ザ フジヤ 富士屋ホテル(フランス料理)


ザ フジヤ 富士屋ホテル
◆場 所(神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359 富士屋ホテル)
箱根登山鉄道の宮ノ下駅を降りて、駅からの小道をしばらく進むと、国道1号線に出ます。1号線の道路を仙石原方向に進みます。数百m進んだ左手に富士屋ホテルがあります。敷地内の坂を上ってホテルの入口に入り、正面の階段を上がるとフロントロビーで、右手のレストラン棟に進むとザ フジヤがあります。駅から降りて、ホテルの入口まで徒歩7分位です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
箱根登山鉄道 宮ノ下駅

◆電 話
TEL 0460−2−2211/FAX 0460−2−2210(ホテル代表番号)

◆営業時間
7:30〜9:30(朝食)
12:00〜14:00(平日)・12:00〜14:30(土、日、祝日)/ 17:45〜20:30
 年中無休

◆雰囲気
富士屋ホテルは明治時代に主に外国人のためのリゾートホテルとして開業した、箱根宮ノ下のクラシックホテルです。ホテルには第二次世界大戦後建てられた建物もありますが、ほとんど戦前の建物で、中でも登録文化財に指定されている、昭和11年に建てられた「花御殿」は有名です。

花御殿のデラックスツインルーム
(部屋の広さは十分で、趣のあるゲストルームですが、家具、建具、床などにかなり傷があり、補修をした方が良いと思います。しっかりした造りですので、細部を補修するだけで十分魅力的なゲストルームに生まれ変わります。)

高台にある一番新しい(といっても1960年の建物ですが)フォレストロッジのデラックスツインルームは部屋が広く、ベッドも大きく、建具や家具もさほど傷んでなく、バスルームもきれいでした。眺めも良いので、新しい部屋の方がいい人はこちららを選択した方が良いと思います。

フォレストロッジのデラックスツインルーム

ホテルには別館菊華荘(皇室の元宮ノ下御用邸 登録有形文化財)の日本料理を含めて、レストランが幾つかあり、同じレストラン棟(写真の右端の建物)には洋食とグリル料理のカジュアルレストラン「ウイステリア」(ザ フジヤの下のフロアにあります。)もあります。

ウイステリアのディナーのアラカルトの料理

ザ フジヤ 富士屋ホテル ザ フジヤはこのホテルのメインダイニングで、レストランは昭和5年(1930年)に建てられ、重要文化財に指定されています。レストランのレセプションの手前に重要文化財指定の書類が掲示されています。
レセプションで予約をチェックし、レストランの中に入ると、高山植物や花鳥が描かれた格天井と彫刻が目に入ってきます。日光東照宮本殿をモデルにしたと言われており、独特の和洋折衷のインテリアは独創的、個性的で、強い印象を残します。
天井は高く(ダイニングルームの中央付近を境に、南側は北側より天井が高くなっています。)、テーブルの間隔もゆったりして、ゲリドンサービスがしやすくなっています。ダイニングルームは長方形で見渡しが良く、150名位は一同に会食できるのではないでしょうか?
床はダークブラウンのフローリングで、壁は木張りで装飾がありますが、窓が広く取られているので、周囲の緑が目に入り、リゾートに相応しい開放感があります。
使われているテーブルは、しっかりした造りで、椅子は欧米人に配慮して座面が高いので、女性の方は深く腰掛けると、足がつかない恐れがあります。

テーブルウェア関連は以下のものを使用していました。ピシッとクリーニングされた白のテーブルクロスが二枚、ナプキンもしっかりした生地です。食器はノリタケ、大倉陶園などが使われており、メインディッシュ、デセールなどに使われる大倉陶園の食器は、ザ フジヤ、オリジナルのものでした。(下記の料理の写真で見ることができます。)最近のレストランでは、シェフの美しい盛り付けを見せたいがためなのか、白の食器ばかり使われる傾向がありますが、富士山の景色が描かれた大倉陶園の食器は、白の食器では真似の出来ない品格を料理に与えていると思います。
カトラリーは富士屋ホテルのロゴの入った国産のもので、グラスはワイン、シャンパーニュに合わせたものを用意してくれました。

照明は格天井の間に小さなライトが多数組み込まれていて、壁にはブラケットもあります。全体の明るさは十分で、ハロゲンランプのスポットライトのような強い光ではなく、おだやかなな感じの照明です。BGMは流れていません。

一番近いレストルームはザ フジヤを出て少し進むと、下のフロア(レストラン ウイステリア、バー ヴィクトリアのあるフロア)に降りる階段があり、降りるとすぐのところにあります。

サービスに関しては次の通りです。リゾートホテルの高級フレンチレストランらしく、レセプションの対応、席への案内はスムーズでした。料理、ワイン選択のアドバイスも丁寧で、70%位席が埋まった状況で料理の出される間隔は適度でした。席数が多いので、テーブルへの目配りは完璧とは言えませんが、ホテルのレセプションを含めて、温かみのある笑顔のサービスは、いつ利用しても気分が良いものです。
以前、スイスのホテル学校の研修生が大勢来日し、フロアのサービスを担当していましたが、このホテルのレストランなら研修に値すると思います。

◆価 格
ランチ  ¥4,000/¥5,500/¥8,000/¥10,000
ディナー  ¥10,000/¥13,860/¥17,325/¥20,000
 アラカルトの主な価格帯
  前菜・スープ ¥1,000〜¥3,500/主菜 ¥2,600〜¥8,000/デセール ¥600〜¥1,800

ザ フジヤ 富士屋ホテル
◆料 理
「伝統のフランス料理」と謳っているレストランらしく、メニューに掲載されている料理はオーソドックスで、ランチにはカレー、洋食もあります。都内の街場のフレンチレストランとは全く異なります(同じ箱根にあるオー・ミラドーの料理とは対極にあります)ので、マイナスなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、堂々と古典的な料理を前面に打ち出すレストランの姿勢には、自信が伺えます。使われている素材は吟味され、素材の持ち味を生かした料理で、重たい古典料理とは一線を画しています。ただコースのメイン料理は牛ヒレ肉の料理となってしまい、コース料理の構成から、結婚披露宴的なメニューと思われるかもしれません。

以下の料理は、季節のディナーコースのものです。
前菜の『シマ鯵のマリネ と トマト緑胡椒風味ソース』は、鮮度の良いシマ鯵を軽くマリネした料理で、ソースも軽く仕上げてあり、夏に相応しい爽やかな前菜でした。
前菜の野菜と帆立貝のテリーヌは夏に相応しい見た目も鮮やかテリーヌです。ソースはトマトベースでさっぱりしています。

スープの『冷製スープ パリ・ソワール』は、下にコンソメジュレがたっぷり入ったヴィシソワーズです。ジャガイモの風味はと生クリームとのバランスは良かったですが、コンソメジュレはもう少しコンソメ風味が欲しいと思いました。
スープのエンドウ豆のスープは、クリーミーで豆の風味豊かなスープで、自分で好きなだけお皿に取ることができました。

魚料理の『アイナメのポワレ クスクス添え 二色ソース』は、旬のアイナメを生かしたオーソドックスな料理でした。火入れは良く、外側はカリッと中はフワフワに仕上がっていました。クスクスはアイナメの下に敷いてあります。二色ソースとメニューに書いてありましたが、赤ピーマンを使った一色のソースのように思われましたが。
魚料理の真鯛のポワレは、魚料理の定番中の定番のような料理できれいに整形された真鯛は上質です。ソースはブールブランということでしたが、少し辛めに仕上げてありました。

肉料理の『牛ヒレ肉のグリル クネル添え マデラソース』は、火入れがBESTといって良いグリルで、ヒレ肉も柔らかく、旨みのある牛肉でした。ソースはオーソドックスなマディラ酒ベースで、味付けは申し分ありません。付け合せの野菜はどれも素材本来の味がしっかりとでています。
肉料理の牛ヒレ肉のソテーは、エンドウ豆のスープと同じように、自分でソースをかけます。ヒレ肉の火入れは指定した通りでしたが、肉質は少し固めでした。

肉料理の付け合せのサラダとして『人参のサラダ オレンジ風味 と アンディーヴ』が用意されました。ドレッシングはフレンチ、イタリアン、ホテルオリジナルのトマトベースのものなどが選べます。
パンはホテルメイドのものを数種類用意してありました。どのパンもオーソドックスなマイルドな味付けで、料理の味の邪魔をしません。

デセールの『パリ ブレスト に フルーツ と シャーベット添え』は、伝統的なデセールのパリ ブレストですが、小さめにきれいな形に仕上げられていて、アーモンド風味は控え目です。ジューシーな木苺のシャーベットが添えられます。
デセールのパッションフルーツのシャーベットとカスタードクリームは果実風味豊かで、カスタードクリームは甘さなど味のバランスは良いのですが、オーソドックスなデセ−ルすぎて、何か物足りなさを感じることもあります。

食後の飲み物は、コーヒー、紅茶などが選べます。プティフールのサービスはなく、コーヒーはデミタスカップで出されました。

◆その他の情報
リゾートなので、週末は早めにレストランの予約した方が良いでしょう。シーズン中のディナーは予約時間が決められています。チェックインの時に指定することになります。
ホテルのWEBサイトからオンラインで宿泊の予約ができます。

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