 『デセールの盛り合わせ』は、良質のカスタードクリームを使ったクレームブリュレもあり、バラエティにとんでいます。ソルベもフルーツをたっぷり使っていて、とてもジューシーでした。 食後の飲物はエスプレッソ、コーヒー、紅茶、ハーブティー(カモミール、レモングラス、ベルベーヌなどを選べ、ブレンドもしてくれます。)が選択でき、一緒にプティフールとして出されたオレンジピールは小品ながらフレッシュで印象に残るものでした。 ワインの品揃えに関しては、以前に比べてこの価格帯のレストランに相応しい充実したものになりました。ボルドーの赤が四十数種類(¥8,000〜¥60,000位)、ブルゴーニュの赤が二十数種類(¥4,000〜¥30,000位)、コートデュローヌ、ロワールなどが、それぞれ2〜3種類(¥6000位)、ブルゴーニュ白が十種類位(¥4,000〜¥30,000位)、シャンパーニュも十種類位(¥9,000〜¥30,000位)あります。ボルドーの赤にリーズナブルなものが少ないので、さらなる充実を期待したいと思います。なおワインの持ち込みはできません。またワインリストは日仏併記の印刷で、初心者でも見やすくなっています。 なお食前酒としてグラスシャンパーニュを頼む場合、銘柄は適時変えていますので、好みのある方は注文時に銘柄を確認した方が良いでしょう。 ◆その他の情報 河野シェフは、フランスの『ギ・サヴォア』、『ジャマン(ロブション時代はミシュラン三つ星)』、『ジョルジュ・ブラン(ミシュラン三つ星)』、スイスの『ジラルデ(ミシュラン三つ星)』等の名店で8年間修行した後、日本の『レストラン ひらまつ』、『タイユバン・ロブション』の高級レストランで活躍、独立してこのレストランをオープンさせています。 レストラン モナリザのページへ |