◆場 所(渋谷区広尾5−17−10 イーストウエストB1F) 恵比寿寄りの広尾駅の出口を出て、広尾橋の交差点から広尾商店街(西の方向)に向かいます。真っ直ぐ200m位進み、道なりに左に曲がって数十m進んだ左手のビルがレストランのある建物です。1階のワインバー『AQUAVINO』を右手に見ながら、建物の中廊下を進み、中間位にある左手のエレベーターでB1Fに降りるとレストランです。駅の出口からレストランの建物まで徒歩5分程度です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 地下鉄 日比谷線 広尾駅 ◆電 話 TEL 03−5447−5501(FAX 03−5447−5502) ◆営業時間 ランチ 11:30〜13:30(L.O.) ディナー 18:00〜21:30(L.O.) ◆雰囲気 イタリアンのシェフとして有名な日高良美氏のレストランで、かって西麻布にありましたが、2001年11月にこの広尾に移転してきました。なお青山『ACQUAPAZZA』は、『COZIMA』と名称を変えており、『ACQUAPAZZA』を名乗るレストランは、この広尾だけとなっています。 レストランは地下1階にあり、エレベーターを降りると、正面にレセプションがあり、その左手にオープンキッチンがあります。オープンキッチンの前にはお酒の用意などをする配膳台がありますので、オープンキッチンと言っても、テーブル席から厨房内がよく見渡せるようにはなっていません。 48席のダイニングルームはコの字型で、中央に二番目の写真の比較的大きな中庭があります。中庭の周囲はすべて天井まであるガラス張りのため、地下1階とは言ってもどの席に座っても開放感があるように感じられます。なお中庭には階段がありますが、これを利用して入店はできません。 床はダークブラウンのフローリング、壁はシンプルな白の塗装仕上げ(?)で、下部がダークブラウンの木目仕上げのところもあります。壁には小さ目の絵画が飾られ、ガラス扉の飾り棚もおかれていました。豪華なインテリアというよりは、爽やかで落ち着いたインテリアで、天井が高く席の間隔も比較的ゆったりしているので、落ち着いて食事ができます。ただイタリアンのレストランらしくカジュアルな雰囲気も残っていますので、お客のざわめきが多少騒々しく感じられることもありました。 テーブルは金属鋳物(?)のがっしりした脚のもので、椅子はレザー張りの比較的小ぶりのものですが、これもしっかりした造りで、座り心地は悪くありません。 テーブルウェアに関しては次の通りです。ネルのクロス上にクロス2枚の3枚掛けで、食器は無名の白のもの、リチャードジノリのものを使っていました。カトラリーはイタリアのサンボネで、ワイングラスはスピゲラウを用意してくれます。 照明は、おもしろい形をしたシーリングライトと暗めのダウンライト(明らかにハロゲンランプを使っていますが)を使い、比較的照度を落としていて、テーブルの上を特に明るくしていません。BGMはお客が大勢の時は流していなく、ドルチェを食べるお客が増えてから静かな音量で流れていました。 レストルームは、オープンキッチンより奥にあり、男性・女性兼用と女性専用の二室あります。男性・女性兼用の方は床がベージュのテラゾー(大理石?)仕上げ、壁が白の塗装仕上げです。車椅子の利用を考慮してスペースは広く、白を基調とした清潔感のあるモダンなインテリアでした。洗面台はカウンター形式になっていませんが、液体石鹸とペーパータオルの用意がありました。 サービスに関しては、次の通りです。高級店らしく全体に丁寧で落ち着いたサービスで、料理の出される間隔は、とても良いと思いました。ただコの字型のダイニングルームというサービスしにくい構造のためか、席がほとんど埋まった状況で、テーブルへの目配りが充分かというと、多少不足している感じがしました。料理のサービスはしっかりしていて、ゲリドンサービスも丁寧でしたが、空のワイングラスに気がつかない時がありました。入出店時の対応は丁寧で気持ち良く利用できましたので、この点が改善されれば、高級店にふさわしいサービスになると思います。 ◆価 格 ランチ ¥2,800/¥3,800/¥5,000/¥6,500 ディナー ¥6,500 アンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、チーズまたはドルチェ、カフェ ¥8,000 アンティパスト、プリモピアットの中からお好きな3皿、セコンドピアット、チーズまたはドルチェ、カフェ その他に¥10,000(シェフのおまかせコース)、¥7,500(菜食家のメニュー)、アラカルトがあります。 アラカルトの主な価格帯 アンティパスト ¥1,800〜¥2,000/プリモピアット ¥1,900〜¥2,000 セコンドピアット(魚・肉料理) ¥3,000〜¥3,200/ドルチェ ¥1,000 サービス料 10% ◆料 理 ¥6,500、¥8,000のコースはアンティパスト、プリモピアットの皿数が二皿か三皿かの違いがありますが、どちらもアラカルトのメニューから好きな料理を選んでコースを組み立てるプリフィクススタイルになっています。お腹の空き具合でコースを選べば良いでしょう。アンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェそれぞれ5〜8種類位用意してありますので、かなり柔軟な選択が可能で、料理の選択に関してはアラカルトの必要がないほど充実していました。 料理は良質の素材をそのまま生かして丁寧に仕上げたもので、イタリアンの食材にこだわらず、和の食材、フレンチの食材が積極的に使われていました。以下の料理はコースで注文したものです。 席に着くと最初にいろいろな種類のオリーブをサービスしてくれました。食前酒にスプマンテを注文するには最適でしょう。 アンティパストの『白身魚のカルパッチョ仕立てサラダ添え アサリのエキスたっぷりのソースで』は、真鯛を使ったカルパッチョで、量もたっぷりあり、水菜が添えられています。適度な塩気が新鮮な真鯛を引き立てています。 アンティパストの『少し温かい炭焼き比内鶏のサラダ 温泉卵を添えて』は、滋味豊かな比内鶏を適度な火入れでグリルしてあり、比内鶏のグリルの香ばしさと温泉卵の相性は当然ながらとても良いものです。グリーンアスパラガス、芽キャベツ、隠元、空豆など春を感じさせる野菜も添えられています。素朴なおいしさの一品と言えるのではないでしょうか? プリモピアットの『春野菜のポタージュ』は、グリーンピースの風味がたっぷりのクリーミーなポタージュでした。さくら海老が入っていましたが、グリーンピースとの相性がいいかどうかは、多少疑問が残ります。 プリモピアットの『サフランと香草を打ち込んだふぞろいな手打ちパスタ いろいろな魚介のソースで』は、あさり風味のおいしいソースで、茹で具合は良いパスタでした。サフランと香草の風味は控え目です。 肉料理の『黒米とフォアグラを詰めた鳩のオーブン焼き 干し空豆のピューレ(お二人様から)』は、アラカルトでなくても選択でき、1羽を丸ごとオーブン焼きし、ゲリドンサービスで二人分に取り分けてくれました。フランス産の鳩は柔らかく充分な旨みを持っていて、火入れの具合も最高でした。フォアグラの存在感は控え目でしたが、黒米と鳩の相性は大変良く、下に敷いたチーズ風味のキャベツも相性の良いものです。イタリアンというよりもフレンチを感じさせる一皿でした。なおウーロン茶入りのフィンガーボウルを用意してくれました。 パンはゴマ入りのもちもちした食感のおいしいもので、グリッシーニも添えてあり、温めてサービスしています。なおパン皿の用意はありませんでした。 ドルチェの『カンパリとスプマンテのゼリー ミント風味のアングレーズソースと柑橘類のシャーベット添え』は、カンパリの風味がとても印象的なドルチェでした。柑橘類のシャーベットは爽やかで、果物もたっぷり入っています。アングレーズソースの甘さは控え目で、ゼリーのおいしさを損なっていません。 ドルチェの『りんごのソテーとキャラメルのジェラートを添えたアーモンド風味のブリオッシュ』は、スープにカルヴァドスと白ワインがたっぷり入っていて、キャラメルのジェラートとともに強く印象に残ります。アーモンド風味のブリオッシュとりんごのソテーとの相性はとても良く、単なるりんごのタルトにしないところがおもしろいと思います。 食後の飲み物はエスプレッソ、ダブルエスプレッソ、紅茶などが選べ、小菓子のサービスはありませんでした。なお普通の水を注文しても、ミネラルウォーター(銘柄はパンナでした。)をサービスしてくれ、追加料金はありませんでした。 ワインに関しては、次の通りです。イタリアの白が各州いろいろな銘柄を四十数種類(¥5,000〜¥12,000位)、イタリアの赤が各州いろいろな銘柄を百十数種類(¥7,000〜¥40,000位)、スプマンテ&シャンパーニュが十数種類(¥6,000〜¥16,000位)でした。中心価格帯は¥8,000〜¥12,000なので、料理との価格のバランスが取れています。価格はレストランとしては平均的だと思いました。 ◆その他の情報 オーナーシェフの日高良美氏は、調理師学校卒業後、神戸ポートピアホテル『アラン・シャペル』などでフランス料理を経験し、後にイタリア料理に転向してイタリアで修行し、帰国後、青山『リストランテ山崎』の総料理長を努め、西麻布に最初のレストラン『リストランテ アクアパッツア』をオープンしています。 同じ建物の1階にワインバー『AQUAVINO』があります。 『リストランテ アクアパッツア』は、バリアフリーとなっていて、車椅子の利用が可能ですが、エレベターを降りる所とレストルームに入る所にスロープがありました。禁煙席の用意もあります。 アクアパッツァのページへ |