◆場 所(世田谷区奥沢6−19−6) 一般の住宅街の中のレストランですので、なるべく市販の地図を事前に参照してください。 【自由が丘駅から】 自由が丘駅の西口広場に出て自由が丘広小路街を通り、丸井自由が丘店のところで左折し、ガーベラ通りを玉川田園調布方向に向かいます。東急大井町線の踏切りを渡って、住宅街の道を500m位進み、「八幡小」の小さな交差点を右折してすぐの右手にレストランがあります。駅から徒歩10分位です。 【九品仏駅から】 自由が丘駅寄りの改札口(上りと下りの線路の中間にあります。)を出て右手に進みます。九品仏の商店街を150m位進み、左手のとみん銀行を越えて、次の角を左に曲がります。少し上り坂の住宅街の道を400m位進んだ左手の建物がレストランです。駅から徒歩7〜8分位です。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 東急電鉄 東横線 自由が丘駅 東急電鉄 大井町線 九品仏駅 利用したことはありませんが、東急東横線 田園調布駅からも徒歩10分程度です。 ◆電 話 03−3703−3355(FAX 03−3703−2233) ◆営業時間 12:00〜14:00/18:00〜21:00 月曜日休み ◆雰囲気 静かな奥沢の高級住宅街の日本家屋を改造したレストランです。エントランスの石貼りの美しい階段を上がっていくと古い日本家屋があり、玄関の土間から靴のまま上がるようになっています。正面がレセプションと階段(二階には6〜12名が利用できる個室があり、この個室も窓が広く開放感があります。)、右手に二番目の写真のウェイティングルーム(押入れにワインセラーが組み込まれています。)とレストルーム、左手にダイニングルームがあります。どの部屋も普通の日本間を改造していますので、和室に土足で上がる不思議な感覚です。 レセプションには英国の重厚な家具が置いてありますが、その上の壁にフランスで修行した時の、アヌシー湖畔の有名レストラン『オーベルジュ・ド・レリダン』のマルク・ヴェイラ シェフ来日時のサインがあります。またダイニングルーム入口付近の壁には、『ミシュラン』と並んで有名なレストランガイド『ゴー・ミヨ』のオーナー アンリ・ゴー氏来日時のサインがあります。 ダイニングルームとレセプションの間はガラスの仕切りがあり、ダイニングルームに入ると左手に日本庭園、右手奥に厨房への通路があり、ギャルソンが出たり入ったりしています。写真のように、床の間には大きな生花が飾られています。日本庭園は良く手入れされていて、夜は美しくライットアップされます。 ダイニングルームはそれほど広くありませんが、日本庭園側に少し張り出しており、その部分の天井はガラス(アクリル?)張りになっていて、天井はロールカーテン、窓は白のレースのカーテンが掛かっています。もし庭園側の席に案内されたら、この天井を支える木の梁の見事さに注目しましょう。現代の日本の住宅では、このような真っ直ぐで、長く太い木材はなかなか手に入らないと思います。 照明は天井付近にワイヤーを張り、そこに小さなハロゲンライトが取り付けられていて、テーブルをライトアップしています。エアコンも巧みに壁に埋め込まれていて、日本家屋の美しさを損なっていません。天井には黒のBOSEのスピーカーを取り付けて、クラシックのBGMを流していましたが、静かな音量ですので、気にならないと思います。 代官山 山手通り沿いの一軒家レストラン『マダム・トキ』(かってフジテレビ 『王様のレストラン』のロケで使用されました。)も外の回廊のアーチが美しく雰囲気は素晴らしいですが、こうした日本家屋をフランス料理店にリニューアルしても、とても印象的で「ハレの日」の食事にふさわしいと思います。 テーブルは金属脚のものを使用し、隣席との間隔はそれほど広くはありませんが、椅子はアールヌーボーなどの様式の、しっかりした座り心地のもの(イタリア製のようです。)を使用していて、床は薄いグリーンの絨毯敷きで、とても落ち着いた雰囲気にまとめられています。森重オーナーシェフの美意識が隅々まで行き渡っていることを感じます。 テーブルウェア関係は次の通りです。クロスは白と薄緑色の二枚、食器はヨーロッパのヘレンド、レイノーなどの一流品を使用していて、グラニテにはバカラのグラスも使われていました。カトラリーはクリストフルで、ボトルを注文すれば、ワイングラスはリーデルを使います。テーブルにはフィギュリーヌ、プティフラワー、ネーム入りのウエルカムカードも置かれていました。 レストルームは男性用、女性用(二室)の合計三室あり、女性客に配慮しています。男性用は広く、床はビニールシート、壁は吹き付け(?)で木を生かしたシンプルなインテリアです。液体石鹸、ペーパータオルの用意があり、洗面カウンターにはドライフラワーも飾られていました。BGMもダイニングルームと同じくクラシックの曲が流れています。 サービスに関しては、高級店にふさわしく、おだやかで丁寧なサービスです。以前訪れた時は、満席のためか、やや忙しない印象を受けましたが、席が2/3程度埋まった状況では、料理の運ばれてくる間隔、テーブルへの目配りも十分でした。料理やワインに関していろいろ質問しても丁寧に応対してくれます。手が空いていれば森重シェフとお話も可能ですし、出店時も森重シェフが丁寧に見送ってくれ、気持ち良くレストランを後にできました。 ◆価 格 ランチ ¥3,500/¥5,500/¥7,500 ディナー ¥7,000(アミューズ、前菜、主菜、デセール、食後の飲み物、プティフール) ¥9,000(アミューズ、前菜二品、グラニテ、主菜、デセール、食後の飲み物、プティフール) ¥12,000(アミューズ、前菜二品、魚料理、グラニテ、肉料理、デセール、食後の飲み物、プティフール) アラカルトはありません。サービス料 10% ◆料 理 ラ・ビュット・ボワゼの料理は、生産者や生産地のわかっている素材しか使わないという、森重シェフの食材へのこだわりから、産地を銘記した鮮魚、三島の有機野菜といった上質の素材を、ハーブやソースを使って素材本来が持っている旨みや香りを巧みに引き出しています。シェフ自身が蓼科などの山を歩いて手に入れた山野草を使うこともあります。このような体に優しいフランス料理は、バター、ミルク、フォンをたっぷり使った濃厚なソースのフランス料理に慣れていない人には、とても親しみやすく感じられるでしょう。盛り付けも写真のように大変美しく繊細です。 どのコースの料理も、基本的に内容が決まっていますが、苦手なものがあれば、他のコースのものと交換は可能です。ただ選んだ料理によっては、差額が必要なこともあります。 アミューズは、茨城県大洗から届いた「めひかり」という魚を揚げたものに、タプナード(アンチョビ、黒オリーブ、ニンニクなどをすり潰して、オリーブオイルで和えたもの)を添えたものです。特にクセのない魚で、食前酒と良く合い、タプナードが良いアクセントになって、食事のスタートにふさわしい一品でした。フロマージュ風味のシューも添えられていました。 前菜の『金沢八景の穴子と茄子の冷製グリーンピースのスープ仕立て』は、たっぷりした冷製グリーンピースのソースが見た目も涼しげで、食べてみると、グリーンピースのまろやかな美味しさが口の中に広がります。白焼きの穴子の火入れも良く、コンソメジュレが良いアクセントになっています。茄子の存在感が少し弱いのが残念ですが、キュウリやミョウガの歯ごたえも穴子を引き立てていると思います。 お口直しは、『3年前に漬け込んだ庭の白加賀梅のグラニテ』で、日本庭園の写真にもある、樹齢100年はあるという梅の木から採れた梅を使った爽やかなグラニテです。 肉料理の『仔羊のポトフー仕立て エストラゴン風味 広川さんの有機野菜添え』は、仔羊の脳味噌と腎臓も付け合せてありますが、仔羊独特の風味をコンソメを使って滑らかな味にしていますので、内臓系が苦手な人でも特に気にならないと思います。野菜自体もしっかりした味がと歯ごたえを残していて、上品なポトフーに仕上がっていました。 フロマージュ(¥1,200)は、フェルミエから仕入れていて、保存状態の良いフロマージュが10種類あり、各タイプを満遍なく揃えています。フロマージュと相性の良いクルミとプラムを練りこんだ自家製パン(温めてありました。)もサービスされました。 デセールの『長野産巨峰のデザート マンゴーのソース 青リンゴのシャーベット添え』は、マンゴーのソースが巨峰と合うか、食べる前は心配でしたが、全くの杞憂で、デラウェアも使ったデセールは葡萄好きには魅力的なデセールです。もう少し量が欲しくなるほどです。付け合せの青リンゴのシャーベットと大きなスペアミントは爽やかの一言です。 食後の飲み物は、エスプレッソ、コーヒー、紅茶、フレッシュ・ハーブティー(三島落合ハーブ園のハーブを使用 +¥300)が選べ、プティフールも、かなりの分量でサービスされました。 パンは自家製で数種類用意してあり、温めてサービスされました。ケシの実のパンや岩ノリを使ったパンなどはとても美味です。バターはエシレではありませんが、シェフが選んだボルドーの無塩バターを使用していました。 ワインの品揃えは次の通りです。ボルドー赤が30種類強(¥9,000〜¥50,000位)、ブルゴーニュ赤が20種類弱(¥8,000〜¥20,000位)、その他の地方が10種類弱、白は30種類弱(¥8,000〜¥20,000位)で、その内ブルゴーニュ白が15種類位あり、シャンパーニュも10種類強(¥7,000から¥35,000位)、ハーフボトルも三十数種類と、とても充実しています。価格もレストランとしては平均的です。また食前酒もオリジナルのカクテルからノンアルコール・カクテルまで種類が豊富で、専用のメニューがあります。 ◆その他の情報 車で行く場合、店に3台分の駐車場があります。予約はできなくて先着順になります。 レストラン名の『ラ・ビュット・ボワゼ』は、『小高い丘にある樹木で囲われたレストラン』という意味です。 オーナーシェフの森重氏は、86年に渡仏、『ルキャ・カルトン』、『オーベルジュ・ド・レリダン』、『ピエール・ガニェール』などのミシュラン三ツ星店で修行後帰国、箱根の『オー・ミラドー』のスーシェフ、小田原の『ステラマリス』のシェフを努めた後に、このレストランを開店しています。 ラ・ビュット・ボワゼのページへ |