オー・シザーブル(フランス料理)


オー・シザーブル ◆場 所(港区六本木7−13−10)
六本木駅の4B番出口を出て、正面右手に見える第一勧業銀行六本木支店の角を右に曲がります。120m位進んで突き当りを左折(右手の角にレコード会社 エイベックスの運営する有名なディスコ ベルファーレがあります。)し、すぐ右手の角を右折して40m位進むと右手にレストランがあります。駅の出口から徒歩で3分位です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
地下鉄 日比谷線・大江戸線 六本木駅

◆電 話
03−3479−2888

◆営業時間
12:00〜14:00(ラストオーダー)
18:00〜22:00(ラストオーダー)
   日曜日休み

◆雰囲気
1978年に、箱根 オー・ミラドーのオーナーシェフ、勝又氏が開いた歴史のあるフレンチレストランで、勝又氏が箱根でオー・ミラドーを開業するにあたって、経営が代わりました。かって銀座 マノワール・ダスティンの五十嵐シェフ、広尾 アラジンの川崎シェフなど、現在は独立してオーナーシェフとなった人が、料理を担当していた時期もあります。
レストランは変化の早い六本木の飲食店街の奥の路地にあり、写真のような開店当初の外観で営業しています。

オー・シザーブル レストランに入ると小さなレセプション&カウンターがあり、その奥に厨房があります。右手には写真のようなインテリアの小さなダイニングルーム(最大28席ですが、通常は18席程度にしているようです。)があります。中央に大きな生花を飾った配膳台があり、壁に沿って逆L字型にベンチシートがあり、それに沿って2人掛けのテーブルが並んでいます。配膳台の後ろには、箱根 オー・ミラドーと同じような石造りの暖炉(暖炉の上にはいろいろなお酒が並んでいます。)がありますが、料理に使用しているかは不明です。暖炉の左隣りには厨房へのドアがあります。18席程度で使用している時は、通路も広く、テーブルの間隔もほどよく取れていますので、落ち着いて食事が楽しめます。
またダイニングルームの窓際(床まである窓のガラスは、アールヌーボー風なデザインのエッチングガラスを使用しています。)は、仕切り壁がある、少し独立した雰囲気のコーナーで、テーブルが二つあり、両サイドの壁沿いに一人用(詰めれば二人掛けもなんとか可能です。)のベンチシートが設えてあります。窓の外にはハーブなどの寄せ植えも置いてあり、テラス風な席でスペースも余裕がありますので、カップルにはお勧めです。

床は写真のような、歴史を感じさせるダークブラウンのフローリングで、壁はホワイトに近いクリーム色です。全体にこじんまりした、フレンチレストランらしい、エレガントで上品なインテリアで、六本木という先端的な街にあって、ここだけは時間が止まったかのような静かな雰囲気を保っています。1978年に開業してから大きな改装はしていないようで、高級フレンチレストランですので、天井のモールディングは塗り直されていましたが、今後補修が必要になってくるものと思われます。椅子はインテリアに合った英国風のクラシックなデザインのもので、クッションはほとんどありませんが、座り心地は悪くありません。
照明は、写真のような天井の間接照明の柔らかな明かりと絵画をライトアップするための明かりで、特にテーブルをライトアップすることはしていませんでしたが、充分な明るさを確保しています。

テーブルウェア関係は次の通りです。金属脚のテーブルにクロスを2枚掛け、食器はプレゼンテーションプレートが君島一郎デザインの深川製磁、料理用はナルミ、ヘレンドなどを使い、ティーカップ&ソーサーはV&A(ヴィクトリア&アルバート)、スポードなどを使っています。カトラリーはクラシックなデザインのラッキーウッド、ワイングラスはワインをボトルで注文すると大きな容量のものに交換してくれました。テーブルにはバラが一輪飾られています。

オー・シザーブル レストルームは上から2番目のダイニングルームの写真の左手奥に男女兼用で1室あります。あまり広くありませんし、壁も白の塗装仕上げですが、花柄の洗面ボウル、ゴールド色の水洗金具、三面鏡を使った洗面台は可愛く、液体石鹸とペーパータオルの用意があり、洗面台には花も飾られていました。また観葉植物も置かれています。

サービスに関してですが、マダムを含めて3名が担当していました。全体に歴史のある高級レストランらしく、丁寧で落ち着いたサービスで、客層も昔からフランス料理店を利用しているような上品な人が多いように感じます。マダムがダイニングルーム全体を目配りしているせいか、席が80%位埋まった状況で、料理の出される間隔も適度で、テーブルへの目配りも充分でした。またマダムがいろいろと話をしてくれますので、ダイニングルーム全体になごやかな雰囲気が漂っています。入出店時の対応も丁寧ですので、気持ち良く入出店できました。

◆価 格
ランチ
  ¥3,300/¥3,800
   (その他にパスタランチもあります。)
ディナー
 ディナーコース
  ¥7,000/¥10,000
    前菜二品、魚料理または肉料理、デセール、食後の飲物、プティフール
  アラカルトの主な価格帯
   前菜 ¥3,500〜¥4,500    魚・肉料理 ¥4,000〜¥7,500
   フロマージュ ¥800〜/デセール ¥800〜¥1,200
  サービス料10%

◆料 理
ディナーコースの料理は決まっていて、アラカルトも含めて全体に量は少なめです。コースの料理もアラカルトで用意している場合がありますので、お好きな料理があれば、かなり高くなりますが、アラカルトを選んだ方が良いと思います。アラカルトは前菜が数種類、魚・肉料理が数種類、デセールが数種類ほどです。季節にもよると思いますが、歴史の古いレストランらしく、メニューを見る限り、斬新なフレンチというよりは、オーソドックスなフレンチ(但し重たいソースではないようです。)を指向しているように感じます。

オー・シザーブル アミューズは、オリーブとフロマージュ風味のプティ・シューです。オリーブはタイムで味付けしてありました。

以下は、アラカルトの料理になります。
前菜の『雉子と栗のテリーヌ』は、大粒の栗と旬の雉が入った、小細工をしていないテリーヌです。予想されるようにあっさりした一皿で、付け合せの無花果の甘さがよく合います。
前菜の『秋トリュフと長いものサラダ仕立て』(デミポーション ¥3,000)は、長いものサクサク感とローックフォールチーズを微妙に効かせた塩加減がうまくバランスした一皿でした。ただトリュフの香りと味がもう少し生かされていればと思います。

肉料理の『子鳩のロースト 赤ワインソース』は、シンプルな盛り付けですが、黒米とワイルドライスが中に入っていて、そのもちもち感がなかなか印象的です。酸味を効かせた赤ワインソースはオーソドックスなこくのあるもので、赤ワインとの相性も良く、フィンガーボールもサービスされました。
肉料理の『北海道 羅臼産 ニ歳の牡 蝦夷鹿のステーキ 赤ワインソース』(¥6,000)は、養殖でないエゾ鹿を使った秋の特別料理です。クセがまったくないジューシーでとても柔らかい鹿肉で、火入れは写真のように大変良いものでした。鹿肉本来の旨味が充分ありますので、赤ワインソースはお好みで別に用意されましたが、特に必要と思いませんでした。こけももがお皿に盛り付けられていますので、これと合わせれば充分です。


以下は、コースメニューの料理になります。
前菜のガスパッチョは、初夏に相応しい定番の料理ですが、この酸味の効いたスープを最初に出されると、食欲が高まります。もう少し量が欲しいところです。
前菜の『フォアグラのソテー マデラワインソース』(アラカルトにも同じ料理がありました。)は、写真のようにおもしろい盛り付けで、玉葱で土手(?)を作ってその中心に上質なフォアグラを置き、回りにマデラワインソースをかけています。量は少なめで、意外と酸味が強めのソースは、好みが別れるかもしれません。

魚料理の真鯛のポワレ バジリコのソースは、量はたっぷりしていて、丁寧にポワレしてありました。良質な真鯛を使っていましたが、個人的には少し塩気が強いように感じます。なおタップナードも添えてありした。

パンは酒や葡萄の天然酵母を使った自家製のものをいくつか用意していて、なかなか美味で、温めてサービスしてくれます。高級レストランですが、パン皿の用意はありません。フロマージュは各タイプ1種類位で、全部で数種類ほどでした。

デセールは単品と盛合せがあります。盛合せはワゴンから好きなものを選択でき、フランボワーズのムース、洋梨のクラフィティ、ココナッツのアイスクリームなど、パティスリー、フルーツ、アイスクリーム・ソルベなどをそれぞれ2〜5種類位から選択できます。オーソドックスなデセールが多いですが、どれも上品な甘さで、楽しめます。
食後の飲物はコーヒー、紅茶、ハーブティーなどが選べ、プティフールもサービスされました。

ワインの品揃えは次の通りです。赤はボルドーの有名シャトーのものが80種類位、ブルゴーニュが50種類位、その他の地域が10種類位、白がブルゴーニュを中心として50種類位、シャンパーニュが十数種類あります。価格的には¥8,000〜¥40,000位ですが、主に¥15,000〜¥25,000のワインが多く、¥10,000以下のワインが少なく、選びにくいのが難点といえます。

◆その他の情報
席数が少ないので予約してから利用しましょう。
西麻布に、同じく箱根 オー・ミラドーの勝又シェフが1973年開業し、オー・シザーブルと一緒に経営が代わった、歴史の古い姉妹店『ビストロ・ド・ラ・シテ』(TEL 03−3406−5475)があります。

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