◆場 所(渋谷区恵比寿西1−16−3 麻仁ビル恵比寿西1F) 恵比寿駅を西口で降り、駒沢通りを渡ります。東京三菱銀行の並びの通りの中で、山手線に一番に近い道に入ります。200m位行くと五叉路になるので、今来た道の左隣の道に入り2,30m行った右手の小さなビルの1F(右の写真のように、1Fが駐車場[レストランの客は利用はできません。]なので、実質は2Fです。)です。駅から徒歩5分程度です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 JR・地下鉄日比谷線 恵比寿駅 ◆電 話 03−5489−1346(FAXも同じ番号です。) ◆営業時間 ランチ 12:00〜15:00(L.O.14:00) ディナー 18:00〜23:00(L.O.21:00) 月曜日休み ◆雰囲気 右の写真の階段を上がるとレストランの入口で、ドアを開けて入ると、コート掛けのある小さなスペースがあり、次のドアを開けて入るとダイニングルームになります。ダイニングルームは二十数席位の大きさですが、中央の通路は広く取られています。入口から見て右手の奥にレストルームと厨房があり、壁沿いに金属脚のテーブルが並んでいて、ベンチシートはありません。使っている椅子は、木製の黒のフレームで、赤のファブリックを使い、クッションはほとんどありません。床は周囲がフローリング、中央が10cm角のタイルを使っていて、壁は、腰壁がライトブラウンの木製で、上部がクリーム色の塗装仕上げでした。また厨房の手前の配膳台には、山岡シェフの料理の本が置いてあり、購入することもできます。 キノコを売り物にしたレストランらしく、キノコのポスターやキノコの柄の切手を集めた額などが、壁のいたるところに飾られていて、黒のフレームの鏡も二箇所に掛かっていました。 照明はテーブルの上をライトアップする、ハロゲンランプのダウンライト・スポットライトを使って充分な明るさを確保し、キノコをモティーフにした、アールヌーボーのペンダントライトをインテリアのアクセントに使っています。BGMは、女性ジャズボーカルの曲が適度な音量で流れていました。 高級店のような豪華なインテリアではなく、テーブルの間隔も狭い方なので、優雅に食事を楽しみたい人には、少々不満が残ると思いますが、ビストロ的な(料理は本格的なフレンチです。)気軽な雰囲気でフレンチを楽しみたい人には向いています。 テーブルウェア関係は次の通りです。クロスは、ネルのカバーの上に白のクロス、トップに薄いピンクのクロスの三枚重ね、食器は日本の『NAKATOH』、水用のグラスはビストロ風の厚手のグラスですが、ワイングラスは中容量の薄手のガラスのものでしたので、ワインを楽しむには充分でしょう。カトラリーは軽量級のもので、フランス式でセッティングされていました。テーブルの上には、一輪差しも置かれています。 レストルームは厨房の右隣りにあり、男女兼用で、途中に段差がありますので、注意が必要です。広さは畳一帖ほどで、床がクリーム色のタイル、壁は腰壁が大判の白タイル、上部はベージュの塗装仕上げです。液体石鹸とペーパータオルの用意がありました。またダイニングルームと同じBGMが流れています。 サービスに関しては、以前はただ運んでくるといったレベルで、料理の説明、ワインのアドバイスはあまり期待できなかったのですが、かなり改善されていて、料理は詳しく説明してくれ、ひとりだけですが、ワインの選択も丁寧にアドバイス(ソムリエの資格はないようですが)してくれます。満席でもテーブルの目配りは充分で、料理の出される間隔もほど良く、落ち着いて食事が楽しめました。厨房のシェフは山岡シェフを含めて三名ほどで、山岡シェフも手が空いていれば挨拶してくれ、料理に関してお話しすることも可能です。出店時にコートを着る手伝いはしてくれませんでしたが、丁寧に見送ってくれました。 ◆価 格 ランチ 行っていないので不明です。 ディナー ¥5,000/おまかせキノココース ¥7,000〜 ¥5,000のコースの構成 アミューズ、前菜、魚料理、肉料理、デセール、食後の飲み物、プティフール 旬のキノコのガーリックソテー ¥2,400,¥1,200(1/2) 他のアラカルトはありません。 サービス料 6%(夜) ◆料 理 ¥5,000のディナーは、前菜、魚料理、肉料理を、それぞれ2〜8種類位から選択できました。ディナーで¥5,000の価格で、このレベルの料理を、これだけの品数を食べられるのは、確かにコストパーフォーマンスは良いかもしれません。但し料理によっては、追加料金が必要なことがあります。どの料理にもキノコが使われていて、山岡シェフのキノコへの関心が強いことが伺えますが、奇をてらったところは全くなく、シェフのオリジナルなアイデアを生かした本格的なフレンチです。前菜、肉料理には食べてみたくなる料理がいくつも並んでいて、料理の選択に迷いました。量的にも普通の人には充分と思います。 アミューズは、『キノコとドライフルーツのマリネ』で、白ワインを使ったマリネで、ラタトュイユっぽい南仏風な仕上がりです。白ワインの酸味が食欲をそそり、ドライフルーツはフルーティでした。 前菜の『サザエとキノコのフリカッセ カンズリ風味』は、フリカッセなので、前菜としてはこってり系ですが、白ワインと生クリームの酸味の利いたソースが、サザエとキノコによく合います。キノコはホワイトマッシュルームとしめじが使われていて、里芋も入っていました。越後の香辛調味料 カンズリ(寒作里)を使っていますが、それほど強いアクセントにはなっていません。 前菜の『ホロホロ鳥、椎茸、キャベツのテリーヌ 野バラドレッシング』は、あっさり系のホロホロ鳥を使っていますので、上に載せられた完熟柿(山岡シェフの好きな食材だそうです。)の少しこってりしたピューレがほど良いアクセントになって、ホロホロ鳥を引き立てています。椎茸とホロホロ鳥の相性は元々良く、野バラのドレッシングの味は控え目でしたので、料理名には載っていませんが、完熟柿の味がこの料理のポイントでしょう。 魚料理の『本日の鮮魚料理(イサキのポワレ 菜の花添え ベーコンとベルモットのソース)』は、他の料理に比べるとオーソドックスな仕上がりで、軽く酸味の利いたソースにも、シェフの強い個性は感じられないので、コースの流れから考えると、間奏曲といった趣です。個人的には、ポワレはもう少し表面をカリッっと仕上げて欲しいと思いました。 肉料理の『子鴨胸肉のロースト シェリー風味のモリーユソース』(+¥1,000)は、スモーキーな香りが印象的なローストで、質の良い鴨肉の上には、モリーユ茸がたっぷり添えられた魅力的な料理でした。シェリー風味のモリーユソースの酸味もほど良く、全体の味のまとまりも申し分なく、主菜としての量も充分です。 肉料理の『徳島の黒鶏(プレ・ノワール)のロースト 黒米と麦のリゾット添え 焼き汁のソース』(+¥600)は、一般の鶏肉よりは味にコクがある黒鶏を使っていて、下にはキノコのシャントレーが、上にはタップナードがたっぷり載せられていました。黒米と麦のリゾットは。あまりリゾット、リゾットしていないあっさりした仕上りです。どこか家庭的で素朴な印象のある料理でもあります。この料理も、主菜としての量は充分で、フィンガーボールも添えてくれます。 『旬のキノコのガーリックソテー』は、いろいろなキノコの盛合わせで、季節により盛り付けるキノコが異なります。個人的には、料理全体の味のバランスよりも、キノコ本来の味の差を知りたい方なので、ソテーよりもグリルして食べてみたくなります。少々高めですが、キノコに関心のある人は、別途注文すると良いでしょう。 フロマージュは各タイプ1種類位で、全部で数種類の品揃えです。 パンはバゲットで、ビストロのように、最初に籠にいくつか入れて持ってきましたが、軽く温めてあります。 デセールは盛り合わせですが、自分で選ぶスタイルではなく、決められていました。トリュフのアイスクリーム、干し柿の入ったチョコレートケーキ、シナモン風味のタルトの組合せでしたが、量的には少な目な感じがします。ただアイスクリームはトリュフの風味はしっかり出ているし、干し柿のアクセントも印象的で、組合せとしてはとても良いと思いました。 ワインの品揃えに関しては次の通りです。ボルドー赤が10種類弱(¥5,000から¥15,000位)、ブルゴーニュ赤が10種類弱(¥6,000から¥12,000位)、コートデュローヌ・チリなどの赤が数種類(¥4,000〜¥7,000位)、ブルゴーニュ白が数種類(¥5,500〜¥8,000位)、ロワール・プロヴァンス・イタリアなどの白が10種類位(¥4500から¥8,500位)、シャンパーニュ・ヴァンムスーが数種類(¥4,500から¥10,000)です。価格を見てもわかるように、有名シャトー・ドメーヌのワインは少ないので、人によっては物足りないと感じるかもしれません。開栓料を払えば、ワインの持ち込みも可能ですので、気に入ったワインで食事を楽しみたい人は,持ち込んでも良いでしょう。 ◆その他の情報 山岡シェフは、サラリーマンを経て料理の世界に入り、27才で渡仏、4年半修行して88年に帰国、「モンセニュール」など他のレストランをを経験後、93年4月に独立して、このレストランをオープンしています。 山岡シェフの自宅では、家庭でできるフランス料理を中心にした教室を、毎月開催しています。 車で行く場合、コインパーキングが店の前の通りにありますが、数が少ないので、電車で行った方が無難です。 マッシュルームのページへ |