招福楼(日本料理)


招福楼 ◆場 所(千代田区丸の内2−4−1 丸ビル36F)
東京駅の丸の内側の目の前にある丸ビル内の料理店なので、特に説明する必要がありませんが、丸ビルに入って、レストラン・ショップ街専用エレベータで36階に上がります。エレベーターホールに出ると、一番上の写真の看板が見えますので、その方向に進み、左手に入口があります。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
JR 東京駅
地下鉄 丸ノ内線 東京駅

◆電 話
TEL 03−3240−0003(FAX 03−3240−1010)

◆営業時間
11:30〜15:00
17:00〜23:00/日・祝日 17:00〜22:00
  定休日 元日・不定休

◆雰囲気
とてもおめでたい名前の『招福楼』東京店は、丸ビルの35・36階の高級レストランゾーンにあり、ほとんどの部屋で36階からの眺望を楽しみながら食事が頂ける会席料理のお店です。

招福楼 店に入るとすぐにレセプションがあります。ここには壁沿いに腰掛が造りつけされていますので、待ち合わせに利用できます。案内されて靴を預けて玄関を上がって進むと、二番目の写真の廊下があります。それぞれの部屋の入口には写真のような照明があり、すべて個室となっています。ただ天井は繋がっていますので、完全な個室というわけではありません。これらの個室(すべて北側の窓に面していて、掘り炬燵のように座って食事を頂けます。)の他に、大人数で会食でき、お茶席としても利用できる和室(窓に面していませんが、床の間がついています。)、三番目の写真の襖で完全に仕切られた個室 (皇居側に面した椅子席で、椅子の背もたれはこのように和服のお太鼓がぶつからないように配慮されています。)、昼の松花堂弁当が供されるカウンター席に別れています。

会席料理店に相応しい静謐な空間のインテリアは、簡素で清楚な空間に見えますが、細部を見ていくと、上質な造りになっていることがわかります。使われている襖紙は柿渋で染めたもの、襖の取っ手の一部は職人が彫って仕上げたもの、内装に使われている木材の一部は旧丸ビルの基礎に使われていたもの、一番大きな部屋の梁は一本物の木材を使用など、インテリアの各所に主人の高い審美眼とこだわりが伺えます。
また三番目の写真のテーブル席の個室は、写真で見ると一見畳敷きにテーブルと椅子を置いたように見えますが、畳模様の絨毯敷きなのです。

照明もなかなか凝っていて、単なる和風ペンダントではなく、和紙を使った行灯、スポットライト、ダウンライト、間接照明、光天井など、その空間に適したものが使われています。テーブル席の個室の照明は光天井で、食事をするのに充分な明るさを確保しています。

食器は当然和食器で、料理の写真をご覧いただければわかるように、用の美を感じされるものばかりです。ナプキンを用意してくれましたが、明らかに綿ではなくリネン(亜麻)を使っています。

お料理のサービスに関しては次の通りです。すべて個室の店ですので、会席料理をサービスする側にとって難しい面がありますが、適度な間隔で料理がサービスされ、お料理が幾つもテーブルに置かれるということはありませんでした。サービス自体も高級店に相応しくとても丁寧で、個室に案内されると女将が挨拶に来てくれました。入出店時の送り迎えもとても丁寧で、全体に高級店に相応しい落ち着いた品の良いサービスです。また高級店にありがちな堅苦しさもなく、気持ちよく利用できました。

◆価 格
 会席料理 ¥17,000/¥22,000/おまかせ(¥25,000より)
 風流点心 ¥12,000
 松花堂弁当 ¥6,000(昼食のみ 20名様限定 窓際カウンター席)
  サービス料・席料なし

◆料 理
会席料理の名店として名高い招福楼ですが、東京店も創意工夫にあふれた素晴らしい料理でした。「お茶の精神を心とする日本料理」と謳っているように、懐石料理の伝統にのっとったその料理は、上質な旬の素材の旨味を引き出し、日本料理の基本をふまえながら、独自のアイデアを盛り込んで、大変魅力的な料理に仕上がっています。本膳料理と違うので豪華な盛り付けというわけではありませんが、丁寧に盛り付けられたその料理は、品格を感じさせます。
招福楼 なお料理のお品書きの用意はなく、お酒などの飲み物はお品書きがありました。日本酒は数種類用意してあり、値段はリーズナブルです。

写真の料理は、¥17,000の会席料理コースのものです。なお他の会席料理コースも品数は同じで、料理の内容が異なってきます。量的には充分と思いました。

先付と椀物は、あんきも豆腐と白子、みぞれ大根、おもち、柚子の入った椀物でした。あんきも豆腐はあんきもが苦手な人でも、まろやかな味には納得するでしょう。椀物は大根の風味を生かした上品な味わいです。
お造りは鮪と平目で、それほど量は多くありませんが、どちらも素材は良く、特に平目は甘さが印象的です。

八寸は珍味を集めていて、鴨肉と青み大根、酢漬けのナマコの上にナマコのしゅとう(内蔵部分)、雲丹と長芋と湯葉など三種の盛り合わせでした。鴨肉は番茶で柔らかくしているそうです。素材の良さは勿論の事、日本酒との相性はとても良く、どの料理も何かで風味付けしたり、柔らかくする工夫をしているようです。
焼物は上質な鰤とサクサク感を残した長芋でした。鰤は甘めに仕上げることが多いですが、甘さを控え目にしています。鰤の火入れも良く、お皿も温めてありました。
箸休めは茹で加減、歯ごたえも良い蕎麦でナメコと柚子が入っていました。添えられた三つ葉は茹でてあり、お皿も冷やしてありました。
焚き合わせは、京都の淀大根と下仁田葱で、どちらもその甘さと適度な柔らかさが印象的です。水菜と柚子が添えられていました。上品な味付けの汁も素材を引き立てています。

御飯、香の物は、近江米の御飯に鰻の山椒煮をのせて頂くお茶漬けと茄子、蕪などのお漬物でした。真っ白でふっくらと炊き上がったご飯の甘さは強く印象に残ります。鰻の山椒煮とこの御飯があれば、いくらでも御飯が食べられそうです。お漬物は、蕪は甘めに、茄子は辛めに仕上げています。
和菓子は、中に粟が入ったこしあんでした。こしあんは甘さを控え目にして、とても上品に仕上げてあり、クリーミーとしか言いようのない抹茶との相性は抜群でした。おかわりをしたくなったほどです。
水菓子はコアントローのシャーベット、マンゴー、ゼリーがけした苺の組み合わせでした。どれも良質な食材を使っていて、特に苺はは甘さは

◆その他の情報
『招福楼』の本店は近江・八日市(滋賀県八日市市)にあり、由緒あるお屋敷、主人みずからデザインを手がけた風情ある庭園、お茶の精神を心とする会席料理の名料亭として有名です。
東京店は、以前は上野広小路にありましたが、丸ビルの完成とともに移転しました。


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