◆場 所(港区六本木4−11−13 ランディック六本木1F) 六本木交差点角の交番から外苑東通りを青山方向に向かい、交差点から三番目の細い道に入り、30m位行った右手のビルの1Fです。駅から徒歩1〜2分です。 ◆最寄り駅 地下鉄 日比谷線 六本木駅 ◆電 話 **−****−****(FAX **−****−****) ◆営業時間 ランチ 11:30〜14:00(ラストオーダー) ディナー 18:00〜22:00(ラストオーダー) 年中無休 ◆雰囲気 以前はワインの品揃えを重視し、ワインラウンジとしても使える、カジュアルな一面を持ったフレンチレストランでしたが、現在は正統的なフレンチレストランとして営業しています。このレストランが開業する前、この場所はナイトクラブで、そのインテリアを流用しているため、豪華な雰囲気ですが、フレンチレストランとしては多少独特なインテリアになっています。 フランス国旗が掲げられているエントランスは、床が磨きの石張りで、スロープではなく、小さな段差がいくつかありますので、足元に気をつけてください。レストランに入ると正面にクラシックなデザインのレセプションデスクが置いてあり、奥が男女別のレストルーム、左に行くとダイニングルームで、ワインに関する雑貨など(レストランオリジナルのワイングラス、ワイングッズ、田口シェフの本などを販売しています。)が置いてあるカウンターとキャッシャーがある通路を通っていくと、ダイニングルームになります。 ダイニングルームは広く、いくつかのブロックをカーテンで仕切れるようになっています。ベンチシート(人工スウェードの風合いを持ったファブリックを使っています。)の席の場合、隣席との間隔はそれほど広くありませんが、配膳台が大きく、シャリオが通るのに十分な通路を確保していますので、落ち着いて食事ができます。通常の椅子の方は、ベンチシートとファブリックのデザインを揃えていて、クラシックデザインの椅子ではなく、シンプルなデザインのもです。 床は配膳台の周囲が大理石、各テーブルの床がバラの模様の厚手の絨毯敷きになっています。壁にはベージュの御影石をふんだんに使っていて、壁面のブロンズ(?)の天使のスカルプチャー、天井の天使の装飾、後ろからライトアップした白いドレープのレースカーテンなどは、ナイトクラブの名残りのインテリアかもしれません。キャシャーの壁に埋め込まれ、使われていない2トラ38(サンパチ)のテクニクスのオーディオデッキも懐かしさを感じさせます。 照明はシャンデリア、ダウンライト、壁の絵画をライトアップするスポットライトを使っていて、以前より多少明るくなった印象で、特にテーブルをライトアップしていませんが、食事をするには十分な明るさです。なおBGMは小さな音量で、クラシックが流れていました。 テーブルウェア関係は次の通りです。テーブルクロスは金属脚のテーブルのトップに、ビニールを被せ、その上に布クロスを二枚掛けています。食器はリモージュの高級品『レイノー』のものが多く、ワイングラスは『リーデル』ではありませんが、容量の非常に大きなワインを飲むのに相応しい、レストランオリジナルの国産のグラスで、カトラリーは『クリストフル』です。予約した席にはプティフラワーも置かれていて、フレンチレストランには珍しく、おしぼりのサービスがありました。 入口付近のレストルームですが、男性用は床が厚手の絨毯敷き、壁と洗面カウンターは御影石を使った豪華なインテリアで、スペースも広く取られています。衛生陶器も外国製で、カウンターには大きな生花が飾ってあり、ハンドタオルも豊富に用意されています。静かな音量でBGMも流れています。 サービスに関しては、当日はお客がそれほど多くなかったせいか、料理の出される間隔も良く、テーブルへの目配りも十分でした。お客が多い場合は、現在の人数では少々苦しいかもしれません。席数が多い利点を生かして、お客のテーブルも分散するように案内してくれます(サービスする方は大変ですが)ので、隣席の会話が気になることもありません。メートルドテルも、おだやかな応対で、質問にも丁寧に答えてくれます。手が空いていれば、田口シェフとお話しすることも可能です。出店時もメートルドテルが丁寧に見送ってくれ、気持ち良く出店できました。 ◆価 格 ランチ ¥3,000/¥4,000/¥8,000 ディナー ¥8,000(日替わり) アミューズ、前菜、魚料理、グラニテ、肉料理、デセール、食後の飲み物 ¥10,000(シェフのおすすめ 季節のコース) ¥15,000(シェフのおまかせコース) アラカルトもあります。アラカルトの主な価格帯 前菜・スープ・サラダ ¥2,000〜¥4,000/主菜 ¥3,500〜¥6,500 フロマージュ ¥900〜/デセール ¥1,200 サービス料 10% ◆料 理 料理の写真を掲載していますが、すべてアラカルトで注文した時のものです。ディナーコースの料理とはポーション等が異なりますので、ご注意ください。 ¥8,000のコースは日替わりですが、アラカルトの料理のポーションを調整して、コースを組んでいるようです。今回は前菜に大変おもしろい料理が多かったので、前菜中心にアラカルトで注文しています。料理の傾向は、以前とがらりと変わり、オーソドックスな料理が多く、やや平凡な前回の印象(カジュアルなフレンチレストラン時代)から、良質な素材を使い、シェフのアイデアを巧妙に取り入れた、魅力あるフランス料理に大変身していました。素材の組合せ、丁寧な仕上げに田口シェフの力量の確かさを感じさせます。オリーブオイルに関しても、南仏の『アルドイノ』(モンテカルロの『オテル・ド・パリ』にある三ツ星レストラン『ルイ・キャンズ』でも、よく使われているそうです。)やイタリアのものを、料理に応じていろいろ使い分けています。 アミューズは、『カワハギのマリネ』で、歯ごたえのしっかりしたカワハギのマリネに、ムース状のクリームが添えられていました。クリームにはほのかにクミンの風味がつけられていて、この加減が絶妙で、後からの料理への期待を高めてくれます。 前菜の『リ・ド・ヴォーの温製サラダ にんにくと粒マスタード風味』は、リ・ド・ヴォーをから揚げしたユニークな温製サラダです。リ・ド・ヴォーは少し甘めに味付けしてあり、トリュフ入りピスタチオのソースと良く合います。オリーブオイルはアミューズで使ったものと違い、より風味の強いものに変えていました。 前菜の『ホロホロ鳥の一皿(温製サラダ仕立て、白肝のテリーヌなど)』は、香ばしくグリルしたホロホロ鳥に白肝のテリーヌを組み合わせています。付け合わせの白いクリーム状のムースは、アミューズとは異なり、レモン風味でした。ホロホロ鳥はさっぱりした味わいの肉ですので、こってりした白肝との相性はとても良く、ムースの酸味が良いアクセントになっています。 前菜の『フォアグラと季節の野菜のポトフ仕立て シェリー酒風味』は、シェリー酒の酸味を生かしたフォアグラのポトフ(と言っても、よく煮込んでいるわけではありません。)で、日本の野菜、茸を使った季節感のある一品です。ゴボウ、姫大根、人参、ヤングコーン、松茸、三つ葉などのいろいろな素材とフォアグラとの組合せが楽しめました。 前菜の『フレッシュフォアグラのポワレ フカヒレと大根のコンポート』は、ポルト酒を使ったオーソドックスな甘いソースのポワレです。フカヒレと大根はとても柔らかく仕上げていて、シェリー酒風味のフォアグラのポトフとは違った味わいを楽しめます。 フロマージュに関しては、ワインの品揃えにふさわしく、各タイプを満遍なく揃え、全部で12種類ありました。 デセールに関しては、決められた内容の皿盛りのデセールとシャリオからお好きなパティスリー、コンポート、シャーベットなどを、お好きなだけ選ぶデセールの両方用意してあります。 シャリオからのデセールを選びましたが、焼き菓子は質も高く上品に仕上げてあり、コンポートに使うワインには、ベルベーヌなどのハーブを微妙に使って香りつけするなど、シェフの細かい工夫が感じられます。 パンはシャンピニオンとバゲットが用意され、自家製ではないと思いますが、温めてサービスされました。バターはレストランでよく使われるカルピスです。 食後の飲み物は、コーヒー、紅茶、ハーブティーが選べますが、ハーブティーはフレッシュかどうかはわかりません。 ワインに関しては、高級フレンチレストランに相応しく、ボルドー、ブルゴーニュを中心として、イタリア、カリフォルニアなどを加えた、充実した品揃えでした。ボルドー赤(¥8,000〜¥250,000)が70種類位、ブルゴーニュ赤(¥7,000〜¥50,000)が30種類位、フランスのその他の地方が数種類、ブルゴーニュ白(¥)が十数種類、その他ロワール・アルザスなどの白が10種類弱、イタリア・カルフォルニアが数種類、シャンパーニュ(¥8,000〜¥60,000)が10種類弱の品揃えです。ハーフボトルも赤・白それぞれ数種類、デザートワインも数種類用意してありました。ボルドーは1級格付けの高価なワインが多いですが、ブルゴーニュはレストランとしては平均的な価格で用意しています。 ◆その他の情報 田口譲オーナーシェフは、フランスの『ジョルジュ・ブラン』などの一流店で修行して帰国後、96年9月にこのレストランをオープンしています。 横浜ワールドポーターズ5Fに、『シャトー ル・パン』という支店(TEL 045−222−2505)があり、六本木店より価格設定が低くなっています。 |