◆場 所(東京都文京区関口2−10−8 3F) 最寄の江戸川橋駅からは10分ほど急な坂を上らなければならず、利用される人は少ないと思います。JR山手線目白駅からタクシーまたは都バスを利用するのが現実的です。レストランは3Fにありますが、フロント・ロビーのあるフロア(3F)なので、ホテルの正面玄関から入り、左手奥に進み、庭園を右手に眺めながら広い廊下を進むと、突き当たりにレストランがあります。 地図はこちらです。 ◆最寄り駅 地下鉄有楽町線 江戸川橋駅 ◆電 話 TEL 03−3943−6936(直通) ◆営業時間 6:30〜11:00 12:00〜14:30 17:30〜22:00(コースメニューのみラストオーダー21:30) 年中無休 ◆雰囲気 「イル・テアトロ」は藤田観光が所有するフォーシーズンズホテル椿山荘東京にある高級リストランテで、かって高級リストランテ「ビーチェ」(汐留に移転)があった場所にあります。フォーシーズンズホテル椿山荘東京はホテルの規模のわりにレストランが少なく、中国料理の「養源斎」も閉店して(空きスペースはスパに転換)、レストランは三店舗(他はカジュアルレストランと日本料理)のみとなります。そのため「イル・テアトロ」はメインダイニングとして朝食の営業も行っています。「イル・テアトロ」の名前はフォーシーズンズホテル ミラノ(修道院を改築したラグジュアリーなホテルとして有名です。)のメインダイニング「イル・テアトロ」から名づけられています。 フォーシーズンズホテル椿山荘東京は、他の都市型高級ホテルに比べて広い敷地を生かして、広々した客室、美しい椿山荘の庭園、温泉(温泉水を運搬してきています。)のある大規模なスパで有名です。しかし立地が東京のビジネスセンターから離れており、日本橋、丸の内、汐留、六本木などに海外ブランドの高級ホテルが続々と進出してきている状況の中、「フォーシーズンズ」というラグジュアリーなブランドがあっても、客室の営業は厳しいように思われます。有名な中国料理のレストランを閉店させてスパを拡張し、都会のオアシスとしてリゾートホテル的な面を強化しています。スパには、温泉浴室、温水プール、ジャクジー、露天ジャクジー、ミストサウナ、ドライサウナ、フィットネスルームなどがあり、東京のホテルでは最大級の規模を誇ります。 デラックスルーム ツイン キング(ガーデンビュー 60m2) 椿山荘の美しい庭園 豪華なスパ 日本料理「みゆき」の朝定食 フロント・ロビーから広い廊下を右手の庭園を眺めながら歩いてレストランに向かうと、途中に男性用・女性用のレストルーム(大理石をふんだんに使った、広々した豪華なレストルームです。)があり、さらに進むと廊下の左手にカジュアルダイニング「シーズンズ・ビストロ」があり、さらに進むと「イル・テアトロ」があります。 レストラン入口のレセプションで予約をチェックしてもらい、奥に進むと、ダイニングルーム(個室を含めて100席ほどあります。)となりますが、大きな柱があるので、奥までは見通せないようになっています。 写真のようにベージュの木の落ち着いた新古典風なデザインの壁、ブルーグレーの柄の入った絨毯、しっかりした造りの肘掛のついた椅子など、高級リストランテに相応しいインテリアです。通路も広く取られ、ダイニングルームの中央には大きなモダンな フラワーアレンジメントが飾られていました。 テーブルウェア関連は以下のものを使用していました。しっかりした造りのテーブルの上にはクッションシートがあり、その上にテーブルクロスが1枚で、食器はプレゼンテーションプレートはロワイヤルリモージュ、一般の食器はローゼンタール、ノリタケでした。カトラリーはクリストフル、ワイングラスはスピゲラウで、テーブルの上にはプティフラワー、アルコールランプも置かれています。なおおしぼりのサービスがありました。 照明はシャンデリア、ブラケット(多分どちらもベネチアングラスでしょう。)、ダウンライトが使われ、全体にフラットな照明で、落ち着いた明るさでした。BGMは流れていませんでした。 サービスに関しては次の通りです。高級リストランテに相応しく、落ち着いた品の良い丁寧なサービスでした。レセプションの対応、席への案内はスムーズで、席が70%程度埋まった状況でテーブルへの目配り、料理の出される間隔とも申し分ありません。料理やワインのアドバイスは多少物足りないでしたが、どのスタッフもおだやかで親切な対応で気持ちよく利用できました。 ◆価 格 ランチ (平日)¥4,000〜/(土日祝)¥5,000〜 ディナー ¥12,000〜 アラカルトの主な価格帯 前菜 ¥3,000前後/パスタ・リゾット ¥3,000前後/主菜 ¥5,000〜6,000 ◆料 理 高級ホテルのメインダイニングはフレンチが多いですが、こちらのホテルでは開業当初からイタリアンでした。「ビーチェ」が撤退してから「イル・テアトロ」に変わりましたが、フレンチを意識した洗練されたイタリアンというスタンスは変わらないようです。使われている素材は吟味され、いろいろな食材を駆使して、シェフのアイデアで見事に組み立てられた料理はとても魅力的です。盛付けも丁寧で高級リストランテにふさわしいと思います。 コースの料理は一品の料理の量は少なめで、コースによっては普通の人には若干量が少なく感じるかもしれません。 以下の料理はコースのものです。 アミューズの温かいカボチャのスープと牛タンのスモークは、甘みのあるスープと柔らかい牛タンの組合せはなかなか魅力的でした。 アミューズのサラミは強い香りを持っていて、食欲を高めてくれます。 アンティパストの『トロ鮪のミルフィーユ仕立て カラスミ添え シチリア風シトラスドレッシング』は、トロのまったりとした味とシトラスの爽やかな味がうまくとけあっていました。カラスミの塩味もとても良く、盛り付けもきれいです。 アンティパストの『フォアグラのソテー、真鯛のスモーク、セロリラブ、ウンブリア産黒トリュフのミルフィーユ タジャスカオリーブのソース』は、上質なフォアグラを甘い黒トリュフのソースで食べさせるミルフィーユ仕立ての料理です。真鯛のスモークはねっとりした食感でフォアグラによく合います。香りも良く、魅力的なアンティパストでした。 スープの『ズワイ蟹と車海老のスープ ポルチーニのフリットを浮かべて』は、ズワイ蟹と車海老がたっぷり入り、風味も良いスープでした。ポルチーニをフリットにすることで旨みが逃げないで頂けます。 パスタの『茄子のカポナータを詰めた自家製ラヴィオリ セージバターとバジル風味のソース』は、ラヴィオリの中に茄子のカポナータと一緒に干しぶどうと松の実が入っていました。干しぶどうの甘さが印象的で、ソースはクリーミーなバジル風味で、ドライトマトが素敵なアクセントになっています。 パスタの『バローロを練り込んだタリオリーニパスタ なめらかな西洋ゴボウのピューレと鳩のグレイス ソテーした小鳩を乗せて』は、贅沢にもバローロを練り込んだ生パスタは西洋ゴボウと小鳩との相性は良く、野性味と洗練がバランス良く調和した料理です。量が少な目なので、もう少し欲しくなりました。 魚料理の『スズキのロースト エシャロットのオーブン焼きとブロッコリースプラウトのソテー添え 空豆のピューレと共に』は、オーソドックスな魚料理で、上質なスズキの火入れも良く、下にモッツアレラチーズが敷いてありました。空豆のピューレの塩加減は少なめで、全体にやさしい味付けです。 肉料理の『仔牛ホホ肉のブレゼ ソテーしたポレンタと有機野菜添え』は、主菜にしては量は少なめでした。前菜やパスタに比べるとオーソドックスな料理で、仔牛ホホ肉はもちろん柔らかく仕上げてあります。味付けもオーソドックスです。 パンは数種類用意してあり、どれも香ばしく料理との相性も良いのですが、食べ過ぎる恐れがあります。グリッシーニも用意してあります。 ドルチェの前にサービスとして苺のソースがかかったミルクのプリンが出されました。 ドルチェの『オリジオナルティラミス コーヒーアイスクリーム添え』は、ユニークな盛り付けで、ティラミスには見えません。ティラミスはコーヒー風味で、洗練されています。円錐の形はシリコンの型で作られていて、スプレー塗装されています。コーヒーのアイスクリームの味も申し分ありません。 ドルチェの『マロンクリームのタルト 赤ワインとあまおうのジェラート グラッパのソース』は、全体に甘さを控えめにしていました。あまおう苺のジェラートはジューシーで、タルトはマロンの風味がたっぷりしていましたが、食後のフィナーレを飾るにしては量的に少なめに感じます。 食後の飲み物はコーヒー、紅茶、ハーブティーなどが選べ、プティフールもサービスされました。 ◆その他の情報 窓際の席は庭園を眺められるので、早めの予約が必要です。 室料が必要ですが、個室が二室あります。 フォーシーズンズホテル椿山荘東京のページへ |