ル・プティ・ブドン(フランス料理)


ル・プティ・ブドン ◆場 所(渋谷区鉢山町13−13ヒルサイドウエスト−A)
東急電鉄 東横線 代官山駅で降り、ヒルサイドテラス方向に向かいます。旧山手通りの右手をヒルサイドテラスを越えて国道246号方面へ向かって歩き、西郷橋を渡って進むとヒルサイドウエストがありますので、そのB1F(1Fはサロン・ド・テ)です。隣がオープンカフェの『カフェ・ド・フェシュ(B1Fがフレンチレストラン ラ・ヴィーナス)』です。西郷山公園の通り向かいで駅から徒歩12分位はかかります。
渋谷から行く場合、巡回ミニバス(東急トランセ 渋谷駅35番乗り場)で行くと、西郷橋停留所のすぐそばです。但し運行はPM8:00までです。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
東急東横線代官山駅

◆電 話
03−5457−0086(FAX 03−5457−0085)

◆営業時間
ランチ  11:30〜(L.O.応相談)
ディナー 18:00〜(L.O.応相談)
   年中無休

ル・プティ・ブドン ◆雰囲気
『エブリーヌ』のシェフだったフィリップ・バットン氏が、近くの代官山ヒルサイドテラスのフレンチレストラン『パッション』のパッション氏と組んで、1998年11月に旧山手通り(この通りはフレンチ激戦区です。南から『パッション』、『マダム・トキ』、『ラ・ヴィーナス』、『ル・プティ・ブドン』が並んでいます。)沿いにオープンしたフレンチレストランです。
旧山手通りに面したヒルサイドウエストのB1Fにあり、1Fは『ル・プティ・ブドン』のパティスリー/サロン・ド・テ(一番上の写真)になっています。建物の手前の階段を降りて行くと、二番目の写真の木目のドアがレストランの入口で左にレセプション、正面にレストルームへ行く通路と造り付けでガラス窓の大きなワインラック、右にダイニングルームがあります。
ダイニングルームは一番下の写真のように、一番奥に一部オープンとなっている厨房があり、右の壁に飾りのワインラックがあります。奥の壁と手前の壁は小口の石張りで他はオーク材の壁になっています。入口の階段付近のシャープなデザインとは異なり、ダイニングルームは照明を落としていて、ワインカーブのような雰囲気(インテリアはシェフのフイリップ・バットン氏が直接指示したそうです。)がします。60席はありますので、かなり大きなダイニングルームです。

床は一部が石張りで、他は大判のタイル敷きです。天井は壁と同様なオーク材などを使っていて、写真のようにアーチ上の梁があります。なお厨房の反対側の位置の天井の一部がガラス天井になっていて、日中は1Fから陽が入るようになっています。
テーブルは四角形のもの(二人用は少し狭く感じます。)、円形のものなど、いくつかの種類を使い分けていて、通路幅を充分確保しているせいか、テーブルの間隔は比較的ゆったりしているように感じます。

照明はダウンライトを使っていて、ムードを出すためか、あまり明るくしていません。料理の盛付けの美しさを出すには、もう少しテーブルだけでも明るくしてくれると助かります。天井にはスピーカーがあり、フレンチレストランにしては比較的大きな音量で、フレンチポップスなどのBGMが流れていました。

なおテーブルウェア関係は以下のものを使っています。テーブルクロスはネルのカバーの上にクロス二枚の三枚重ねで、食器、カトラリーともフランスの『GUY DEGRENNE』、グラスは同じくフランスの『クリスタル・ダルク』で、ワイングラスは容量の大きなものですので、ワインを楽しむには充分です。テーブルにはユニークな形の塩、胡椒入れも置かれていました。

レストルームは、入口付近に男性用と女性用がそれぞれあり、男性用は小口タイル張りのクールなインテリアで、多少狭い感じがしますが、モダンデザインでまとめています。ここにも天井に白のBOSEのスピーカーが取り付けられていて、BGMが比較的大きな音量で流れていました。石鹸とペーパータオルの用意があります。
レストルームとレセプションの間の壁に、シェフがフジTV『料理の鉄人』に出演した時の写真が何枚か飾られていますので、レストルーム使用時に拝見しましょう。

ル・プティ・ブドン サービス全体の印象はかしこまった感じではなく、フレンドリーな応対ですので、フレンチレストラン独特の堅苦しさが苦手な人には向いていますが、高級店のきちっとした丁寧なサービスを期待する人には、多少隙があります。好みの別れるサービスかもしれませんが、このレストランの雰囲気には合っていると思います。テーブルが満席に近くなってきますと、空のグラスに気がつかないこともありますし、フロマージュやデセールのワゴンをなかなか運んできてくれないこともありますので、その時はスタッフを呼びましょう。
サービスの中心となっているのは、シェフのフイリップ・バットン氏で、厨房にいる時間より、ダイニングルームにいる時間の方が長いのではないでしょうか?料理の注文も受けてくれますし、料理の説明、出店時の見送りもしてくれます。シェフにいろいろ料理に関して質問することができます。(日本語はとても上手です。)

◆価 格
ランチ
 ¥3,600
ディナー
 アラカルトはプティポーション(スモールサイズ)も用意していました。
  アラカルトの料理の主な価格帯
   前菜 ¥1,200〜¥2,800/スープ ¥1,000〜1,300
   主菜 ¥2,400〜¥5,300/デセール ¥1,000〜¥1,400
    プティポーションの場合、上記の金額の半額+αの値段でした。
  フロマージュ ¥1,400/エスプレッソ ¥500
   サービス料 10%

◆料 理
アラカルトの料理は標準サイズとスモールサイズ(料理の写真はすべてスモールサイズです。)の二種類用意してありました。スモールサイズは小さ目でしたので、普通の人がディナーでスモールサイズを注文する場合、前菜二品、主菜二品は注文した方が良いでしょう。
料理の傾向は、オーソドックスなフレンチに南仏料理のエッセンスを取り入れた、バットン氏の個性あふれるもので、『エブリーヌ』時代から有名な『牛ホホ肉の赤ワイン煮』もあります。スパイス、ハーブ、バルサミコの使い方は以前より積極的になった印象を受けました。

料理の写真を掲載していますが、他のお客様に迷惑にならないように、すべてフラッシュを使用していません。
そのため若干不鮮明ですが、ご了承ください。


前菜の『鴨のフレッシュフォアグラとやわらかく煮込んだカブの自家製テリーヌ』は、カブとフォアグラの相性やフォラグラの質はとても良く、味は申し分ないのですが、プティポーションでは量が少なく、物足りなさが残りましたので、標準サイズの方が良いと思います。ただ付け合わせのチャツネは効果的と思いました。
前菜の『鴨のフレッシュフォアグラと大根のポワレ、ハチミツとスパイスのオレンジソース』は、大根がとろけるように柔らかく、フォン・ド・ボー、鴨のジュ、ハチミツ、オレンジを使ったソースはとても美味で、フォアグラとの相性はとても良いものです。お皿の回りのデコレーションには五香粉を使っています。
前菜の『手長エビのガレット仕立て ピストゥー風味、手長エビの殻から取ったソース添え』は、下にトマトソースが隠れていて、その酸味が手長エビを引き立てています。スモールサイズでは量は物足りないですが、エビのみそ、殻をつぶして、煮詰め、バターで作ったソースはとてもていねいに仕上げています。盛付けもきれいでした。

主菜の『とろける牛ホホ肉の赤ワイン煮、ハチミツとクミン風味のニンジンのソテー添え』は、定番の料理で、スジがなく、柔らかい牛ホホ肉を濃厚なソースが引き立てています。付け合わせのハチミツとクミン風味のニンジンは甘さとスパイスの風味が微妙にバランスしていて、これもとても美味です。
主菜の『オマールエビ・キノコを詰めたトマトの蒸し焼き ハーブ風味、オマールエビのコンソメ 3色のピーマン添え』は、スープ仕立てのユニークな魚料理ではありますが、トマトの酸味とオマールエビの甘さの組み合わせに多少違和感を感じました。

フロマージュは、10種類位用意してあり、ウオッシュタイプ3種を始めとして、各タイプをまんべんなんく揃え、状態も良いものでした。ブリドモー、エポワースなどもありましたが、途中で品切れになり、他のフロマージュに変わってしまうこともあるようです。クルミ入りパン、レーズン入りパンの用意がないのが残念でした。

デセールは、内容が決まった皿盛りのデセール、自家製アイスクリーム・シャーベット、ワゴンからのデセール盛り合わせなどがあります。ワゴンからのデセールの場合、8種類用意してあり、焼き菓子が多いですが、ティラミスもありました。特にフランボワーズのタルトは中のピスタチオのムース(シェフの話では、フランスからの輸入物)がとても美味で印象に残ります。フランス人シェフにしては、甘さを控え目に仕上げていましたので、日本人には合っているのではないでしょうか?

パンは小麦粉と全粒粉を使った、自家製のパン・ド・カンパーニュ1種類で、ディナーの30分前位に焼き上げているそうですが、フランスのレストランと同様に暖めてサービスはしていません。

ワインの品揃えは、このクラスのレストランとしては充実しています。赤ワインに関しては、ボルドーに力を入れていて、各地区のワインをまんべんなく揃えて、数十種類、ブルゴーニュのが十数種類、アルザス、コートドュローヌ、イタリアがそれぞれ2〜5種類の品揃えです。白ワインに関しては、ブルゴーニュが十数種類で、その他を含めて40種類位はあります。シャンパーニュも7種類(『ランソン』はシェフの好みでないとのことで、置いてありません。)揃えています。価格はレストランとしては標準的です。
カクテルが二十数種、コニャック、アルマニャック、マール、カルヴァドスなどもそれぞれ数種類用意してありますので、食後酒に困る事もないでしょう。

◆その他の情報
シェフのフィリップ・バットン氏は、パリのホテル『GeorgeX』とパリのポルトマイヨーにあるミシュラン一つ星(二つ星だったこともある。)店『Amphycles』を経て来日し、水天宮にあるロイヤルパークホテルのメインダイニング『パラッツオ』、『エブリーヌ』を経てこの店のシェフになりました。
店名の『ル・プティ・ブドン』は”小さなお腹”という意味です。

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