ル・パン バーラヴァン(フランス料理)


◆場 所(千代田区有楽町1−2−2 日比谷シャンテシネ1F)
日比谷駅の銀座寄りの改札口を出ます。晴海通りに面した東宝ツインタワービルのある角を左折します。通りを50m位進むと、ゴジラ像のある広場になります。レストランはその広場の左手の建物(映画館がある建物で、はす向いに日比谷シャンテの建物があり、日比谷シャンテとはB2Fで繋がっています。)の1Fです。駅の出口から徒歩1〜2分です。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
地下鉄 日比谷線・千代田線・三田線 日比谷駅

◆電 話
03−3501−2161(FAX 03−3501−2162)

◆営業時間
11:00〜23:00
年中無休

◆雰囲気
バーラヴァン(Bar a Vin)という店名が示すように、ワインなどを気軽に楽しめるフレンチレストランで、カフェとしても利用できます。2000年10月に開店したレストランで、姉妹店として横浜・上大岡にル・パン バーラヴァン、横浜みなとみらい地区ワールドポーターズにシャトー ル・パン(こちらは一般的なフレンチレストランで、ウエディングにも対応できます。)があります。またかって六本木には高級フレンチレストラン 「ル・パン」がありました。

入口は写真のように広場に面していて、外観から想像するよりも中は広く、窓際には数席のカウンター席があり、広場を眺めながら食事ができます。レストランに入ると壁にコートなどを掛けられるクローク的なスペースが右手にあり、次に窓際のカウンター席、次に左右にテーブル席が並んでいます。奥に進むとさらに左手にもダイニングスペースがあり、壁沿いに黒のレザーのベンチシートのあるテーブル席が並んでいます。こちらのテーブル席の方は、ディナー用のスペースということで、エルメスやレイノーの高級なプレゼンテーションプレートがセッティングしてあり、落ち着いたスペース(写真には写っていません。)になっています。テーブルの間隔はそれほど広くありませんが、全体に通路がゆったりしているので、気分良く食事ができます。厨房は一番奥の右手、レストルームは男性用・女性用が一番奥の左手にあります。

インテリアはシンプルなモダンデザインですが、床はダークブラウンの木目、壁はごく薄いグリーンの吹き付けで仕上げていて、冷たい感じはありません。低価格に抑えたレストランですが、落ち着いた雰囲気にまとまっています。壁にはモノクロームの写真を飾ったり、ライトアップされた飾り棚があるなど、細部にも気を使っていました。椅子は黒の木製のものと布カバーで被われたもの(ディナー向きの落ち着いたスペースで使用)の二種類のタイプがあり、どちらもしっかりした造りです。

照明はスポットライト(モノクロームの写真をライトアップもしています。)、ダウンライトを使ったテクニカルなもので、ダイニングルーム全体、テーブルの上とも適度な明るさです。BGMは白いBOSEのスピーカーから静かな音量で、モダンジャズの曲が流れている時もあれば、オペラのアリアが流れている時もありました。

テーブルウェア関係は次の通りです。クロスはクッションのついた金属脚のテーブルの上にクロスが二枚、食器はレイノー、エルメス、店名のロゴが入った品の良い白のノリタケなど、カトラリーはエルキュイ、クリストフルなど、ワインはボトルを注文するとリーデルやスピゲラウに交換してくれます。リーズナブルなレストランとは思えないほど、フランス中心に高級なテーブルウェアを揃えています。テーブルにはアルコールランプも置かれ、フレンチレストランにしては珍しくおしぼりのサービスがありました。なおカフェで利用の場合は、クロスの上に紙のランチョンマットになります。

レストルームの男性用は、ダイニングルームと同じくモダンデザインでまとめていますが、温かみがあり清潔感のあるインテリアです。洗面台はダークブラウン、床は大判タイル、壁はダイニングルームと同じ(?)に仕上げています。大きさも必要充分で、洗面台にはペーパータオル、液体石鹸の用意がありました。照明はハロゲンランプのダウンライトを使っていて、明るさも充分です。

フロアのサービスは、高級フレンチレストランであった六本木の「ル・パン」のスタッフが加わっていますので、全体に丁寧で落ち着いたサービスとの印象を持ちました。料理の説明も丁寧で、ワインのアドバイス(ソムリエも勿論います。)も受けられます。満席の場合、スタッフの人数は多少不足するかもしれませんが、料理の出される間隔は適度で、グラスのワイン、水にも気をつかっています。入出店時の応対も丁寧で、気持ち良く利用できます。

◆価 格
ランチ
  ¥1,000〜
ディナー
  ¥3,500 前菜、魚または肉料理、デセール、食後の飲物
  ¥4,500 前菜、魚料理、肉料理、デセール、食後の飲物
 アラカルトもあります。アラカルトの主な価格帯は以下の通りです。
  前菜 ¥1,000〜¥2,000/魚・肉料理 ¥1,800〜¥3,000
  デセール ¥800〜¥1,000/フロマージュ ¥500〜
   サービス料なし

◆料 理
コースの料理内容はアラカルトのポーションを少な目にしてコースを組み立てていて、前菜、魚・肉料理とも数種類以上から選択でき、一部高級素材を使った料理のみ追加料金がかかります。¥3,500と¥4,500とも選択できる料理は同じです。
魚と肉料理両方とも食べたい人は¥4,500のコース、どちらか一品でよい人は¥3,500のコース、種類は少なくて良いから一皿のポーションを多くという人はアラカルトと使い分けでき、とても合理的です。
気軽に利用できるフレンチレストランですが、料理は本格的なフレンチで、シェフのアイデアが生かされていて、コストパーフォーマンスも良いと思います。六本木「ル・パン」の料理を知っている人には、味が軽い傾向になったと感じられるのではないでしょうか?
以下の料理の写真はディナーコースで注文した時のものです。

前菜の『温泉卵のゼリー寄せ』は、ゼリーの中にねっとりした食感の温泉卵と帆立貝が入っていました。強めの味のゼリーと卵が良く合います。
前菜の『手長海老のフリチュールとサーモンのマリネ』は、中に生温かい手長海老と新ジャガイモの千切りが入っていてました。手長海老は甘さが印象的で、ユニークな盛り付けで楽しめます。付け合せに蓮根、クールジェット、チャービルが添えられていました。
前菜の『北海道 厚岸産 カキのバリエーション』は、岩塩の上にカキがのっていて、左が冷製、右が温製に仕上げてあり、二種類のカキの味が楽しめました。白ワインヴィネガーで蓮根、人参がほどよくマリナードされています。
前菜の『鱸のマリネ』は、新鮮な素材を酸味は抑えてマリネしています。いろいろなハーブを使っていますが、素材自体の味がうまく生かされていました。鱸のまわりには、ジャガイモと生クリームを使った(?)ペーストが盛り付けてあります。
前菜の『蕪のスープ カプチーノ仕立て』は、見た目ほどクリーミーでこってり仕上げてなくて、さらりとした食感に蕪の味が充分感じられる味わいのあるスープでした。上にかけられた胡椒がとても良いアクセントになっています。
前菜の『フランス産フレッシュフォワグラのソテー』は、じゃがいもの千切りを揚げたものと組み合わせたミルフィーユ仕立てになっています。じゃがいもの千切りの脂が多少強めに感じましたが、フォアグラの質は良く、オーソドックスですが、フォアグラによく合うソースでした。

魚料理の『鯛のグリル フランス産ホワイトアスパラガス添え 赤ワインソース』は、丁寧にグリエされた鯛と旬のホワイトアスパラガスのシャキシャキ感が楽しめます。鯛の火入れ、塩加減も申し分ありません。
魚料理の『塩鱈のグリエ』は、フキノトウなどの山菜や野菜をたっぷり使っていて、塩鱈の塩気も少な目で軽くグリエしてあります。あっさり仕上げていますが、野菜の種類が多く味にメリハリがありました。
肉料理の『パリパリに焼いた仔鴨のロースト ハチミツ風味の甘酸っぱいソース』は、オーソドックスな仕上がりで、火入れは良く、ソースも仔鴨に良く合います。仔鴨の下には桃があり、どことなくシナモン、八角の風味がします。
肉料理の『フランス ポイヤック産乳飲み仔羊のロースト トマトのロースト添え、ニンニクのピューレと共に』は、柔らかい肉質で旨みがあり、香りが印象的です。トマトの酸味、バジルは当然相性が良く、ニンニクの香りは抑えられていました。
肉料理の『塩豚バラ肉のコンポートとフォアグラのポワレ ポトフ仕立て、温泉卵添え』は、塩豚といっても塩気は少なく、柔らかく仕上がっています。スープがおいしく、塩豚のさっぱり感を鴨のフォアグラと温泉卵が補っていると思いました。
肉料理の『和牛頬肉の煮込み』は、頬肉がとても柔らかく煮込んであり、ソースの甘さもちょうど良く仕上っていました。キャベツを柔らかく煮込んだものと小さく切ったベーコンが下に盛り付けてあります。
肉料理の『鴨胸肉のロースト』は、主菜としてのボリュームも十分で、ソースはワインと鴨肉のジュを使ったオーソドックスなものでした。鴨肉は厚切りで、レンコン、マッシュルームなどが添えられています。

デセールの『ドライフルーツ、アーモンドキャラメルが入ったイタリアンメレンゲの菓子 シャルトリューズ風味』は、きれいな盛り付けで、量は少なめですが、メレンゲの仕上がりも良くいろいろな風味が楽しめます。
デセールの『アールグレイのクレームブリュレ バニラアイスクリーム添え』は、上品な甘さのアールグレイ風味がしっかりしたクレームブリュレでした。バニラアイスクリームも適度な甘さです。
デセールの『栗のアイスクリーム フランス風のメレンゲを添えて』は、量が少ないのが残念ですが、栗の風味がたっぷり感じられ、甘さも適度なアイスクリームでした。
デセールの『青リンゴと紅茶のムース マンゴーのシャーベット添え』は、爽やかな味の組合せのムースで、とても軽やかな印象です。マンゴーのシャーベットもとてもジューシーでした。
デセールの『レモンのタルト パッションフルーツのシャーベット』は、オーソドックスなタルトで、レモンの風味がしっかりでていました。シャーベットの酸味も程良いと思います。
デセールの『ガトー・オペラ』は、量は少な目ですが、チョコレートの甘さ・苦さがバランス良く仕上っていました。
食後の飲物はコーヒーと紅茶を選択できます。
パンはバゲットですが、香ばしく、温めてサービスされました。

ワインの品揃えは、赤、白のワインがそれぞれフランスのものを10種類位で、主なものは¥5,000〜¥10,000のリーズナブルながら、料理の傾向に合わせたものを揃えていました。ヴィンテージワインも一部にありましたので、ソムリエと相談してみましょう。なおグラスワインは¥700位から用意してあり、気軽に注文できます。
ワイン以外の飲み物では、ビール、カクテルの用意もあります。

◆その他の情報
木・金曜日の夜は人気がありますので、予約をしてから行った方が良いでしょう。
ル・パンの田口譲総料理長は、フランスの『ジョルジュ・ブラン』などのミシュラン三ツ星店、フェルナン・ポワンの伝説のレストラン、『ラ・ピラミッド』で修行しています。
姉妹店の連絡先は次の通りです。
 シャトー ル・パン TEL 045−222−2505
 ル・パン バーラヴァン上大岡店 TEL 045−848−7517

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