アニ(仏 anis)/アニス(英 anise) 種子が甘い香りを持つセリ科の一年草の香草です。独特の甘い香りを生かしてお菓子やペルノーなどのリキュールの香りづけに使われます。 ヴィネグール(仏 vinaigre)/ヴィネガー(英 vinegar) 英語のヴィネガーでおわかりのように、お酢のことです。フランス料理ではワインをアルコール発酵させたワインヴィネガーを使います。最近のイタリア料理ブームで有名になり、どの食品売場にも置かれるようになったアチェート・バルサミコ[香り豊かな酢](伊)も一般のワインヴィネガーと製法は異なりますが、モデナ州で生産される長期熟成のヴィネガーです。 エストラゴン(仏 estragon)/タラゴン(英 tarragon) セロリのような香りとおだやかな苦みを持つキク科の多年草の香草です。フランス料理によく使われる香草ですが、ハーブティーにして飲んだり、ハーブバスにも使われます。 エピス(仏 epice)/スパイス(英 spice) 英語のスパイスでおわかりのように、香辛料全般を指します。種実などを乾燥させたものが一般的です。 エルブ(仏 herbe)/ハーブ(英 herb) 英語のハーブでおわかりのように、香草のことです。乾燥させたものもありますが、フランス料理やイタリア料理のレストランでは生の香草が使われます。 オゼイユ(仏 oseille)/ソレル(英 sorrel) 葉や茎に酸味を持つタデ科の多年草の香草です。三つ星レストラン『トロワグロ』の有名な『ソーモン・オゼイユ(仏)』は鮭をフライパンでソテーし、ソース・ヴァン・ブラン(白ワインソース)とオゼイユ、生クリームで仕上げた料理です。 カネル(仏 cannelle) シナモンのことです。どちらかというとフランス料理ではお菓子に使われるスパイスですが、ローリエと同じくクスノキ科の常緑樹の皮を乾燥させたものです。アップルパイには粉状にしたものを使いますが、コーヒーのカプチーノには粉状のものをかけたり、スティック状にしたものを添えたりもします。 キュマン(仏 cumin)/クミン(英 cumin) 独特の強い香りを持つ、カレー粉の原料にもなる香辛料です。若干の辛み、苦みがありますが、強い香りを生かしてミートソースなどの香り付け、チーズ料理にも使われます。 グラス・ド・ヴィアンド(仏 glace de viande) ハウス食品のTV CMで中村吉右衛門がしゃべって有名になった(?)言葉ですが、フォン・ド・ボー(仏)を煮詰めたもので、家で肉料理のソースのベースに使いたいときは、濃厚なソース状にしたものが市販されています。 クルー・デュ・ジロフル(仏 clou de girofle)/クローブ(英 clove) クローブ(丁子 ちょうじ)の花の蕾を乾燥させたもので芳香があり、ビーフシチューやコンビーフなどの肉料理に使われます。 クレッソン(仏 cresson) ステーキなどの肉料理に付け合わせられることの多いアブラナ科の多年草の香草です。独特のピリッとする苦みから、オランダガラシ(和名)とも言われますが、ビタミンCが豊富でサラダにも使われます。 コライユ(仏 corail) エビやカニの甲殻類の内臓、いわゆるみそと呼ばれる部分です。フランス料理では日本のように酒の肴にそれ自体を食べることはほとんどなく、旨味を引き出すためにソースに入れたりして使います。 コリアンドル(仏 coriandre)/コリアンダー(英 coriander) セリ科の一年草の香草で、葉は独特の臭いがありエスニック料理に、熟した実は快い香りがするので料理やお菓子、リキュールの香りづけに使われます。 サフラン(仏 safran) 南仏料理のブイヤベース、スペイン料理のパエリアに欠かせない素材です。アヤメ科の球根植物でメシベを乾燥させて使いますが、一つの球根から少ししかメシベは取れないので高価な調味料です。秋植え球根なので9月頃から園芸店で球根が売られます。寒さにも強くプランターでも地植えでも栽培は容易です。 シブーレット(仏 ciboulette)/チャイブ(英 chive) ユリ科の多年草の香草で、アサツキに似た風味を持っています。ミジン切りにして魚料理の薬味にしたりスープに入れたりします。 シュクル(仏 sucre)/シュガー(英 sugar) 英語のシュガーでおわかりのように砂糖のことです。フランス料理ではお菓子以外の料理で砂糖を使うことはほとんどありません。 ソージュ(仏 sauge)/セージ(英 sage) シソ科の多年草の香草で薬草としても古くから使われてきました。ソーセージのセージはこの香草を使うことから名づけられたとも言われています。肉の煮込み、ハンバークには欠かせない香草です。 ゼスト(仏 zeste)/ゼスト(英 zest) 柑橘類の皮のことで香りづけしたい時に使います。 セル(仏 sel)/ソルト(英 salt) 英語のソルトでおわかりのように、塩のことです。最近はヨーロッパ各地方の塩もデパートの食品売場で容易に手に入るようになりました。ヨーロッパの場合、岩塩(セル・ジェーム 仏 sel gemme)も豊富にありますので、フランス料理では子羊などを岩塩で固めて(塩釜にして)オーブンでローストするような贅沢な料理法もあります。一般に岩塩はミネラル分が豊富で味がまろやかと言われています。 セルフィーユ(仏 cerfeuil)/チャービル(英 chervil) セリ科の一年草の香草で、グルメパセリの別名があるようにパセリに似た香草です。ソースやドレッシング、またスープの飾りによく使われます。 タン(仏 thym)/タイム(英 thyme) シソ科の多年草の香草で細かい葉を持っています。ロマラン(仏)/ローズマリー(英)ほどではありませんが、香りが強いので、子羊などと合わせたり(子羊のロースト タイム風味など)、クラムチャウダーに入れたりします。 チャトニー(英 chutney) 日本ではチャツネと普通呼ばれていますが、マンゴーなどの果物をいろいろな香料とともに煮た甘辛いインドの調味料です。仏語では適当な言葉がないですが、英→仏の辞書では、香味料、薬味の意味の(仏)condimentになります。 ノワゼット(仏 noisette) はしばみの実(Hazel−nut 英)のことで、ブール・ノワゼット(仏)という場合は、はしばみの実の香りが出るくらいに色をつけたバター(焦がしバター)のことを言います。またノワゼットには丸い形に切り取った肉の意味もあります。 バジリック(仏 basilic)/バジリコ(伊 basilico)/バジル(英 basil) イタリア料理の『バジリコのスパゲッティ』でおなじみのシソ科の一年草の香草です。いろいろな品種がありますが、一般的にはスイートバジルが使われます。パスタ・ピッツァは勿論のこと、魚・肉料理にもよく使われます。 パプリカ(仏 paprika) 辛みがあまり強くないハンガリーの赤唐辛子のことです。通常乾燥させて粉末にしたものを使い、料理を赤く着色したり、サラダなどに振りかけることもあります。 フィーヌ・ゼルブ(仏 fines herbes) 細かくした香草の意味ですので、本来は香草をみじん切りにしたことを指しますが、単にいろいろな香草をミックスすることの意味にも使われます。 フォン・ド・ボー(仏 fond de veau) 仔牛の肉を煮込んで作った出し汁のことですが、主に仔牛のスネ肉を使います。そのまま料理のソースには使われませんが、ソースの味のベースとなるので重要です。業務用には缶詰もありますので、手を抜いた店では缶詰を使っている可能性があります。 フヌイユ(仏 fenouil)/フェンネル(英 fennel) 葉がレース状に密生するセリ科の多年草の香草です。魚料理によく使われますが、カレー粉の素材としても使われます。 フュメ・ド・ポワソン(仏 fumet de poisson) フォン・ド・ボーと同じように、そのまま料理のソースには使われませんが、魚料理のソースの味のベースになる魚の出し汁のことです。魚を砕いて水や白ワインでじっくり煮込み、漉してできます。家で使いたいときは、顆粒状にしたものが市販されています。この言葉もハウス食品のTV CMで中村吉右衛門や『シェ・イノ』の井上旭シェフがしゃべって有名になった(?)言葉です。 ブール(仏 beurre)/バター(英 butter) 英語のバターでおわかりのようにバターのことです。ヌーベル・キュイジーヌ、地中海/プロヴァンス料理の流行によりフランス料理でバターを使う量は減りましたが、今でもソースの味のベースとなる重要な素材です。また近年フランスの発酵バターが輸入解禁され、フランス料理店のパン用に発酵バター[有名なメーカーはエシレで通常”Echire”と書かれた白い陶器に入れて出されます。]が出されるようになりました。 ペルシ(仏 persil)/パースリー(英 parsley) 日本語ではパセリと呼ばれる、よくご存じのセリ科の二年草の香草です。縮んだ葉と茎を料理の付け合わせとしてよく使いますが、葉を刻んでスープや料理に入れることもあります。葉が縮んでいないイタリアンパセリの葉はイタリア料理の彩りによく添えられます。 ポワヴル(仏 poivre)/ペッパー(英 pepper) 英語のペッパーでおわかりのように胡椒のことです。コショウ科のつる性の常緑樹の種子で、粉状で市販されているものもありますが、通常は白、黒の粒胡椒を専用の容器で挽いて使います。 マント(仏 menthe)/ミント(英 mint) シソ科の多年草でハッカの香りがする香草です。ペパーミント、スペアミント、アップルミントが代表的な品種ですが、どれも料理よりはデセールやハーブティーに使われることが多い香草です。 ムータルド(仏 moutarde)/マスタード(英 mustard) 英語のマスタードでおわかりのように、カラシナの種子をひいて作った黄色の辛い粉、つまり芥子のことです。通常はEnglish mustardと呼ばれる練り芥子のことを指します。 ロマラン(仏 romarin)/ローズマリー(英 rosemary) オーデコロンの材料に使われるほど強い芳香をもったシソ科の多年草の香草です。樟脳に似た香りを持ちポプリや入浴剤としても使われます。香りが強いので、多少クセのある肉(子羊など)を調理する時に使われます。 ローリエ(仏 laurier)/ローレル(英 laurel) クスノキ科の常緑高木で月桂樹とも呼ばれます。葉を日陰干しで乾燥させたものを、風味を増すためにシチューなどに入れて使います。 |