◆場 所(中央区新富町2−4−3) 地下鉄 有楽町線 新富町駅の3番出口を出て、平成通りを左に進みます。通りの右手に京橋税務署を見て、地下鉄の出口から100m弱進んだ左手にレストランがあります。駅から徒歩1分と近接しています。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 地下鉄 有楽町線 新富町駅 ◆電 話 03−3552−2155(FAX 03−3552−2277) ◆営業時間 ランチ 11:30〜14:00(ラストオーダー) ディナー 17:30〜21:00(ラストオーダー) 日曜日休み ◆雰囲気 夜、このレストランの建物を見ると、パリの裏通りにあるビストロを思い出させます。ライトアップされた店の外観、1Fのオープンテラスのある明るくカジュアルな雰囲気のカフェ、店の前に出されたメニューなどを見ると、オフィス街と下町の雰囲気の残る新富町の街中にあるのが、不思議に思えてきます。 建物に入ると1Fは十数席ほどのカフェで、奥はガラスで仕切られた厨房(曇りガラスですが、中がおぼろげに見えます。)になります。左手のキャッシャー(パン・パティスリーなども販売しています。)、右手の厨房を見ながら、壁画のある奥の回り階段を上がった2Fがレストランです。 2Fのレストランは両側の壁沿いに、写真のようなベンチシートがあり、中央には4人掛けのテーブルが並んでいます。三十数席ほどの空間ですが、中央部に大きな天窓、通り沿いの全面が小さなテラスを持ったガラス窓、階段横の配膳テーブルに大きな生花を飾るなど、とても開放感があり、店名にふさわしいインテリアと思います。床は中央部がモザイクタイル、他は磨き込まれたフローリングです。金属脚のテーブル、肘掛け付きの座面の高い椅子、ベンチシートはしっかりした作りです。ただ比較的低価格のレストランですので、隣席との間隔はあまり広くありません。なお1Fの厨房で作られた料理は、ダイニングルーム中央奥の自動扉付きの配膳室から運ばれます。 インテリア全体に言えることは、ほど良くクラシックなイメージでまとめていて調和がとれています。ベンチシートのファブリックはベージュとゴールドのストライプの高級なファブリックを使用していますし、照明器具は花をイメージしたシャンデリアとブラケットです。ダイニングルームの明るさも適度です。天井には白いBOSEのスピーカーが埋め込まれていて、クラシックのピアノ曲が流れていましたが、静かな音量ですので、気になることはないでしょう。 大変豪華なインテリアというわけではありませんが、高級感もあり、落ち着いてフランス料理を楽しむには、万人受けする好ましいインテリアと思います。 BGMは小さな音量でクラシックが流れている程度なので気にならないと思います。 なおレストルームは1Fで男性用、女性用の二室あり、カフェと兼用のため、小さくてビストロ風の簡素なインテリアです。ペーパータオルと液体石鹸の用意がありました。 テーブルウェア関係は、テーブルクロスが黄色のクロス、白のクロスの二枚重ね、カトラリーは『クリストフル』、ワイングラスは中程度の容量のもの、食器はプレゼンテーションプレートが『ベルナルド』、他の食器は『リチャードジノリ』、『ロイヤルコペンハーゲン』などヨーロッパの一流品を使用しています。テーブルにはプティフラワーも置かれ、予約して行くと、ウエルカムカードも置かれていました。 2Fのレストランのフロアのサービスはメートルドテル含めて3名(内女性1人)が担当していましたが、席が6割方埋まった状態では、テーブルの目配りには全く不足ありません。メートルドテルが代られ、細かいところに気配りのきいた、丁寧で親切な応対には好感が持てました。料理の説明なども過不足ない応対です。ただ他の二人は、応対は明るく丁寧ですが、どちらかというと料理を丁寧に運ぶのが主で、料理の注文を受けたり、説明するのは、メートルドテル一人が担当しています。入出店時には、厨房からシェフが出てきて挨拶してくれ、気持ち良く利用できました。 ◆価 格 ランチ ¥2,500/¥3,800/¥5,800 ディナー ¥4,800〜5,000 アミューズ、前菜二品、魚または肉料理、デセール、食後の飲物、プティフール ¥7,000(魚料理を中心としたコース) ¥9,000(シェフお勧めの特別コース) アラカルトはありません。 フロマージュ ¥800〜 サービス料 10% ◆料 理 ¥4,800〜5,000のコースのコースの料理は基本的に内容がきまっていますが、2〜3品から選べる場合もあります。¥4,800〜5,000のコースでも、料理の量は普通の人には十分でしょう。足りないと思う人はフロマージュを注文しましょう。コーースみより、料理は異なっています。 『ラ・ビュット・ボワゼ』の姉妹店らしく、契約農家から仕入れた有機野菜の無農薬のハーブや旬の野菜を、どの料理にもふんだんに使い、素材の味を生かして南仏風に軽く仕上げています。しっかりしたソースで食べさせるフレンチではなく、ヘルシーな感覚の料理ですので、イタリアンが好きな人にも素直に受け入れられるでしょう。この店の野菜を食べて見ると素材自体の旨味、新鮮な歯ごたえがしっかり感じられます。また野菜の緑が美しく映えるように、立体的に盛り付けることが多いようです。 アミューズは、特に手の込んだものではなく、テリーヌなどのビストロ風のものですが、写真のように3種類サービスされました。 前菜の『ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ特製本日のオードブル(当日は、はもと鯵の湯引きのマリネ 青梅を使ったソース)』は、フレンチに向くとも思えない、はもと鯵をさっぱりしたソースで食べる、夏の前菜にふさわしい料理です。湯引きしたことで身が引き締まり、青梅を使った酸味のあるソースとよく合います。はもは丁寧に骨切りしてありました。 前菜の『うずらのコンフィと鴨のフォアグラのソテー さやいんげん添え』は、カリフラワー、ブロッコリ、レタス、さやいんげんなど野菜をたっぷり使っています。野菜がたっぷりと言っても、メインの素材である、うずらのコンフィと鴨のフォアグラの存在感はしっかり出ていました。ソースはバルサミコを使っていて、一瞬「醤油風味?」と思わせるような味付けです。 前菜の『本日の築地市場からの鮮魚(当日は、つぶ貝とオマール海老)のブイヤベース』は、濃厚なオマール海老のエキスが入ったブイヤベースで、サフランの風味もよく効いています。付け合わせには、パルミジャーノ・レッジャーノ、トマトを使った自家製マヨネーズ、オリーブオイル、トーストが添えられます。 前菜の『本日の築地市場からの魚介類(当日は、つぶ貝と蛤)のリゾット』は、見た目と違って少しスパイシーなリゾットで、イタリアのリゾットより、チーズの使い方は控え目であっさりしています。パルミジャーノ・レッジャーノは固まりで購入して、その都度しっかり摩り下ろしているそうです。 魚料理の『隣町の築地市場でシェフが選んだ朝採れの鮮魚を使って(当日は、真鯛のポワレ スパイスのソース)』は、オーソドックスに仕上げていて、真鯛の下にはジャガイモのペーストが敷いてあります。この料理もこってりしたソースではなく、コリアンダー、丁子、ナツメグなどのハーブやスパイスを使って軽やかに仕上げています。おもしろい素材の組み合わせや複雑な味付けではないので、驚きはないかもしれませんが、安心して食べられる(!?)料理です。 肉料理の『鹿児島産 黒豚バラ肉の軽いくんせいのロティ 自家製シュークルート添え』は、上質の黒豚バラ肉を軽くスモークしたことで、肉の旨味が増していました。塩の使い方、火入れも適切だと思います。付け合わせの牛蒡も軽くスモークしていて、シュークルート(アルザス地方の料理で、塩漬けしたキャベツを白ワインで煮込んだものです。ドイツ料理のザウアクラウトと同じです。)の付け合わせとの相性も良く、主菜としての量も充分です。ソースはワインとチェリーを使っていて、甘酸っぱく仕上げています。 フロマージュは12種類程度あり、各タイプをまんべんなく揃えているので、特に気に入った銘柄を指定しなければ、充分な品揃えです。 デセールは、お好きなデセールから、お好きなだけ選ぶ盛り合わせですが、一品ごとの量は、写真のように少な目です。アイスクリームが溶けているのが気になりますが、トマトやミントのシャーベット、バニラのアイスクリーム、アールグレイのクレーム・ブリュレ、洋梨のシャルロット、いちじくのタルト、桃のコンポートなど、バラエティに富んでいます。甘さは控え目で、素材を生かして上品に仕上げたデセールは、食事の最後にふさわしいと思います。 パンは自家製で、ミルクを使ったまったりしたもので、温めてサービスしてくれます。全粒粉のパンもあり、1Fで販売していますので、気に入ったら購入できます。 食後の飲物はコーヒー、エスプレッソ、紅茶、 フレッシュハーブティー(+¥300)が選択できます。フレッシュハーブティーはレモングラス、パイナップルミントなど、三島の落合ハーブ園のハーブを9種類ブレンドしたものでした。プティフールもサービスされます。 ワインの品揃えはシャンパーニュ10種類、赤40種類弱、白30種類、ロゼ3種類と、この価格帯のレストランとしては充実しています。銘柄はブルゴーニュ、ボルドー中心に、¥4,000位から揃っていて、中心は¥8,000〜¥15,000ですので、料理と価格のバランスが揃っています。レストランとしては特に高いわけではなく、平均的なレベルです。予約時に連絡し、開栓料(¥2,000)を払えば、ワインの持ち込みも可能です。 ◆その他の情報 このレストランは自由が丘、森重シェフのフランス料理店『ラ・ビュット・ボワゼ』の姉妹店です。 1F カフェでは、フォアグラのテリーヌなどもあり、食事もできます。 店名の『ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ』は『谷間のそよ風』という意味です。 |