メゾン・カシュ・カシュ(フランス料理)


メゾン・カシュ・カシュ ◆場 所(新宿区若葉2−7 ビデオフォーカスビル1F)
四谷駅で降りて、新宿通りを新宿方面に向かいます。新宿通りの左手の歩道を500m位歩くと、四谷二丁目の交差点(角にMr.ドーナッツがあります。)になり、そこを左に曲がって細い道に入ります。しばらく歩くと左手に文化放送の建物があり、そこを越えると下り坂になります。坂を下ったところの左手角の建物の1Fがレストランです。駅から徒歩8分位です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
JR中央線・地下鉄丸ノ内線・南北線 四谷駅

◆電 話
03−5363−5263(FAX 03−5363−5264)

◆営業時間
 12:00〜24:00
   日曜日休み

◆雰囲気
レストランへは、暗いのでわかりにくいですが、上の写真の中央の屋外階段より入ります。レストランに入るとレセプションはなく、すぐに40席ほどのダイニングルームになります。
メゾン・カシュ・カシュ ダイニングルームは長方形のため見通しが良くなっており、床はダークブラウンの板張りで、壁は荒く仕上げて、パステルアイボリー色に塗られています。天井は一部が独特な造りで、木の梁を見せて素朴な雰囲気なのですが、そこにいくつものスポットライトを白い天井に向けて間接照明としています。

ダイニングルームには、下の写真のような、入口から見て正面奥にバーカウンター、入口右手の窓際には各種のデキャンターなどの調度品を置いた飾り棚があります。厨房はバーカウンターの左奥にあり、オープンキッチンではないので、調理の音は全く聞こえません。高級なインテリアではありませんが、ビストロにありがちな騒々しさはなく、大人がゆっくり食事できるような、落ち着いた雰囲気にうまくまとめています。2台のワインセラー(加湿冷蔵庫)も、隅の方の目立たない位置(二番目の写真の右手の木の扉の右隣)に置いてあります。テーブルの配置も、価格を顧慮すると妥当な間隔と思います。なおクロークはなく、コート掛けがところどころに置かれて、カフェの雰囲気を醸し出しています。
照明は前述のスポットライトの他にダウンライトも使用していて、テーブルを特別に明るくはしていませんが、全体的には適度な明るさです。BGMにはモダンジャズが静かな音量で流れていました・

テーブルウェア関係は次の通りです。テーブルクロスはネルのクロスの上に、糊のよくきいた白のクロスが2枚、食器類はプレゼンテーションプレートとパン皿はノリタケ、メーカー不明の食器、コーヒーカップはリチャード・ジノリなど、いろいろ使いわけています。カトラリーはWMFです。水は普通のクリスタルガラスですが、ボトルでワインを注文すると、容量の大きなスピゲラウのグラスに変えてくれました。なおテーブルの造りはまあまあですが、椅子は写真のように、カフェでよく使われるトーネットの曲木のデザインのものですので、クッションはほとんどありません。

メゾン・カシュ・カシュ レストルームは二番目の写真の右側の木の扉を開けて右手に進み、エレベータの手前にあります。扉を開けると、そこにもテーブルと椅子が用意されていて、カフェやシガールームとして使えるそうです。ただこのスペースは、単にこのビルの通路を利用したように見えますので、あまり雰囲気は良くありません。レストルーム(男女別)はこのビルのレストルームを、そのまま利用していますので、オフィスビルのレストルームのインテリアと考えるとわかりやすいでしょう。清潔ではありますが、ベージュのタイルを使った素っ気ないデザインです。男性用は液体石鹸とペーパータオルの用意はありました。

サービスに関してですが、価格を押さえているため、ギャルソン二名でこの店を切り盛りしています。ダイニングルームは40席もありますから、全体を細かく目配りするのは、どう考えても無理です。ワインや水が少なくなったり、パンがなくなっても、あまり気がつきませんので、ギャルソンを呼んでサービスしてもらいましょう。ギャルソン二名は、若いですが料理に関しての知識は豊富で、質問にも的確に、しかも笑顔を絶やさずに答えてくれますし、サービス自体も丁寧です。出店時もコートを渡すだけですが、笑顔で見送ってくれますので、気分良く出店できました。

メゾン・カシュ・カシュ ◆価 格
ランチ 行っていないので不明です。
ディナー
 ¥3,600/¥5,200
  アラカルトもあります。      サービス料10%

◆料 理
ディナーコースは、前菜、主菜を選択してコースを組みます。素材によっては、追加料金が必要な料理もあります。姉妹店の『アラジン』の料理をベースにメニューを組み立てているようで、どの料理もしっかりした骨格の料理でした。ただ写真をご覧になればわかるように、どの料理も、普通の人には量が少なめでした。

料理を注文すると、最初にオリーブオイルに漬け込んだ黒オリーブが出ました。
前菜の『砂肝のコンフィの温かいサラダ』は、グリーンレタス、ルッコラ、タンポポ、名前は不明のオーストラリアの野菜、トマトなどの各種の野菜とマッシュルーム、クルミ、ジャガイモを入れたサラダで、オリーブオイルにコンフィした砂肝との相性も良く、ニンニク、バジルの味も良いアクセントになっています
前菜の『パルメザンチーズのリゾットとフォアグラのポワレ』(+¥800)は、焼き具合が良い上質のフォアグラに甘酸っぱいソース(マディラ酒とエシャロットをすり潰したもので作っています。)と粒胡椒を合わせていて、セルクルで固めたリゾットの上に載せています。パルメザンチーズの風味と甘酸っぱいソースの味がうまく溶け合い、フォアグラを引き立てています。

肉料理の『仔羊と南仏野菜のパイ包み焼き』(¥1,000)は、仔羊と細かく刻んだラタトュイユをほうれん草とパイ生地で包んでローストし、香味野菜と仔羊のジュを使ったソースを添えたものですが、仔羊の肉質が少しあっさりしすぎていて、香りも少ないように思います。仔羊特有の味や香りが好きな人には、少し物足りないかもしれません。付け合わせのほうれん草はとても存在感があります。
肉料理の『牛舌の煮込みとマッシュポテト』は、ビストロの定番のような料理で、洋食屋のタンシチューと見た目はあまり変わりません。ただ洋食屋のいかにもデミグラスソースといった、しつこい味付けではなく、赤ワインを煮詰めて、人参のピューレを入れたソースは上品に仕上がっています。

フロマージュの品揃えは8種類あり、AOCのブリ・ド・モー、モンドールなど、各タイプ1〜2種類で、選ぶ種類により価格が異なってきます。2種類で¥700でしたが、写真のように量が少ないと思います。レーズン、クルミ、杏入りのパン・ド・カンパーニュが添えられます。
パンは自家製の黒ゴマ入りの小さなパンで、お代わりも同じパンが温めてサービスされました。香ばしくてとても美味です。なおバターのサービスはなく、代りに豚のリエットが用意されるのはビストロ的です。

デセールは皿盛りのデセールから選びました。メニューを見ると、なかなかユニークなデセールが揃っていて興味を引かれます。シェフの末藤氏は、姉妹店の『アラジン』でデセールも担当していましたので、力を入れているのがよくわかります。
デセールの『チョコレートのムース ピスタチオのアイスクリーム添え』は、オーソドックスですが、温かいチョコレートのムースの甘さがほど良く、フレッシュな木苺とピスタチオのアイスクリームとの組み合わせはやはり最適です。
デセールの『晩白柚(ばんぺいゆ)のスープ仕立ての果肉の温かいゼリー』は、シェフの故郷の九州熊本産の果物(写真のバーカウンターの上に置いてある、土佐文旦を大きくしたような果物)を使ったゼリーで、皮をシロップに漬けて乾燥させた飾りを使った盛付けも丁寧です。甘さを控え目にして、ジュースを十分に生かしたゼリーの味は爽やかです。

ワインの品揃えですが、このクラスのお店としては充実していて、ボルドー赤(¥6,000〜¥65,000位)とブルゴーニュ赤(¥5,000〜¥45,000位)が、有名銘柄を中心として、それぞれ20種類位あり、ブルゴーニュ白(¥5,000〜¥25,000位)が十数種類、ロワール、アルザス、ボルドーの白がそれぞれ2〜3種類ありました。シャンパーニュ(¥8,000〜¥22,000位)も10種類位あります。レストランの価格としては少し高い印象を受けましたが、開店して日が浅いので仕方がない気もします。なお開栓料を払えば、ワインの持ち込みも可能です。

食後の飲物はエスプレッソ、コーヒー、ハーブティー(フレッシュではありませんが、ハーブを選択できます。)、紅茶を選べ、プティフールは小粒のトリュフでした。コーヒーのミルクを冷たいまま出してきたのは、ちょっと困ります。

◆その他の情報
このお店は広尾のフランス料理店『アラジン』(川崎誠也オーナーシェフ)の姉妹店で、98年11月にオープンしました。
「カシュ・カシュ(仏 cache−cache)」は、英語の「hide−and−seek」、つまり「かくれんぼ」のことです。

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