東京いい店真っ当な店?の「タイユバン」評を読んで私なりの意見を述べさせて頂きます。 私は去年(1997年)の6月と今年(1998年)の4月に「タイユバン」に行って来ました。 まずは去年の感想から。 店内の内装などについては福本氏の記述に詳しいので省略させていただきます。 席に案内され、まずは食前酒のオーダーを訊かれましたがパス。食前酒は必ずしもオーダーしなければならないものではありませんので。そして絶妙のタイミングでヴリナ氏の登場。ヴリナ氏というのは「タイユバン」のオーナーであり、食通の間ではこの人にメニューを手渡されるのがステイタスとさえ言われている人物です。 メニューはアラカルトでオーダー。定食もありましたがアラカルトの魅惑的な料理の数々に魅せられてしまいました。 妻のオーダーは前菜がエスカルゴの料理。 (この日の詳しい料理名、調理法は忘れてしまいました。すみません) 私がアスパラガスのトリュフソース。 両方とも大変レベルの高い味でした。「アスパラ・・」は6月という時期のせいかトリュフの有り難みは感じなかったものの、妻曰く「アスパラがこれほどおいしいものだったとは」。トリュフを使っているせいかちょっと値段が高かったのですが。メインは妻がオマールの料理。私が鳩のロースト。この料理は確か「タイユバン」のスペシャリテだったと思います。両方ともいかにも「オマール!」「鳩!」といった味でした。当たり前と思われるかもしれませんが、前菜も含めて、これだけ素材の味を生かしている料理はそうはありません。素材の持ち味を感じさせるということは、それだけ素材の良さ、それを生かす料理人の技術あってこそです。素材を生かした料理というのはこういうものなのか、と目から鱗が落ちた思いでした。 さて、今年の感想。 去年はアラカルトだったので今年はムニュ(定食)で。クレソンのスープ。オマールのソーセージ。子羊の3種の料理。そしてチーズとデザートという構成でしたが、値段的には定食の方がお得でしょうが、内容はやはりアラカルトだな、と思いました。定食だけにやはり万人向けなんですね。可もなく不可もなくといったところでした。 さて、福本氏が問題にしていたサービスについてですが、私の感想を言わせてもらいますと「評判通り、最高水準のサービス」です。去年に続いて今年も出掛けた所以であります。毎年でも出掛けていきたいと思わせる雰囲気がこの店にはあります。 ワインのセレクトについても実にリーズナブルなワインを選んでくれます。 福本氏の場合、災難だったとしか言いようがないですね。 パリでお薦めのレストランはどこか、と訊かれれば迷いながらも「やはりタイユバンでしょう」と答えるでしょうね。 「タイユバン」。堂々とフランスを代表するレストランです。 なお、この掲載文に関するご意見ご批判はこちらまで。 たろちゃん tarochan@manpuku.club.ne.jp ラ・トゥール・タロチャンのタイユバンのページへ |