◆場 所(Langestraat 19,B−8000 Brugge) 中世そのままのような街、ブルージュには地下鉄のような公共交通機関は当然ないので、街の中心部、大鐘楼(Belfort)のあるマルクト(Markt)広場からの道順を紹介します。 大鐘楼と州庁舎の間の道(Brydelstraat)を通って市庁舎前のブルグ(Burg)広場に向かいます。市庁舎のファサードに向かって左手にある『ホテル ホリデイ・イン・クラウンプラザ』横の通り(Hoogstraat)に進みます。運河の橋を渡り、100m位進んだ通り(Langestraat)沿いの左手の白い3階建ての建物がレストランです。通りの名称は変わりますが、基本的にはマルクト広場から一本道で、徒歩で10分弱です。 ◆電 話 TEL (32)(050)33−82−59 FAX (33)(050)33−10−11 ◆休業日 日曜日夜/月曜,1月上旬〜中旬,9月上旬 ◆雰囲気 ベルギー随一の観光都市で、北のヴェニスと呼ばれる、運河が美しい古都ブルージュ唯一のミシュラン三つ星レストラン(2006年現在)です。 レストランは白い3階建ての商館といった趣の建物(右上写真参照)です。建物に入るとすぐにバーカウンターがあり、名前を告げると、手荷物、コート等を預かって、その奥のテラスのあるウェイティングルームに案内されます。 ウェイティングルームには縦縞のファブリックのソファ、ラタンのチェア、テーブルがいくつか置いてあり、一部は天井と壁が温室のようにガラス張りになっていて、サマータイムの季節では、まだ明るいうちにディナーになるでしょう。テラスに面した屋外は手入れの行き届いた整形庭園になっています。 南欧風のテラスは明るく居心地の良い空間で、アペリティフの注文を受け、アミューズグールがサービスされますので、ゆったりとメニューを見ながら料理を決めることができます。 料理が決まるとダイニングルーム(右の写真)に案内されます。1Fのダイニングルームは二室(それぞれ6〜8テーブルを配置)に別れていますが、どちらも右の写真のように天井が高く、床は板張りで濃いグリーンのファブリック(カーテン、椅子のシート、格子柄のカーペット)をところどころに配したインテリアは高級感があり、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。 隣との席の間隔も適当で、ほどよい会話のざわめきが食事を心地よいものにしてくれます。照明はワイヤーに吊るされたハロゲンライトとブラケットの組み合わせで、食事には適度な明るさです。 テーブルクロスはフェルト、柄のある厚手のクロス、白のリネンの三枚重ねで、食器は主にドイツのローゼンタールを使用していました。グラス、カトラリーのメーカーは不明ですが、ワイングラスは容量が比較的大きく、ステムの長いものでしたので、テーブルウェアに関しては特に不満はありません。また各テーブルには必ず生花が飾られています。 レストルームはダイニングルームを出て右手にある階段を上がり、中二階の位置にあります。特に豪華というわけではありませんが、ハンドタオルも豊富に用意して清潔感のあるモダンなインテリアです。なお二階は電気が消されていましたので、どのような用途に使われているのか不明です。 サービスはとても上品な印象で、ダイニングルームが二つに分かれていても、各テーブルにかなり注意を払っていました。ダイニングルーム内にスタッフが立つのではなく、ダイニングルーム外の広い廊下を行ったり来たりしながら、各テーブルをチェックしていました。スタッフの人数も席数を考えると適正だと思います。料理の出される間隔も満足できるものですし、ワインのサービスも丁寧です。出店時は日本の高級レストランほど丁寧ではありませんでしたが、印象の良いものでした。 ◆価 格(夜) コース料理 シーフード料理のコース 2,600BF(ワイン付き 3,500BF) アミューズ,前菜1,前菜2,魚料理,デセール,食後の飲物,プティフール 通常の料理のコース 3,500BF(ワイン付き 4,300BF) アミューズ,前菜,魚料理,肉料理,フロマージュ,デセール,食後の飲物,プティフール その他にムニュ・デギュスタシオン、アラカルトもあります。 税金・サービス料込みの価格(チップは別)ですので、アラカルトで注文した場合は各料理の合計金額になります。 ◆料 理 うにを使った料理が食べたかったのでメートルドテルに相談すると、残念ながら季節的に扱っていませんでした。いろいろ迷いましたが、当日はワイン付きのシーフード料理のコース(料理の写真のページも用意しましたので関心のある方はご覧ください。)を選択しました。 ウェイティングルームでサービスされたアミューズグールは数種類に及び、ラタトュイユ、ブルーチーズを揚げたもの、小魚のフリッター、オリーブなどですが、その中に赤身の魚(マグロ)のタルタルを海苔で巻いた和食のようなものまでありました。どれも感激するほどの味ではないですが、アペリティフとの相性は良いものでした。 コースの場合、料理の内容は決まっていました。前菜1の白アスパラガスとサーモンの料理は、盛付けはきれいで旬のアスパラガスはおいしかったのですが、サーモンがかなりレアなのがちょと疑問です。メインの魚料理もメニューの内容から、定番的なトマトソース主体のイタリア料理的な味付けかなと危惧していたのが的中してしまいました。トマトソースに頼らないで、もう少しフランス料理的な味付けをしてもらいたいと思います。それに比べると前菜2のウナギとフォアグラのラビオリの料理は、シェフの素材の組み合わせ方と付け合わせのソースがとてもバランス良く、魅力的な料理になっています。 デセールはチョコレートの甘さも日本人には適度でオレンジとの相性も良く、派手なデセールではありませんが、充分満足できました。またプティフールでサービスされたトリュフのチョコレートも非常に上質なカカオが使われていて、さすがにベルギーのチョコレートは質が高いと思います。 日本には輸入されていませんが、お土産で購入したブリュッセルの『ウィッターメール』の素晴らしいトリュフからもベルギーのチョコレートの質の高さを実感できます。 なおフロマージュは注文しませんでしたが、ワゴンを見るとハード、白カビ、青カビ、シェーブル、多分ウォッシュタイプも、それぞれ2〜3種類揃っていたので満足できると思います。 ワインは二種類用意(銘柄は忘れてしまいましたが、どちらもビンテージは95年)されましたが、どちらも白で最初がフランスの、後がシャルドネ種のスペインのものでした。ウナギの前菜を除けば、料理との相性はまあまあですが、一番おいしかったウナギの前菜には好きなフルボディの赤ワインが欲しくなりました。 ◆その他の情報 パリの三つ星レストランと違い1ケ月前までに予約する必要はないと思いますが、1週間前までには予約した方が良いでしょう。FAXで予約すれば簡単です。 メートルドテルが英語で料理の内容を簡単に説明してくれますが、メニューはフランス語で書かれていましたので、ある程度素材、調理法についてのフランス語は覚えておく必要があります。 カルメリートのページへ(英語・フランス語・オランダ語) |