マノアール・ダスティン(フランス料理)


マノアール・ダスティン ◆場 所(中央区銀座8−12−15)
地下鉄銀座駅よりも新橋駅の方が近いですが、どちらの場合も銀座中央通りの東京三菱銀行 銀座支店の角を曲がって昭和通り方向に進み、三つ目の角を右に曲がって数十m行った左手のビルの1Fです。新橋駅から徒歩で6分位です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
地下鉄 銀座線・浅草線 新橋駅/JR新橋駅

◆電 話
03−3248−6776(FAX 03−3248−6777)

◆営業時間
11:30〜14:00/18:00〜21:30
   年中無休

◆雰囲気
レストランに入ると、正面にレセプションがあり、この規模のレストランにしては、レセプション周りのスペースはゆったりしていて、左手が厨房、右手が廊下を挟んで奥にダイニングルーム、正面の廊下の奥の左手がレストルームになります。
ダイニングルームは席数が30席程度の大きさで、それほど広くありませんが、壁全体をシックな赤(塗装仕上げ)に統一し、天井には木の化粧梁を見せた個性的なインテリアです。全体の印象としては、豪華というよりもフランスの田舎にあるオーベルジュのような素朴な感じ(但し上質な)がします。床もダークブラウンの木を使用していて、暖かみがあります。隣席との間隔はそれほど広くありませんが、中央の通路がとてもゆったりしているので、落ち着いて食事ができます。ダイニングルームの奥の壁沿いはベンチシートで、他は木製のクッションが少ない椅子になります。

とても雰囲気があり、温かみのあるインテリアですが、残念なのは木目の扉を使用したワインセラー(加湿冷蔵庫)で、何とか工夫してダイニングルームとは別の裏方に置ければ、さらに魅力的なインテリアになったでしょう。
マノアール・ダスティン 照明はハロゲンタイプのダウンライトでテーブルの明るさを充分確保し、天井にはインテリアに合ったグローブ付きの田舎風のシャンデリアとブラケットで、気分を高めています。全体に落ち着いた照度ですが、テーブルの上は充分明るく、料理の盛り付けが映える、好感の持てる照明でした。BGMはクラシックが静かな音量で流れていましたので、気になることはないでしょう。

テーブルウェア関係は次の通りです。金属脚のテーブルの上にネルのクロス、さらに二枚のクロスの三枚重ねで、食器はプレゼンテーションプレートがイタリアのタイツー、他の食器は柄のないニッコーなどを使用していました。カトラリーはやや軽量のドイツのWMF、グラスはスピゲラウなどで、ワイングラスはボトルを注文すると、ワインに合わせたリーデルのグラスに交換してくれましたので、ワインを充分楽しめます。またテーブルの上にはプティフラワーも置かれていました。

レストルームは男女兼用で、インテリアはダイニングルームのイメージを踏襲した、フランスの田舎の素朴なイメージで統一されています。衛生陶器はフランスのものを使っていて、ハンドタオル、ペーパータオル、ティッシュペーパー、液体石鹸の用意がありました。また壁には絵画が掛けられ、生花も飾られていて、落ち着いたインテリアにまとまっています。

サービスに関しては以前利用した時よりも、とても改善されていて、全体に非常に丁寧で、料理、ワインを注文する時の対応、配膳時の料理の説明とも申し分のないものでした。席が7割ほど埋まった状況で、料理の出される間隔は適度で、ワインの量、パンの残り具合に充分気を配っていました。サービスする時も笑顔で対応してくれて、とても好感が持てます。出店時も五十嵐シェフが挨拶してくれるだけでなく、五十嵐シェフとスタッフがレストランの外まで出て、長く見送ってくれるなど、最後まで気持ち良く利用できました。

◆価 格
ランチ  ¥4,000/¥6,000
ディナー
 ¥7,500(日替わりディナーコース)
  アミューズ、前菜、魚料理、肉料理、アヴァンデセール、デセール、コーヒー、プティフール
 ¥12,000(シェフおまかせコース)
  アミューズ、前菜二品、魚料理、グラニテ、肉料理、アヴァンデセール、デセール、コーヒー、プティフール
 アラカルトもあります。アラカルトの主な価格帯
  前菜 ¥1,800〜¥3,500/魚・肉料理 ¥3,200〜¥4,000
  デセール ¥1,000〜¥2,000/フロマージュ ¥1,000〜
   サービス料 10%

◆料 理
¥7,500のコース料理は、基本的に内容が決まっています。このレストランはコースよりもお好きなアラカルトをオーダーして、カップルならお皿の交換をした方が、五十嵐シェフの料理をずっと楽しめると思います。前菜、肉料理、デセールは10種類位、魚料理は数種類位用意されていました。下記の料理の写真は、すべてアラカルトのものです。

五十嵐シェフの料理は、上質な素材をオリジナリティのある組合せと調理法で食べ手を楽しませてくれます。また内蔵料理やジビエにも力を入れていて、オーソドックスな料理でも、的確な火入れとおいしいソースで、丁寧に仕上げていると感じました。このレストランの骨格のしっかりしたフランス料理食べると、決してイタリア料理では到達し得ない高みがあると思わずにはいられません。

アミューズはニ品で、最初は定番の『ブーダン・ノワール』、ニ品目は『スープ・ド・ポアソン』でした。ブーダン・ノワールは下にリンゴのピューレが敷いてあり、くせの少ないブーダン・ノワールはフルーツの甘さとよく合います。スープ・ド・ポアソンは意外とあっさりしていて、次に来る前菜の味を邪魔することなく、食欲を高めてくれます。

前菜の『人参のムースとコンソメジュレ ウニ添え』は、五十嵐シェフのスペシャリテで、定番の料理です。人参のムースはクリーミーでまろやか、そして上品な甘さに仕上っていて、コンソメジュレの凝縮した旨味との相性も抜群です。ウニの風味もしっかりこの料理をサポートしています。
前菜の『冬ならでは海の幸のお菓子仕立て』は、大胆に白子とあんきもを上にのせた盛り付けですが、ウニ、タラバガニ、ビーツ(酢漬けではありません。)、アボカドなどの新鮮な素材をセルクルでまとめた美しい一皿でした。どの素材の味も決してでしゃばらず、しかしそれぞれの素材の味がしっかり楽しめます。周りのヴィネグレットを使ったトリュフ風味のソースも、良いアクセントになっています。
前菜の『海の幸のロワイヤルの冷製、カリフラワーのクリームソース』は新鮮な海の幸とカリフラワーのクリーミーでこくのあるソースが渾然一体となって、素晴らしい料理に仕上がっていました。

肉料理で注文したジビエのコルヴェール(青首鴨)の半身(¥4,500)は、オーソドックスに血入りワインソースで仕上げていました。胸肉はとても柔らかく、ジビエらしく肉自体にしっかりした旨味があります。血入りワインソースはこってりしていますが、ジビエに負けないしっかりした味のソースです。骨付き股肉が別に添えられます。
肉料理の『ピレネー産乳飲み仔羊 本日おすすめの調理法で』は、貴重な乳飲み仔羊(アニョー・ド・レ)の各部位を、最適な美しい火入れで取り合わせた一皿です。真中の付け合せはクスクスで、その他に青唐辛子(刺激は少なく、比較的まろやか)、玉ねぎ(少々焦がし過ぎなのが惜しい。)が添えられていました。肉自体は文句なく柔らかくて、ソースも軽く、乳飲み仔羊の繊細な味を楽しめます。

パンは自家製の全粒粉のものなどを、何種類か用意しているようです。どれも美味ですが、決して料理の邪魔をすることはありません。いつも温めてサービスされました。
フロマージュは、一部はフェルミエから仕入れていて、全部で十数種類あり、各タイプを満遍なく揃えていました。

デセールの『熱々タルトタタン ヴァニラアイスクリーム添え』は、パイのサクサク感がとても魅力的な、上品なタルトタタンです。ヴァニラアイスクリームと甘さを抑えた非常にクリーミーな生クリームが添えられます。甘さを抑えて、渋味、苦味が少し残してありますので、生クリームやヴァニラアイスクリームと合わせて食べた時のおいしさは格別です。
デセールの『トマトソルベのグラタン オレンジ風味』は、季節によっては用意されていませんが、トマトの甘味を充分引出し、オレンジ風味とうまく合わせていて、とても楽しめるデセールになっています。

食後の飲み物はエスプレッソ、コーヒー、紅茶、ハーブティ(フレッシュではありませんでした。)が用意してあり、プティフールもサービスされました。コーヒーは少し苦味を強めに淹れてます。

なおワインの品揃えに関しては、次の通りです。ボルドーの赤が有名シャトーのものを40種類位(¥8,000〜¥60,000位)ブルゴーニュの赤が三十数種類(¥5,000〜¥45,000)、その他の地区が20種類位(¥8,000〜¥20,000位)、白がフランス各地のものを40種類位(¥5,000〜¥25,000位)、シャンパーニュが20種類位(¥8,000〜¥45,000位)と充実していました。価格的にはレストランとしては平均的なレベルです。なおワインの持ち込みはできませんでした。

◆その他の情報
五十嵐オーナーシェフは、フランス、ノルマンディー地方にある『マノアール・ダスティン』などのレストランで修行後帰国し、六本木『オーシザーブル』、勝どき『クラブ・ニュクス』で活躍、青山『アンフォール』で独立した後、『アンフォール』を他のシェフにまかせて、『マノアール・ダスティン』を銀座にオープンさせました。
車で行く場合、コインパーキングが近くにいくつかありますので、これを利用すると良いでしょう。




   銀座・日比谷・日本橋地区のページへ   東京いい店真っ当な店?へ