オー・ミラドー(フランス料理)


オー・ミラドー
◆場 所(神奈川県足柄下郡箱根町湖尻159−15)
車で行く場合、東名高速御殿場インターチェンジで降りて、箱根方面に向かいます。仙石原交差点で芦ノ湖方面に向かいます。桃源台、湖尻を過ぎて数分進むと左手に別館のパヴィヨン・ミラドー(右写真)とオー・ミラドーの門がありますので、駐車場のあるパヴィヨン・ミラドーの方に入ります。ドアマンが誘導してくれます。
電車で行く場合、箱根登山鉄道(小田急線乗入れ) 箱根湯本駅から湖尻行 伊豆箱根バスに乗り、湖尻三叉路バス停で下車します。湖尻方向に歩くとすぐにオー・ミラドーの門があります。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
箱根湯本駅で湖尻行 伊豆箱根バスに乗り、湖尻三叉路バス停で下車。徒歩1分。

◆電 話
TEL 0460−4−7229/FAX 0460−4−7496

◆営業時間
12:00〜14:00(L.O.)/17:30〜21:00(L.O.)  水曜休

◆雰囲気
’86年に日本で最初のオーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)として話題となったオー・ミラドーですが、’97年には隣接地に別館パヴィヨン・ミラドー(宿泊施設・宴会場・バー)をオープン、’04年にはアジアンをイメージしたコロニアル・ミラドー(レストラン・宿泊施設)を隣接地にオープンしています。どの建物も独立しており、敷地内の通路を利用して行き来します。
オー・ミラドー
パヴィヨン・ミラドーに宿泊している人は、食事する時は隣のオー・ミラドーのレストランを利用することになります。またコロニアル・ミラドーには専用のレストランがあり、パヴィヨン・ミラドーに宿泊している人は、こちらのレストランで朝食となりました。

  パヴィヨン・ミラドーのツインルーム他

  コロニアル・ミラドーでの朝食

オー・ミラドーの建物に入ると二階までの吹き抜けになっていて、正面にレセプションと階段があり、奥に小さなウェイティングルームがあり、ディナーを頂く前にここの案内されました。ダイニングルームの入口はレセプションの左手になります。ダイニングルームはテラス部分と建物内の部分に別れています。テラス部分の方は全面ガラス窓の明るい雰囲気で、床は白のモザイクタイルです。椅子も白木のロココ風なデザインのクラシックなものです。クッションもしっかりした、座り心地の良いものでした。全体に南欧風の明るい雰囲気です。

建物内の部分は右の写真のように暖炉があり、椅子もデザインが異なり、床は大理石仕上げになっています。天井は素朴な木の梁があり全体的に山荘風なインテリアになっています。厨房は写真の暖炉の右手にあり、一応絵の目隠しで中が見えにくくなるように配慮しています。席の間隔は多少バラツキがあり、狭いところもあれば、余裕のあるところもあります。

築年数が経っているせいか、インテリア全体に多少古ぼけた印象があります。高級レストランですので、そろそろ部分的にリニューアルをしていく必要があるでしょう。
レストルームは、ダイニングルームを出て、フロント奥に男性用、女性用ふたつありますが、男性用はモダンなデザインのインテリアでまとめられていました。

オー・ミラドー テーブルウェア関連は以下のものを使用していました。テーブルクロスが白の二枚重ねで、ナプキンは50cm以上の大きさで余裕があります。サービスプレートはオリジナルの陶器、食器はメーカー不明のもの、フッチェンロイター、ノリタケ、ヴィレロイ&ボッホなど、カトラリーはクリストフルです。ワイングラスは容量の大きなもの、シャンパングラスは勝又シェフのオリジナルデザインのものでした。

照明はハロゲンランプのスポットライトを主に使い、ところどころにスタンドランプが置かれています。BGMは流れていませんでした。

サービスに関しては次の通りです。以前はシーズンの週末のディナー(二交代で予約を受付け)の利用で、若いサービス慣れしていないようなスタッフが一方的にメニューの料理を説明して、料理の運ばれてくるタイミングも早いなど、あまり好印象ではありませんでした。
夏のシーズンですが、週末でない日のディナーという条件での利用では、しっかりしたサービスで、以前の印象を覆してくれました。スタッフ全体の年齢が上がり、しっかりしたメートルが全体に目を光らせている印象で、メニューの説明、料理の運ばれてくるタイミング、グラスの飲み物の量のチェックなど、基本的なサービスは申し分なく、高級店に相応しいサービスと言えます。
お客様と会話を楽しむようなフレンドリーな対応や、食後の飲み物をパヴィヨン・ミラドーのテラスで頂くように勧めてくれるなど、堅苦しくないサービスもあり、気持ちよく食事が頂けました。
以前と違い、スタッフ全体がきちんとしたサービス技術を持っているように見受けられましたので、週末の利用でも、二交代で予約を受付けていなければ、気持ちよく利用できるように思います。
日本のリゾート地では、シーズン中の平日はゆったり、週末は大混雑の図式は、どこでも見られますが、日本で最初のオーベルジュでは、そのようなことにならないように希望しています。

◆価 格
ランチ  ¥4,200/¥7,500/¥11,000(サービス料・税込)
ディナー ¥11,550/¥15,015(サービス料・税込)
 ¥11,550のコースの構成
  アミューズ,前菜,スープ,魚料理,グラニテ,肉料理,デセール,食後の飲物,プティフール
 ¥15,015のコースの構成
  アミューズ,前菜二品,魚料理,グラニテ,肉料理,アヴァンデセール、デセール,食後の飲物,プティフール
  アラカルトはありません。

オー・ミラドー ◆料 理
コースの料理の内容は決まっていて、アラカルトもないので、高級店としては若干不満が残りますが、コースの構成はとても満足できるもので、どの料理の盛付けも美しい出来栄えです。食材は地元の野菜、軍鶏、魚介類の良質なものを使い、素材を生かした軽いソースで食べさせます。オリーブオイルもよく使いますので、春・夏は南仏系の料理と言えるでしょう。コースの量は肉料理が若干少ないですが、全体で見ると普通の人にはまずまずの量と思います。

アミューズは盛り合わせで、野菜のスープ、小魚のフリット、カナッペなどバラエティに富んでいます。野菜のスープは濃厚なクリームタイプで熱々でサービスされました。
前菜の『本日の鮮魚とアボカドのタルタル 小さな野菜と共に』は、旬のカツオとアボカドのタルタルで、アボカドは刻んだものではなく、ムース状に仕上げていました。塩味は適度で、カツオは多分若干火を入れて水っぽさをなくしていると思います。
スープの『青野菜の温製スープ 芦ノ湖マスとイカを添えて』は、ほうれん草のクリームスープで、少し塩味を濃い目にして食欲を高めていました。手前の赤い素材はスモークサーモンで燻製の風味が濃厚です。スープの中にイカ、桜エビ、ジャガイモが入っていました。

魚料理の『小野菜と本日のお魚のエスカロップ エストラゴン風味』は、カンパチを使っていて、表面はカリカリに仕上げています。エストラゴンの風味は控えめで、オリーブオイルを使ったソースの塩味は少し強めに感じました。
お口直しの『ジャスミンのグラニテ』は、ジャスミンの味、香りがとても魅力的で、口の中をサッパリさせてくれます。
肉料理の『仔牛腹身のコンフィ 野菜のブーケとトマトのファルシを添えて』は、コンフィと書いてありますが、何かに漬け込んだというよりも、ポトフーの牛肉の印象です。 マスタードが用意されました。主菜としては量が物足りないですが、添えられた野菜の香り、ジューシーなトマトとの相性は良く、全体の味のバランスは大変良いと思います。
パンは自家製の全粒粉パンで、なかなかおいしく、食べ過ぎる恐れがあります。バターではなく、アチェートバルサミコを入れたエキストラバージンオリーブオイルが用意されました。

デセールの『フロマージュブランのムースとフルーツの胡椒風味』は、とてもねっとりしたムース(甘さはかなり控えめ)でフロマージュをかなり使っています。添えられた胡椒は意外にもこのムースに良く合うばかりか、味を引き立ててくれます。ソースはオレンジを使っていて、甘酸っぱさのバランスが良いと思います。
デセールの『湯本ネーブルのシブースト』で、盛付け、使っている素材の新鮮さ、甘さのバランスがとても魅力的です。

食後の飲み物はコーヒー、紅茶、フレッシュハーブティーが選べ、プティフールのサービスもあります。席に余裕があれば、別館パヴィヨン・ミラドーのテラスやバーでいただくことができますので、優雅な食後のひとときを楽しむことができます。

ワインの品揃えはボルドーの赤が60種類程度、ブルゴーニュの赤が50種類程度、シャンパーニュが数種類と多く、価格もレストランとしては平均的ですので、ワインの選択に特に困ることはないでしょう。

◆その他の情報
冬のシーズンオフを除いて、週末は混みますので予約が必須です。
勝又シェフはオランダ、フランスで修行後、西麻布『ビストロ・ド・ラシテ』、六本木の『オー・シザーブル』をオープンさせてから、両店を売却して箱根に移り、この『オー・ミラドー』をオープンしています。クラブ・デ・トラントの会員です。

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