春秋ツギハギ(和食ダイニングバー)


春秋ツギハギ ◆場 所(千代田区有楽町1−1−1 日本生命ビルB1F)
日比谷通りに面し、帝国ホテルの隣の重厚な日本生命ビル(日生劇場ある建物)の前に地下鉄 日比谷駅の出口(A13)があります。レストランへの入口は帝国ホテルと日本生命ビルの間の通りに面していて、日生劇場の入口の左隅にあります。その入口から入って写真の階段を降りるとレストランになります。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
地下鉄 日比谷線・千代田線・三田線 日比谷駅

◆電 話
03−3595−0511

◆営業時間
11:30〜14:30(ラストオーダー14:00)
17:00〜23:00(ラストオーダー22:30)
   年末年始、盆休み

◆雰囲気
商業施設のインテリアデザイナーで有名な杉本貴志氏が経営するレストラン「春秋」の日比谷店にあたります。この春秋は他の「**店」と違って「ツギハギ」という独特の名称が与えられています。場所は日生劇場の地下で、かってここにはレ・サブールというフレンチレストランがありました。
春秋ツギハギ 入口の階段を下りて地下に降りるとレセプションがあり、レストルームが左手にあります。すぐにダイニングルームになりますが、その構造は非常に複雑で、言葉では説明しきれません。見通しの良いオープンスペースは入口付近にありますが、その周囲は数々のデザインで埋め尽くされた10タイプの個室が非整形で配置されています。ひとつひとつの個室はそれぞれテーマを持っでデザインされています。

個性的なインテリアはバリ島のトラジャ様式の古民家を一軒解体した資材を使ったり、和紙、鉄、石、洋服(単に布を壁に使うのではなく、洋服を壁の仕上げに使っています。)、模型飛行機など、多彩な素材を使っています。寿司やグリルのカウンター席もあります。インテリアが全く異なる個室やオープンスペースを「ツギハギ」して、ひとつのレストランのインテリアとしてまとめています。訪れるたびに個性の全く異なるインテリアが楽しめる、独特のレストランです。

古いビルのため、天井が低いですが、天井の仕上げを省略し、配管、配線等を黒く塗装しただけに留めており、狭苦しい感じはかなり軽減されています。写真をご覧になればわかるように、インテリア小物も和風、アジアン、洋風とこれもツギハギ状態となっています。

照明はハロゲンランプのスポットライトを主に使っていますが、シャンデリアの部屋もあり、照明も個室により異なっています。全体の明るさは抑えていますが、テーブルの上は充分な明るさを確保していました。
天井に黒のBOSEのスピーカーが取り付けられていて、BGMは流れていないと思うほど、かなり小さめの音量でジャズが流れていました。音量はお客様の入店状況に応じて変えていると思われます。

食器は和風から洋風まで、土鍋から磁器、ガラス器、漆器と様々な種類と形のものが使われていました。お箸はクリストフルで、シャンパングラスはスピゲラウ、冷酒のグラスは リーデルが使われていました。

レストルームは、男性用・女性用(2室)あり、男性用は基本的には以前あったレ・サブール時代のインテリアを踏襲しており、一部和風のインテリア照明を取り入れているようです。白大理石、黒御影石をところどころ使い、木目も生かしたインテリアはすっきりした印象で、スペースもゆったりしています。照明はダウンライト、間接照明が使われていました。洗面カウンターは二人用で、液体石鹸、ペーパータオル、爪楊枝などの用意がありました。

春秋ツギハギ サービスに関しては次の通りです。サービスがやりにくい非常に複雑な店の構造で、席数も多いレストランです。個室を除いて(見える範囲ではかなり埋まっていましたが)席が80%程度埋まった状況で、料理の出される間隔は適度ですが、テーブルへの目配りまでは完璧とは言えませんので、料理や飲物の追加はスタッフを呼んで注文しましょう。サービススタッフ(無線機を装着)はかなり忙しそうで、ゆっくり相談ができる状況ではありませんが、どのスタッフも笑顔で応対してくれ、料理に関して質問して、わからないところがあれば、厨房に確認に行ってくれました。

◆価 格
主な料理の価格帯
ランチ ¥1,200〜¥5,000
ディナー
 ¥6,800/¥7,800/¥8,400/¥12,600
 一品料理もあります。
 一品料理の主な価格帯
  前菜 ¥1,000〜¥2,200 二十数種類
  魚料理 ¥1,700〜¥4,200 数種類
  肉料理 ¥1,500〜¥5,500 十種類位
  野菜 ¥1,000〜¥1,700 数種類
  寿司 ¥1,300〜¥2,500/巻物 ¥400〜¥1,200
  食事 ¥900〜¥1,600 十種類位
  デザート ¥700〜¥1,200 数種類

◆料 理
料理のコンセプトは、他の春秋と同じで、生産者を吟味した良質の素材を創作的な調理法で供します。素材の持ち味を生かした和風料理が中心ですが、一般の会席料理店や寿司店とは異なる独自のスタイルです。料理の種類は多く、海外の良質な素材(肉類)を使う料理もあり、大型店でよくこれだけいろいろな食材を集めて提供できると感心します。

料理の写真はすべて一品料理のものです。
一品料理は二人でシェアして頂くにはちょうど良い量だと思います。

お通しの『茄子と旬貝の冷製 生姜風味のジュレ』は、生姜風味は控え目なジュレで、茄子と貝の組み合わせは冷酒によく合います。スターターとしては爽やかな小品です。
季節のおすすめの『富山産 天然岩がきのお造り』は、産地直送の旬の新鮮な天然岩がきが楽しめました。プリプリな食感とクリーミーな味わいは最高です。素材の良さそのものを味わえます。
季節のおすすめの『すずきのカルパッチョ』は、旬の鱸本来のおいしさが味わえます。白身魚でも鱸は淡白ながらも品のある味わいで、カルパッチョは良く合います。
野菜料理の『川田農園の10種類の野菜サラダ』は、葉物の野菜が多いですが、新鮮な野菜をたっぷり頂けます。味付けは酸っぱ過ぎないのですが、塩。胡椒は強めでした。

前菜の『フォアグラのソテー』は、フランス産が輸入禁止期間の時で、ハンガリー産のフォアグラが使われていました。味はフランス産に劣らず、肉厚に仕上げられていて、火入れも良く、フォアグラが堪能できますが、ソースが醤油ベースのためか、焼鳥のレバーのような味の印象があるのは残念です。
肉料理の『イベリコ豚のロースト』は、「これが豚肉?」と言いたくなるほど、ジューシーで旨みのある骨付きのイベリコ豚の肉です。素材が素晴らしいのでシンプルな調理が一番で、塩とレモンが添えられます。

『おまかせ寿司5種』は、小ぶりに握られた寿司で、ネタは新鮮で少しひねりの効いた味付けが楽しめます。春秋オリジナルな寿司ですが、欧米によくある「なんとかロール」などの変わった寿司とは異なります。
『比内地鶏とおあげの炊き込み土鍋飯』は、玉子が使われていないのに、玉子が使われているような味が楽しめます。基本的には醤油と砂糖ベースの出汁で炊いたご飯の中においしい比内地鶏とおあげがはいっています。つやつやのご飯の写真を見ればわかるように、炊き加減は申し分ありません。

デザートの『和の甘味三種 かしわ餅、きなこアイスクリーム、黒糖寒天 旬果実添え』は、甘さを抑えたとても上品な和のお菓子でした。量は少なめですが、ひとつひとつ丁寧に仕上げています。

お酒の品揃えは、次の通りです。日本酒が全国各地の銘酒を二十数種類(一合 ¥800〜¥2,000位)、ワインが赤・白それぞれ二十数種類位(中心価格帯は¥6,000〜¥12,000、グラスで注文できるワインもあります。)、サワー、ビール、カクテルも勿論あります。どれもグラスで¥800〜¥1,200位ですので、いろいろなお酒を楽しめます。

◆その他の情報
室料が必要な個室があります。
1Fのオープンカフェも春秋の経営です。
春秋の代表である杉本貴史氏は、数々の商業施設のデザインを手がける店舗デザイン設計会社、スーパーポテト代表でもあります。
レストランとあまり関係のない情報ですが、レストランのある日本生命ビルの設計者は日本芸術院会員であった故 村野藤吾氏で、他に設計した有名な建物としては、下記のようなものがあります。
旧日本興業銀行本店、箱根プリンスホテル本館、京都宝ケ池プリンスホテル、新高輪プリンスホテル、三養荘、都ホテル京都(数奇屋風の佳水園は有名です。)志摩観光ホテル(かなり昔になりますが、有名な”海の幸フランス料理”を食べに行きました。料理内容に比べて味が?で、料金も高く、少しがっかりした記憶があります。)、宝塚市役所、赤坂迎賓館改修工事など、まだまだ有名な建物がたくさんあります。

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