◆場 所(港区元赤坂1−5−8 虎屋第2ビルB1F) 赤坂見附駅のB出口(サントリー美術館前)から出て、四谷方面に向かいます。最初の角にあるガソリンスタンドを左に曲がって、100m位進むと、右手に虎屋第2ビルがあります。1Fに辻留の看板のある入口がありますので、階段を降りて行きます。駅から徒歩5分位です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 地下鉄 銀座線・丸ノ内線 赤坂見附駅 ◆電 話 TEL 03−3403−3984 ◆営業時間 12:00〜14:00 17:00〜21:00 日曜日休み ◆雰囲気 茶懐石料理で有名な『辻留』は、赤坂のオフィス街の一角にあります。ビルの左端にある入口を入り、地下に降りていくと玄関になります。オフィス街のビルの中にあるとはいえ、玄関の静謐で簡素な美しさを生かした佇まいは趣があります。 玄関ホールで靴を脱いで上がると、個室に案内(個室は4室あり、2名の利用でも、すべて個室での食事となります。)してくれます。玄関から見て、右手にお手洗い、右手奥に個室が2室、左手に個室が2室(1室は大人数で利用でき、料理塾でも使われているようです。)、左手奥に板場があります。 左手奥の8帖ほどの床の間付きの個室は、豪華な和室を期待すると裏切られるかもしれませんが、落ち着いた静かな雰囲気は、懐石料理を頂くに相応しいものです。床の間には千宗室の掛け軸が掛けられていました。畳縁は柄のないシンプルなもので、壁はベージュの土壁(?)仕上げです。照明は和風のペンダントライト、四角形のダウンライト、下の写真のフロアスタンド、床の間の間接照明と一般的なもので、食事をするのに充分な明るさを確保しています。 食器は当然和食器ですが、どれも品の良い、料理に適したデザインのものが選ばれているように思いました。日本酒(冷酒)はガラスの器が用意されます。 玄関隣のお手洗いは洗面台がふたつあり、ゆったりしています。壁は板目が美しい板張り仕上げで、天井は細めの竹を敷き詰めた風情あるものです。ところどころに竹で編んだ一輪挿しが飾られていて、洗面台には石鹸とティッシュペーパーの用意がありました。 お料理のサービスに関しては次の通りです。すべて個室の店ですので、サービスする側にとって難しい面がありますが、タイミング良く料理がサービスされ、お料理が幾つもテーブルに置かれるということはありませんでした。サービス自体もとても丁寧で、懐石料理を頂くに相応しいものです。料理を食べ終えると。辻義一氏が個室に挨拶に来てくれました。入出店時の送り迎えもとても丁寧で、タクシーの送り迎えも勿論してくれます。全体に高級店に相応しい落ち着いた品の良いサービスですが、高級店にありがちな堅苦しさは全くなく、居心地の良い雰囲気で、気持ちよく利用できました。 ◆価 格 昼食 松花堂弁当 ¥10,000 懐石料理コース ¥15,000/¥23,000/¥28,000/¥35,000/ 夕食 懐石料理コース ¥25,000/¥30,000/¥35,000/¥43,000 サービス料10% ◆料 理 この店の場合、料理は予約時におまかせで決めていますので、お品書きのようなものはなく、お酒などの飲み物も、お好みのものを相談して決めることになります。日本酒は数種類用意してありました。 料理は、旬の上質の素材の持つ滋味を充分に生かして調理されたもので、茶懐石料理(基本は一汁三菜です。)の伝統に相応しいものです。本膳料理と違うので、一品、一品はシンプルな盛り付けですが、食べ終えた後に清清しさを感じさせる、品のある料理だと思いました。写真の料理は、¥25,000の懐石料理コースのものです。量的には少なめと感じる人がいるかもしれません。 先付は「マコ鰈と雲丹を使った料理」で、雲丹は下味がついていますが、とろけるような味わいで、マコ鰈は新鮮なお刺身で、素材の持つ旨味、食感がとても印象的です。 椀盛は「松茸と鱧を使った料理」で、旬のものの取り合わせです。鱧の何とも言えない白身の魚が持つ味わいに松茸の香りがからまり、とても魅力的な料理です。汁の上品な味も素晴らしいと思いました。 八寸は「無花果を使った料理」で、なかなかユニークで印象に残る一品です。温かくて柔らかく形の整った無花果は甘さが抑えられ、胡麻の風味がたっぷりした田楽風に仕上げています。まるで無花果が茄子のようです。テレビで見たのですが、新宿の日本料理店では、注射器で出汁を無花果に注入して調理していましたが、同じ手法を使っているのでしょうか? 煮合せは「鰊を使った料理」で、香ばしくてとろけるような茄子が添えられていました。鰊は比較的オーソドックスな味付けです。 焼物は「鰆を使った料理」で、香りが印象的です。ふっくらと仕上げられた鰆は甘さが抑えられた上品な味でした 進肴(強肴)は「鶏のササミを使った料理」で、錦糸海苔や三つ葉がのせられています。鶏のササミは火入れが良く、薄味に仕上がられていて、素材本来の味が楽しめます。 留椀、御飯、香の物ですが、ふっくら炊けた白米の御飯の上には鱧の皮を煮たもの、生姜、紫蘇が入っていました。この御飯と具の素晴らしい調和はとても美味で、おかわりが欲しくなります。留椀は白玉の入った味噌汁で、八丁味噌と白味噌をブレンドして使っているのでしょうか? 水菓子は、一般的な果物で、旬の梨と巨峰でした。 最後に和菓子と抹茶を出してくれます。和菓子は甘さは当然控え目に仕上げていて、秋の七草、萩をつかったものでした。抹茶もとても美味しいので、懐石料理の最後を締めくくるに相応しいものです。 ◆その他の情報 明治時代からの懐石料理の老舗『辻留』三代目の主人、辻義一氏は20歳で料理人で芸術家の北大路魯山人のもとで修行した後、この『辻留』を引き継いでいます。 伝統的な懐石料理教える講習会を開催しています。 予約(必ず必要)時に、材料の仕入れの都合で、どのコースを選択するか決める必要がありました。 辻留のページへ |